冷たい風のような火

メモ書きですが、それにしても何で公開の場で書くんでしょうね。

Jazz現代の名盤 その45

2011-11-13 19:19:10 | 息抜き
秋の夜長シリーズは終了。普通にいきます。

Suite。同世代ピアニストとしては、ブラッド・メルドーが人気、評価とも世界一かもしれませんが、私はこのバプティステ・トリティニョンを推したい。フランスのピアノの伝統である(?)、「毒」を持った花のような存在ですな。
棘ではなく、毒を持っている。異常にスリリングで美しく、惹きこまれる。
既に1月7月に1枚ずつメモしているので、この人のリーダー作はこれで3枚目。まあ、贔屓にしております。

2009年にロンドンで行ったライブが中心です(最後の1曲だけ同年のパリでのライブから)。
基本的に、"Suite"という組曲の演奏です。
バンドの顔ぶれがウルトラ豪華です。
ドラムにEric Harland。ベースはトロティニョンと組むことの多いMatt Penman。いずれも素晴らしく力のあるリズム陣。
そしてサックスがMark Turner。トランペットはJeremy Pelt
このホーンの2枚看板を引っさげて、トロティニョンのピアノが炸裂します。
でも、"Fluide"のころと比べると明らかに垢抜けてきており、パワーだけではなくてある種の凛々しさというか美しさを持ったメロディであり、演奏です。

ホーンの二人は、元々好対照な演奏をすると思います。
Turner のサックスは内省的で、Pelt のトランペットは外向的。
さすがにトロティニョン作曲の組曲なので、相当にパワー炸裂な部分がありますが、それでもこの二人の個性はやはり生きています。
前半から中盤にはPelt のリードするメロディが基調を作って楽しいですが、最終盤ではTurnerのサックスが厳かかつ重厚に締めていきます。
いずれも自身がリーダーを張っておかしくない力量の持ち主なだけに、相当な迫力です。
これだけの面子がバンドとして機能するのが素晴らしいとも言えます。

もちろん、リーダーのトロティニョンのピアノはテクニック万全。音が洪水のようにやってきますが、美しい旋律なので気持ちよい。
そして、ふてぶてしいまでの自信が毒づいていて、この人特有の雰囲気を醸し出します。

秋の夜長シリーズにライブ盤を一枚入れたかったのですが、どうもしっとりしたライブ盤を私は持っていないようです。
このアルバムは秋っぽさよりは夏のパワーってイメージですかね。もっと早くメモしておけばよかった。

↓記事がおもしろかったら、投票していただけるとありがたいです
にほんブログ村 経済ブログ 日本経済へにほんブログ村人気ブログランキングへ

↓お勧めの本やCDのリストを作りました。
冷たい風のような火を燃やすものたち


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。