語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【震災】原発>海洋汚染の隠蔽・追記

2011年05月20日 | 震災・原発事故
 日本最大の水揚げを誇る銚子港は、第一漁港を除き、これまでどおり出漁している。
 「『どこで獲っているかって? そりゃ教えられんよ。だいたい海に県境なんてあるか、え? 漁船同士でもお互いの漁場は教えないもんなんだよ。企業秘密ってやつだな』」

 国際環境団体グリーンピースは、原発の南30~70kmにある漁港や海岸などの海草類から極めて高い数値が検出された、と発表した。
 そのグリーンピースが4月19日に申請した領海内の海洋調査を、日本政府は拒否し続けている。「調査申請対象は、岩手、宮城、茨城及び千葉の一部である銚子港から12海里以内の漁場。すでに1ヵ月たつが、政府の姿勢は頑なだ」
 政府の調査は、高濃度の被曝が予想される固定性の海棲生物、ワカメ、昆布、アサリ、ホテテ、ウニなどを省く“おざなりぶり”だ。しかも、頭・内臓・骨を除外した「世界でも類を見ない特殊な方法」で測定している。

 政府は、セシウムとヨウ素の調査を行っているが、他の核種については調査していない。生物学的に非常に危険度の高いストロンチウムが福島原発の沖合4ヶ所かの海水から検出されているのに。
 ストロンチウムは、セシウムより水に溶けやすいため広範囲に移動し、カルシウムに似た成分であるため骨などに溜まりやすい。そして、骨のガンや白血病を引き起こすのだ。
 かつて核実験でばら撒かれた多種類の放射性物質のうち、ヒトに対して最も有害だったのがストロンチウムだ。
 にもかかわらず、自治体はストロンチウムを測定していない。文科省の判断待ちだ、という。

 文科省は、どういう対策を立てているのか。
 ストロンチウム90は、測定する前に、まず他のものから分離しなければならない。その処理工程に2週間を要する。その上で特殊な機器でベータ線を測定するから手間がかかる・・・・と文科省原子力災害対策本部はいう。
 手間がかかるから調べなくていいのか?
 「国は生命を守るために、まずは正確な情報を伝えることに腐心すべきではないか」

 以上、上杉隆「菅政権が妨害した海洋調査 恐るべき『放射能汚染データ』」(「週刊文春」2011年5月26日号)に拠る。
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