語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【読書余滴】佐藤優の、魂は一つではない

2010年07月13日 | ●佐藤優
 「沖縄には独特の生命観がある。一人の人間に魂が複数あるのだ。その一つひとつの魂が個性をもっており、それぞれの生命をもっている。従って、一人の人間は複数の魂に従って、いくつもの人生を送ることができる。複数の魂によって多元性が保証されている。魂の数だけ、真理もあるのだろう」

 こう書いて、佐藤優は、作家にして臨済宗福聚寺副住職の玄侑宗久の一文を引く。以下、要旨。

 魂が一つしかないということ自体、西洋的な見方にすぎない。ユングも、その見方は世界では少数だ、と書いている。沖縄では一人の人間に魂は六つ、ラオスでは32あるという。それほどあると、なんだか「ゆとり」を感じてしまう。
 土地ごとに魂のことを語るレトリックがあり、その土地ではその土地に根ざした真理があるのだろう。真理は一つではない、と思いたい。
 魂は6個かもしれないし、32個かもしれない。宗教者としては、その豊かさのほうを尊びたい。

【参考】佐藤優『沖縄・久米島から日本国家を読み解く』(小学館、2009)
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