(1)最近、不思議にも保守派の中で相互批判の動きが目立つ。
小林よしのりの「ネトウヨ」批判【注1】でも、「意外!」という声が多い。
(2)こんどは、「週刊文春」が、手ひどく「読売新聞」を叩いている。毎号掲載のコラム「新聞不信」において。
6月25日号のコラム見出しには、
「長老会見を無視した御用新聞」
とある。政界の長老4人による会見(6月12日、於日本記者クラブ)を無視した「読売」批判が主題だ、とすぐわかる。
あの「産経新聞」でさえ
「『安保法制反対で会見』との見出しのもと」
「五段分のスペースで」「中身はきちんと報じている」
のに、「読売」は無視している、として、次のように決めつけた。
「事実をどんな角度から報じようと各紙の自由だが、あったことを報じないのでは御用新聞の誹りは免れまい」
(3)「読売」もいよいよ「文春」に御用新聞と蔑まれるところまで落ちたか。
世界最大部数の全国紙が、安倍政権にすり寄ったことが、安倍側近たちを増長させている。自民党議員勉強会における報道抑圧の暴言についても、誘発させた責任が「読売」にはありそうだ。
(4)コラム「新聞不信」は、「産経」も叱っている。
5月21日号では、
「つまみ食いは“誤報”と同じだ」
として、5月8日付け「産経」朝刊一面の記事を批判した。欧米を中心とする日本研究者ら187人による「70年談話」に向けた声明の件だ。
他紙は、「彼らの本意を正確に伝えている」が、
「産経」は「自社の主張に都合の良い枝葉末節をつまみ食いしている」
と言い、
「産経」は福島原発事故の吉田調書をスクープした朝日の誤報追求に熱心だが、その資格はない
と厳しい。
同コラムの冒頭には、
「自説を前提に事実を歪めたり、ボツにしたりするのでは本末転倒だ」
ともある。サギをカラスと言いくるめる歪曲報道が得意技の「産経」には、馬耳東風だろう。それでも、同調報道が少なくない「文春」の、その後も続く「産経」叩きは痛手に違いない。
(5)「産経」は、北朝鮮バッシングの真偽不明報道の垂れ流しで、他社より群を抜いている。背景に安倍政権との癒着があるからで、金銭的なからみさえ想定される、という指摘もある【注2】。
まさかそこまでは・・・・と思うだろが、「産経貧乏物語」はよく知られている。
「読売」の産経化が「御用新聞」レベルまで進んだ昨今、「産経」は独自色の発揮に苦しいところだが、疑惑解消は急務だ。
(6)一方、6月7日付け「産経」朝刊のコラム「新聞に喝!」に、伊豆村房一が“正論”を展開している。
<メディアの本分とは、権力の監視機能を果たすことだ。とりわけ新聞ジャーナリズムには、立法・行政・司法の三権をチェックする第4の権力としての重要な役割がある。改めて圧力に屈せぬ新聞本来の気骨を存分に見せてもらいたいものだ。>【注3】
「産経」には、これがブラックユーモアでないことを証明してもらいたい。
【注1】「【メディア】安倍首相の「人身売買」発言 ~騙しのテクニック~」
【注2】成田俊一「拉致問題の解決を絶望的したのは安倍首相の「圧力」 総聯議長への家宅捜索と二男逮捕で合意は破綻」((「金曜日」2015年5月22日号)
【注3】コラム「メディアの本分は権力の監視にある」(産経ニュース 2015年6月7日)
□高嶋伸欣(琉球大学名誉教授)「『文春』が『読売』を「御用新聞」と批判。返す刀で『産経』断罪」(「週刊金曜日」2015年7月10日号)
↓クリック、プリーズ。↓
小林よしのりの「ネトウヨ」批判【注1】でも、「意外!」という声が多い。
(2)こんどは、「週刊文春」が、手ひどく「読売新聞」を叩いている。毎号掲載のコラム「新聞不信」において。
6月25日号のコラム見出しには、
「長老会見を無視した御用新聞」
とある。政界の長老4人による会見(6月12日、於日本記者クラブ)を無視した「読売」批判が主題だ、とすぐわかる。
あの「産経新聞」でさえ
「『安保法制反対で会見』との見出しのもと」
「五段分のスペースで」「中身はきちんと報じている」
のに、「読売」は無視している、として、次のように決めつけた。
「事実をどんな角度から報じようと各紙の自由だが、あったことを報じないのでは御用新聞の誹りは免れまい」
(3)「読売」もいよいよ「文春」に御用新聞と蔑まれるところまで落ちたか。
世界最大部数の全国紙が、安倍政権にすり寄ったことが、安倍側近たちを増長させている。自民党議員勉強会における報道抑圧の暴言についても、誘発させた責任が「読売」にはありそうだ。
(4)コラム「新聞不信」は、「産経」も叱っている。
5月21日号では、
「つまみ食いは“誤報”と同じだ」
として、5月8日付け「産経」朝刊一面の記事を批判した。欧米を中心とする日本研究者ら187人による「70年談話」に向けた声明の件だ。
他紙は、「彼らの本意を正確に伝えている」が、
「産経」は「自社の主張に都合の良い枝葉末節をつまみ食いしている」
と言い、
「産経」は福島原発事故の吉田調書をスクープした朝日の誤報追求に熱心だが、その資格はない
と厳しい。
同コラムの冒頭には、
「自説を前提に事実を歪めたり、ボツにしたりするのでは本末転倒だ」
ともある。サギをカラスと言いくるめる歪曲報道が得意技の「産経」には、馬耳東風だろう。それでも、同調報道が少なくない「文春」の、その後も続く「産経」叩きは痛手に違いない。
(5)「産経」は、北朝鮮バッシングの真偽不明報道の垂れ流しで、他社より群を抜いている。背景に安倍政権との癒着があるからで、金銭的なからみさえ想定される、という指摘もある【注2】。
まさかそこまでは・・・・と思うだろが、「産経貧乏物語」はよく知られている。
「読売」の産経化が「御用新聞」レベルまで進んだ昨今、「産経」は独自色の発揮に苦しいところだが、疑惑解消は急務だ。
(6)一方、6月7日付け「産経」朝刊のコラム「新聞に喝!」に、伊豆村房一が“正論”を展開している。
<メディアの本分とは、権力の監視機能を果たすことだ。とりわけ新聞ジャーナリズムには、立法・行政・司法の三権をチェックする第4の権力としての重要な役割がある。改めて圧力に屈せぬ新聞本来の気骨を存分に見せてもらいたいものだ。>【注3】
「産経」には、これがブラックユーモアでないことを証明してもらいたい。
【注1】「【メディア】安倍首相の「人身売買」発言 ~騙しのテクニック~」
【注2】成田俊一「拉致問題の解決を絶望的したのは安倍首相の「圧力」 総聯議長への家宅捜索と二男逮捕で合意は破綻」((「金曜日」2015年5月22日号)
【注3】コラム「メディアの本分は権力の監視にある」(産経ニュース 2015年6月7日)
□高嶋伸欣(琉球大学名誉教授)「『文春』が『読売』を「御用新聞」と批判。返す刀で『産経』断罪」(「週刊金曜日」2015年7月10日号)
↓クリック、プリーズ。↓