語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【食】中国産薬漬け・病気鶏肉を輸入する日本マクドナルド

2013年02月18日 | 社会
 (1)中国で薬漬け鶏肉が問題になっている。中国から日本へ輸出される鶏肉も汚染されている可能性が浮上した。
 日本への輸出実績をもつ企業グループでも病気肉が使用されているからだ。問題の企業は、河南省の大用(ダーヨン)食品グループだ。
 大用食品グループは、昨年12月の上海での薬漬け鶏肉事件以降、自社系列の養鶏場で抗生物質の投与を禁止した。すると、病気にかかる鶏が大量に発生した。その処理に困って、病死する前にと殺処理し、一部を食用に回した。
 疑惑を打ち消す報道も出ているが、そもそも薬の投与をやめた途端に鶏の病気が大発生するような無理な飼い方をしている点については、何の説明もない。

 (2)大用食品グループ傘下の河南省大用実業有限公司は、日本編簿鶏肉加工品の輸出実績がある。
 2010年9月、同社から日本へ輸出された焼き鳥から抗菌剤(フラゾリドン)が検出され、積み戻しされている。フラゾリドン検出の理由について、「中国国内向け原料(鶏肉)が使用されているため」とある。
 鶏肉の国内向けと輸出向けの分別管理が不徹底だ(疑い)。

 (3)大用食品グループは、アジア地域のマクドナルドの原料供給者にする目的で、3億ドルをかけて、年間20万トンの加工食品の工場を建設中だ。

 (4)日本マクドナルドの鶏肉は、中国とタイからの輸入だ。
 問題の河南省大用集団から輸入されていないか。
 日本マクドナルド「お客様サービス室」に照会したところ、データがないから回答できない、という。日本マクドナルド内部の担当部署で確認のうえ回答されたし、と再照会しても、個々の客からの問い合わせに対する個別の回答はしない、とのこと。
 ここまでひどい対応は、滅多にない。

 (5)日本のブロイラー養鶏でも、成長促進や病気予防のために抗生物質や抗菌剤入りの餌が与えられている。しかし、鶏肉に残留しないよう、出荷前の休薬期間が定められている。
 今回の問題は、中国国内では休薬期間を守ると鶏が病死してしまうような養鶏が広まっていて、その一部が輸出産業グループにも波及している可能性があることだ。
 輸出国における養鶏場での管理は、輸入企業にも責任がある。日本マクドナルドは、きちんと説明責任を果たすべきだ。

□植田武智(科学ジャーナリスト)「中国産薬漬け・病気鶏肉問題で日本マクドナルドに質問書を出したのだ」(「週刊金曜日」2013年2月15日号)
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