語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【選挙】安倍晋三の軽佻浮薄と無定見 ~経済政策~

2012年12月05日 | 社会
 (1)次期首相の最右翼と目される安部晋三・自民党総裁の言動が物議を醸している。

 (2)注目を集めたのは、11月7日。安部蔬菜が日本アカデメイア主催の講演で、無制限金融緩和に言及した。「インフレターゲットを設定して、無制限にお札を刷ることで、円相場を操作する方式に切り替える」
 さらに、爆弾宣言も飛び出した。「建設国債も大量発行し、日銀に引き受けてもらう」
 安部総裁はそれまでも、日銀に対する圧力ともとれる発言を繰り返していた。
 だが、「日銀引き受け宣言」には、さすがに「論外だ」と、市場や海外メディアから一斉に失笑を買った。
 政府が好きなだけ財政出動するための日銀引き受けは、財政規模が失われ、既に巨額な債務を抱える日本では金利が不安定化しかねない。

 (3)安部総裁は、日銀が積極的にマネーを供給し続ければデフレから脱却できる、と主張するリフレ派の立場だ。
 「政権奪回後、インフレターゲットを設けたいと考えている。私はターゲットは3%がよいと思う」
 「日銀と政府の間の政策協定に盛り込みたい。もしできないのであれば、日銀方を改正する」

 (4)ところが、その後、こうした過激な発言が市場や財界の間で批判的に騒がれ始めると、一点、発言内容は徐々にトーンダウンし、訂正されていった。
 物価目標は2%となっった。
 日銀引き受けについても、「直接引き受けとは言っていない」。
 「日銀法改正にこだわっているわけではない」
 ・・・・首相候補の軽はずみな発言、変節ぶりは目を覆うばかりだ。

 (5)日銀法改正という脅しを交えて日銀に圧力をかけるのは、先進国では見られない愚行だ。
 戦時の財政ファイナンスや、金融政策が為替政策に銃zくすることでバブルが起きる、という歴史の教訓を、どの先進国も痛いほど理解しているからだ。

 (6)反リフレ派も金融緩和を否定しているわけではない。彼らは、ゼロ金利下における日銀の緩和策は効果が限定的で、デフレ脱却にはまず国内経済の構造改革が必要だ、と主張する。
 ところが、リフレ対策のほうが、要人が発言するだけで、一時的に円安・株高に振れやすく、国民にとって目先の痛みが見えづらい。
 票ほしさに主張しているだけで、これで政権を取り戻そうとしているのdから、ついていけない。【政府関係者】
 いくら中身が素晴らしくても、票目当ての絵に画いた餅なら、意味がない。

 以上、池田光史/山口圭介(本誌)「安部の無定見と橋下の妥協 混沌極まる「選挙後」の経済政策」(「週刊ダイヤモンド」2012年12月6日号)に拠る。

 【参考】
【選挙】自民党の公約を整理すると浮き上がる矛盾
【選挙】安倍自民党総裁が財界に支持される理由 ~官僚的体質~
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