<キリスト教とユダヤ教というと、普通、仲が悪いと思いませんか? 特にヨーロッパにおいては、ユダヤ人がキリストを十字架にかけたじゃないかと。あるいはナチスドイツによるユダヤ人排斥もあったじゃないかと。
例えばアンネ・フランクの『アンネの日記』を読むと、「オランダ人はいい人だ」みたいなイメージになるけど、ナチス時代のオランダにおけるユダヤ人の殺害率って何%だと思う? 75%だよ。これはポーランドと同じくらいの率です。ドイツ本国や、フランスあるいはベルギーなどと較べて、オランダにおけるユダヤ人の殺害率は突出して高いんですよ。
裏返して言うと、だからこそ『アンネの日記』は必要なんだよね。オランダ人はいい人たちだったという印象を、オランダが世界に向けてプロパガンダするためにも、『アンネの日記』をオランダの国策として広めていかないといけない。そのことによって、いかにオランダ人がナチスに協力してユダヤ人排斥を進めたかを隠蔽する効果があるわけです。>
□佐藤優『ゼロからわかる「世界の読み方」 ~プーチン・トランプ・金正恩~』(新潮社、2017)の「第2部 ゼロからわかる「トランプ後」の世界」の「1 新帝国主義とトランプ --あるいはクリスチャン・シオニズムと黄禍論」から引用
【参考】
「【佐藤優】オシントというインテリジェンスの手法 ~『ゼロからわかる「世界の読み方」』~」
「【佐藤優】聖書の翻訳 ~『ゼロからわかる「世界の読み方」』~」
例えばアンネ・フランクの『アンネの日記』を読むと、「オランダ人はいい人だ」みたいなイメージになるけど、ナチス時代のオランダにおけるユダヤ人の殺害率って何%だと思う? 75%だよ。これはポーランドと同じくらいの率です。ドイツ本国や、フランスあるいはベルギーなどと較べて、オランダにおけるユダヤ人の殺害率は突出して高いんですよ。
裏返して言うと、だからこそ『アンネの日記』は必要なんだよね。オランダ人はいい人たちだったという印象を、オランダが世界に向けてプロパガンダするためにも、『アンネの日記』をオランダの国策として広めていかないといけない。そのことによって、いかにオランダ人がナチスに協力してユダヤ人排斥を進めたかを隠蔽する効果があるわけです。>
□佐藤優『ゼロからわかる「世界の読み方」 ~プーチン・トランプ・金正恩~』(新潮社、2017)の「第2部 ゼロからわかる「トランプ後」の世界」の「1 新帝国主義とトランプ --あるいはクリスチャン・シオニズムと黄禍論」から引用
【参考】
「【佐藤優】オシントというインテリジェンスの手法 ~『ゼロからわかる「世界の読み方」』~」
「【佐藤優】聖書の翻訳 ~『ゼロからわかる「世界の読み方」』~」