解散という安倍首相の判断をどう読むか。
安倍家の内情を誰よりも取材してきたといっていい野上忠興・元共同通信記者(安倍晋太郎の元・番記者)は、次のように語る。
地方の議員や首長らから頻繁に電話がかかってくる。むろん、解散・総選挙への不満だ。<例>中国地方で議長も歴任した自民党県議。「自民党県議団はしらけている。県議会があるのに、候補者の遊説に同行できるだろうか・・・・本当にわけのわからない解散だ」
衆院5選挙区全区自民党議員の保守王国、自民党岐阜県連ですら「わけのわからない選挙」として反対決議まで出した。
アベノミクスから拉致問題まで、看板政策は思うように転がらない。政権の体力と安倍晋三自身の体力・・・・2つの問題が解散の引き金を引かせた大きな背景になっている。そんな事情でなされる選挙は「個利個略&失政・疑惑隠し選挙」だ。
健康不安という時限爆弾を抱えている安倍にとって、凍てつく中での選挙戦はこたえる。持病の潰瘍性大腸炎にとって最大の大敵であるストレスを蓄積し、いま、体調が思わしくない。
春頃に比べても安倍には精気が感じられてない。感情を露わに相手をやり返すような場面が目立つ。
安倍家周辺によれば、「ゴッドマザー」と呼ばれる母(洋子)は晋三の後継者として晋三の兄(寛信・三菱商事パッケージング社長)の息子(寛人)にすることを決めている、と言われる。
親米とか反米とか言われるが、安倍晋三にその「下敷き」になる思想、発想がない。本人も「勉強はあまりしなかった」と認めている。学生時代の友人らによれば、麻雀とコンパに精を出していた。
政治家として安倍晋三の頭にあるのは、祖父(岸信介)の存在のみだ。同級生によれば、学校の先生や同級生の間で「A級戦犯容疑者」「昭和の妖怪」などと「おじいちゃん」をなじる言説に出会うと、安倍は感情的になって反発した。研鑽を積んだ上での国家観などなく、言ってみれば一種の「私怨」があるだけだ。
安倍晋三は、父(晋太郎)のことをあまり口にしない。
特攻の生き残りである晋太郎はよく言っていた。「平和がいいんだよ、平和が」と。そして、「俺は外交はタカだが、内政はハトだ」とも。
「おじいちゃん」が成し遂げられなかった憲法改正こそ、安倍の悲願らしいが、岸が一番可愛がったのは安倍晋三の実弟で岸家に養子にいった岸信夫・参院議員だった。
2012年の総選挙で民主党から政権を奪還したとき、安倍晋三はオフレコ懇談で「これでやっとリベンジを果たした」と口にした。「おじいちゃん」にせよ、リベンジ発言にせよ、安倍晋三をつき動かしているのは「私怨」の二文字に尽きる。
今回の解散は、良いとこ出のわがままなお坊ちゃんがジグゾーパズルをしているうちに、どうやっても政策というピースを思うようにうまくはめ込むことができずに、「もう一回やり直しだ」と投げ出したようなものだ。
そんなわがままな振る舞いを支えているのがマスコミだ。
健康問題に触れるとオフレコ懇談から排除される。健康問題はタブーなのだ。記者会見でもパソコンを打ちながら臨む記者が多いのに。
閣僚や自民党三役を経験した古参議員によれば、昔と違って今の政治記者は集団で行動し、会見はむろん、夜討ち朝駆けでも突っ込んだ質問はない。楽というより、取材を受ける楽しみがない。現場の記者どころか、大マスコミの社長までもが最高権力者の安倍晋三のご相伴にあずかって、恬として恥じない。
□記事「安倍さんの最大リスクは健康不安」(「週刊金曜日」2014年11月21日号)
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【参考】
「【政治】巨大脱税疑惑隠しの自分勝手解散 ~安倍晋三~」
安倍家の内情を誰よりも取材してきたといっていい野上忠興・元共同通信記者(安倍晋太郎の元・番記者)は、次のように語る。
地方の議員や首長らから頻繁に電話がかかってくる。むろん、解散・総選挙への不満だ。<例>中国地方で議長も歴任した自民党県議。「自民党県議団はしらけている。県議会があるのに、候補者の遊説に同行できるだろうか・・・・本当にわけのわからない解散だ」
衆院5選挙区全区自民党議員の保守王国、自民党岐阜県連ですら「わけのわからない選挙」として反対決議まで出した。
アベノミクスから拉致問題まで、看板政策は思うように転がらない。政権の体力と安倍晋三自身の体力・・・・2つの問題が解散の引き金を引かせた大きな背景になっている。そんな事情でなされる選挙は「個利個略&失政・疑惑隠し選挙」だ。
健康不安という時限爆弾を抱えている安倍にとって、凍てつく中での選挙戦はこたえる。持病の潰瘍性大腸炎にとって最大の大敵であるストレスを蓄積し、いま、体調が思わしくない。
春頃に比べても安倍には精気が感じられてない。感情を露わに相手をやり返すような場面が目立つ。
安倍家周辺によれば、「ゴッドマザー」と呼ばれる母(洋子)は晋三の後継者として晋三の兄(寛信・三菱商事パッケージング社長)の息子(寛人)にすることを決めている、と言われる。
親米とか反米とか言われるが、安倍晋三にその「下敷き」になる思想、発想がない。本人も「勉強はあまりしなかった」と認めている。学生時代の友人らによれば、麻雀とコンパに精を出していた。
政治家として安倍晋三の頭にあるのは、祖父(岸信介)の存在のみだ。同級生によれば、学校の先生や同級生の間で「A級戦犯容疑者」「昭和の妖怪」などと「おじいちゃん」をなじる言説に出会うと、安倍は感情的になって反発した。研鑽を積んだ上での国家観などなく、言ってみれば一種の「私怨」があるだけだ。
安倍晋三は、父(晋太郎)のことをあまり口にしない。
特攻の生き残りである晋太郎はよく言っていた。「平和がいいんだよ、平和が」と。そして、「俺は外交はタカだが、内政はハトだ」とも。
「おじいちゃん」が成し遂げられなかった憲法改正こそ、安倍の悲願らしいが、岸が一番可愛がったのは安倍晋三の実弟で岸家に養子にいった岸信夫・参院議員だった。
2012年の総選挙で民主党から政権を奪還したとき、安倍晋三はオフレコ懇談で「これでやっとリベンジを果たした」と口にした。「おじいちゃん」にせよ、リベンジ発言にせよ、安倍晋三をつき動かしているのは「私怨」の二文字に尽きる。
今回の解散は、良いとこ出のわがままなお坊ちゃんがジグゾーパズルをしているうちに、どうやっても政策というピースを思うようにうまくはめ込むことができずに、「もう一回やり直しだ」と投げ出したようなものだ。
そんなわがままな振る舞いを支えているのがマスコミだ。
健康問題に触れるとオフレコ懇談から排除される。健康問題はタブーなのだ。記者会見でもパソコンを打ちながら臨む記者が多いのに。
閣僚や自民党三役を経験した古参議員によれば、昔と違って今の政治記者は集団で行動し、会見はむろん、夜討ち朝駆けでも突っ込んだ質問はない。楽というより、取材を受ける楽しみがない。現場の記者どころか、大マスコミの社長までもが最高権力者の安倍晋三のご相伴にあずかって、恬として恥じない。
□記事「安倍さんの最大リスクは健康不安」(「週刊金曜日」2014年11月21日号)
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【参考】
「【政治】巨大脱税疑惑隠しの自分勝手解散 ~安倍晋三~」