語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】ストレスのはけ口は弱い人間に向けられる

2018年01月03日 | ●佐藤優
 <組織中で生き抜くにも厳しいことの多い時代です。経済が停滞して会社の業績も上がらないと、どうしても組織全体がギスギスしてくる。上の人間が仕事がうまくいかないストレスを部下にぶつけると、その人はさらにその部下にあたる・・・・。
 この立場の弱い人間に抑圧が移っていくことを丸山眞男は「抑圧移譲」と呼びましたが、立場の弱い人とは、必ずしも地位や肩書の上下だけではありません。
 組織で軽く見られている人やバカにされている人に抑圧が移転していく。イヤな話ですが、現実社会ではありがちな光景です。
 こうなると、組織で自分が抑圧移譲の対象にならないようにしなければなりません。
 一番いいのは仕事の成績を上げること。会社であれば営業成績を上げる、学校であればテストでいい成績をとる。周囲は成果を上げている人物には一目を置いた対応をするので、簡単に軽んじられることはないでしょう。
 なかなか成績を上げられないという人はどうしたらいいか? 後ろ向きのように聞こえますが、目立たないようにすることです。特に最近は社会全体に組織化、管理化が進み、少しでもはみ出した行動をとると周囲から目をつけられがちです。
 気配を消すという言葉がありますが、不要な自己主張をせず、組織の流れと空気をある程度読んで行動することです。どうも窮屈な話で気分が滅入りそうですが、現実的に対応する必要があります。
 自分を主張するのは、相応の実力と成果を上げてから。そうでないうちに力んでも、空回りして逆効果になることが多いのです。特に右肩下がりで会社にも組織にも余裕のない今の時代では、なおさら敏感にならざるを得ません。>

□佐藤優『僕ならこう読む 「今」と「自分」がわかる12冊の本』(青春出版社、2017)の「第4章 組織の怖さと残酷さについて」の「ストレスのはけ口は弱い人間に向けられる」から引用
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 【参考】
【佐藤優】ブラックな組織で生き延びる方法



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