よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

COSF大盛況にて終了

2007年02月22日 | オープンソース物語
さて出展社のソリューションはすべて切れ味溢れる素晴らしいもので、このフォーラムの趣旨が現実のものとなったと感じています。来場者の方々は多くを学び、知り、また出展企業の方々も多くの商談や連携構想を得られました。

主催者として大変うれしく思います。開催報告はこちらのサイトにて公開させていただいています。

コマーシャル・オープンソースの牽引役、旗手のSugarCRM社長のジョンが、コマーシャル・オープンソースのビジネスモデルについて、その本質に迫る非常に濃度の濃い講演を行いました。コマーシャル・オープンソースのビジネスモデルに関する、当事者による日本初の講演は、そこまで言っていいの?と思われるくらいのプラクティカルかつ知的に非常に充実した内容でした。基調講演にふさわしい内容でした。

コマーシャル・オープンソースの雄、SugarCRMとケアブレインズは業務提携をしています。さらなる両社の提携関係の強化と日本市場での戦略的連携を推進してゆくことになりました。

超格安古本Oxford English Dictionary全20巻をめぐる出来事

2007年02月18日 | No Book, No Life
Oxford English Dictionary(OED)は、11世紀半ばから現在までの英語の発生・変遷を歴史的に扱った世界で最も権威ある英語辞典だ。神保町あたりでは、この全20巻を15万~25万円くらいで置いてある古本屋が数軒ある。

OEDはラテン語を中心に語源にまで遡った語彙の変遷の注釈、用例がとほうもなく豊穣だ。とてつもない英語語彙を収めるがゆえに、たしか新語の追加は4年に一度のペース。しかし、英語の歴史において、ここ4年簡に登場した新語なぞは、無視して差し支えない。よって、OEDは旧版を求めるに限る。しかも美品を格安で。なんといっても問題は値段。高価なのだ。

ここ数年、OEDを物色しながらも、ぐずぐず買えに買えない僕の行動を見守ってきた畏友から突然、驚嘆の情報が入ったのだ。なんとOEDをわずか36,000円で売りに出ている古本屋が広島市内にあるというのだ!ネットで調べると、そのOEDは某図書館の所蔵物だったもので大変きれいなもの。ということで、3年越しの懸案が一挙に解決。即、買い注文を入れる。こうして長年の紆余曲折を経ながらも、晴れてOEDが我が書斎に場所を占めることになったのだ。

OEDを求める日本人は希少人種だろう。いや、希少を通り超えて、絶滅危惧種のような人が、もし格安で入手できるのならばOEDを買いたいという、これまた稀有な購買欲求を持っている。図書市場全体のニーズから見れば、ロングテールの最たるもの。書店だって、超怒級の容積と重量を誇る全20巻を在庫として保有をつづけるリスクは最小限にしたいはずだ。

このような中古本Oxford English Dictionary全20巻をめぐるディマンドとサプライのロングテール上に発生する極めて特異な均衡点が、ディールとして現象されたのはヒューマンなネットと、インターネットのお陰だ。

均衡点、つまり、売った、買ったの成立を求めるディマンド(買い手)とサプライ(売り手)の両サイドが集積する場が、市場でありマーケットプレイス。このマーケットプレイスそのものをインターネット空間に移植したものがeマーケットプレイス。ソフトウェアにも、このようなeマーケットプレイスがあったら素晴らしい。オープンソース系のソフトウェアプロダクトやサービスにも、eマーケットプレイスがあれば、さらにオモシロイことになるだろう。





プロセルシューマ!?が登場するコマーシャル・オープンソースの摩訶不思議

2007年02月11日 | 技術経営MOT
ともあれこの研究会での僕の講演記録はこちらから。

トラディショナルなオープンソースはビジネスモデルではなく、開発モデルとして発達してきた。なので旧来的なオープンソースを前提にしている限り、オープンソースに無理やりビジネスをくっつけても、オープンソースの周辺にならざるをえない。

導入支援、保守、サポート、スタックサービス・・・といったもう聞き飽きた平板な旧世界しかない。これらはオープンソース・ビジネスではなく、オープンソース界隈の周辺サービスでしかない。

コマーシャルなオープンソースは、プロプラなソフトウェアに対してもアンチテーゼであると同時に、伝統的なオープンソースにとってもアンチテーゼを提出するものだ。

<アンチテーゼ 1>
・ソースコードを公開しないプロプラビジネス ⇔ ソースコードを公開するCOS

<アンチテーゼ 2>
・開発モデルとしてのOSS ⇔ ビジネスモデルとしてのCOS

新世界=コマーシャル・オープンソースには、新世界を見たい人達、新世界を考える人達、新世界のモノゴトを使ってみたい人達が集まるべき。ということで、そのための日本コマーシャル・オープンソース・フォーラムは、その後、日本電気のご参加を得て、出展・プレゼンテーションともにすべての枠が満員御礼。

開発モデルとしてではなくコマーシャルなビジネスモデルとしてオープンソースを展望するとき、そこには、開発コミュニティにソースコードをオープンにしつつも、有償版は独自ライセンスで顧客にソースコードを提供するというマルチティアなライセンスモデルが登場した。

さらに、SugarExchangeに代表される、自らのソリューションを売れる開発者のための販売コミュニティが勢いづいている。開発者と消費者が一体化するprosumerの概念は、20年以上もまえにコーネル大学でアルビン・トフラーが提唱したものであったが、いまや、開発者、消費者、販売者がネットの場で一体化する驚愕の時代になりつつある。プロセルシューマ"proselsumer" on 楽市楽座 笑)とでも言おうか。Next Generationのひとつの方向は「一社多芸」「一人多芸」をサポートする場づくりだろう。こうなってくると多芸な人ほど、新世界では楽しくなるにちがいない。