かみつけ岩坊の数寄、隙き、大好き

働き方が変わる、学び方が変わる、暮らしが変わる。
 「Hoshino Parsons Project」のブログ

本屋(正林堂)のホームページのつくり方

2020年03月02日 | 渋川の本屋「正林堂」

正林堂ホームページのトップページ

ここから新しい世界に出会える SHORINDO  
https://sho-rin.wixsite.com/sho-rin

長らく、私が個人的に作っているホームページに比べると、肝心なお店(正林堂)のホームページが、ただ来店誘導の案内ばかりで、ホームページとして独自の情報に欠けたままであることが、ずっと気になっていました。

そうすることしか出来なかった理由は、販売目的のサイトの場合は、まずamazonなどの大手サイトに対抗することなど、ほぼ無理であろうと諦めていたことがあります。

また、仮に商品情報を入れたとしても、ベストセラー情報などローカル書店が掲載したところで、あまり意味はないと思われ、仮に掲載してもネット販売として発送・決済の手間をかけるメリットが、大手サイトでさえ送料などの負担を巡って激しい競争にさらされる状況下であることを考えると、むしろ無駄なのではないのかとさえ感じてました。

 

1、本の情報館 ページ   https://sho-rin.wixsite.com/sho-rin/event

 

そのような現状でも、この度ようやく突破口を開くきっかけになったことが、二つあります。

ひとつは、書籍取次トーハンが運営するサイト「e-hon」をリンクフリーで活用できることに気づいたことです。
もちろん、amazonなどの書誌情報に比べたら見劣りはしますが、amazon以外で当店のような店が活用できる注文可能な書誌データは他になく、フリーで使わせていただけるだけでもOKとしました。

加えて、他の書店のSNS情報などを見ると、意外と書名、著者名、出版社、定価などの情報は載せずに、表紙画像のみの掲載でも、情報としては結構成り立つことを感じました。
そのおかげでホームページ上では、画像に商品リンクを貼り、より多くの情報がひとつの画面に載せやすくなり、伝えたい紹介文のみを簡潔に入れられるようになりました。

 

 

 

 

第二の契機になったことは、そもそも「小売業はメディアである」といわれる視点をより意識するようになったことです。
本来これは小売の業種を問わない言葉ですが、このことは本屋であればなおさらのことであるはずです。

これまでの当店も含めて多くの書店では、新刊本さえあればメディアになっているかの認識があったかと思います。しかし、地域メディアとしての役割を果たすということがどういうことなのかを考えると、本をメディアとして活用している店というのは、かなり稀であることに改めて気づきました。

本の情報を軸とした地域メディアというものは、どのような姿が考えられるのでしょうか。

そのような問いかけをホームページのスタイルで試行錯誤してみることにしました。

 

 

 

そのための本の紹介方法としてこのホームページでは、郷土関連の他、17のテーマで300点以上の本を紹介していますが、既存の書誌データの要約では、なかなか伝えたいことが表現されていないので、出きる限り、このホームページの視点で紹介文を書きたいと思ってます。もちろん、すべてというわけにはなかなかいきません。

しかし、この作業をしてみると、制作側の版元が出している書肆情報ですら、必ずしも読者に売ること、伝えることを重視した表現にはなっていないことにも気づかされました。

 

ここで、改めてネットとリアルの関係を考えてみると、すでに多くの小売店は、消費者にとってはネット購入のための見本置き場になっている実情があります。

 

いづれは、どの業界でも、

「今までのニューヨーク・タイムズは『ウェブサイトをもつ新聞社』だった。今は違う。
ニューヨーク・タイムズは『新聞をもつウェブサイト』になった」

といったようになるのかもしれません。

 

しかし、未だに元気な小売店を見れば、決してネットの補完物ではない付加価値をきちんと提供していることがわかります。
もちろん、ネットとリアルの比率は時期によってどんどん変わっていくこととは思いますが、その役割分担の違いは、まだまだ当分続くはずです。

当店の場合は、リアル店舗の情報補完の役割としてネットを活用していく予定です。

 

 

 

そうしたことを考えていくと、リアル店舗を補完する役割というのが、店の営業案内やベストセラー紹介以外に、ネットならではの補完機能がたくさん見えてきました。

いくつかをあげてみると、

① リアルのお店では、なかなか置き続けられない本、棚回転の悪い本や
  高額本など紹介できる。

② 長い間に棚から消えがちな大切な定番商品を、紹介し続けることが
  でき、リアル店舗での復活仕入れにつなげることができる

③ POPなどで表現しきれないこと、従業員すべてが説明できないこと
  などが伝えられる。

④ リアルの棚では不可能な、商品の関連付けで情報を並べることができる

 

      等々です。

 

 

 

2、「学び続ける生涯」ページ
https://sho-rin.wixsite.com/sho-rin/about-1-c1rwa

 

書店にとって「独学」と「読書」は、極めて重要なキーワードです。

しかし、残念ながらこうしたテーマの本は、それほど拡充したところで、そう売れるものでもありません。ですが、そうした本こそ、お店のホームぺージで伝え続けていきたいものです。

 

 

当初、こちらは学習参考書のページとして始めたのですが、受験参考書の紹介だけとなると、あまりにも学習を狭くとらえすぎてしまうことになるので、次第に生涯学習に近い括りにあらためていきました。

すると、次第に本屋としては、学校の勉強以外の大切なことを強調する内容に変わっていくことになりました。

受験勉強は確かに大事ですが、

二度とない大事な青春時代です。あまり勉強ばかりしないで、スポーツに熱中したり、素敵な音楽を聞いたり、身を焦がすような恋をしたり、友達と遊んだり、季節の自然と触れ合う時間をたっぷりつくることをお勧めします。もし、間違って勉強もしたくなった時は、正林堂は北毛一の学習参考書の品揃えでお待ちしておりますw

 

さらに、一番いい勉強のやり方は

一番いい学習のやり方は、実際にやってみることです。(模擬でなく)実際の問題を解決するために努力することです。その過程で、一体何を学んだらいいかがわかります。非常にたくさんの人たちが、何年も大学や大学院で時間を使っています。サイエンスのビギナーになるために、まず全てを学ばなければならないと思うからですが、それは間違いです。実際の問題に挑戦すべきです。そうすれば、学ばなければならないことはそれほど多くないを気づくはずです。 

 

そして生きるということは、

死ぬ日まで自分の可能性をあきらめず、与えられた才能や日々の仕事に努力し続けることです。(瀬戸内寂聴)

といったことを訴え続けるのが、本屋の使命でもあると感じました。

 


その他の技術的なことがら

・ コストをかける意味はほとんどない

  検索技術が向上してきたことにより、独自ドメインを取得する意味はあまりなくなった気がします。広告表示も品のない広告でさえなければ、考え方次第でそれほど気にするほどでもないので、むしろ、無料でここまで出来ることを売りにした方が良いとさえ思えます。

・ SEO対策は深追いしない

  販売を至上課題とする大手サイトであれば、常に検索上位に位置することが必須の条件になるでしょうが、常に不特定の顧客を広くかき集めることが目的ではないサイトでは、コンテンツの充実にエネルギーを費やすことに集中しても、さして問題にはならないと考えます。

・ 表示速度は、回線スピードアップが勝手に解決してくれる

  画像データや余計な表示は、極力シンプルにしてサクサク見れるサイトにすることも、大事なことと言われますが、素人仕事のレベル出会っても、どんどん世の中の回線速度が上がって行くので、労力をそこに注ぎ込む意味はあまりないと考えます。

・ モバイル表示に対応するほどの、情報の絞り込みは難しい。
  アクセス情報だけなら、Google情報だけでも足りる。
  現在、書肆情報ページは、モバイル表示では見れなくしてます。

 

 

 

この度、このようにホームページを治す作業を始めたことで、リアル店舗も含めて今後の店づくりの方向をより明確にすることができました。

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする