過去をふりかえり、未来へ

思い出せるだけのことを思い出し、書き綴る場所

『ホリディ』

2007-03-29 23:50:00 | Weblog
本日、観てきました。
監督:ナンシー・メイヤーズ
出演:キャメロン・ディアス(アマンダ役)、ケイト・ウィンスレット(アイリス役)
   ジュード・ロウ(グラハム役)、ジャック・ブラック(マイルズ役)
恋愛に行き詰った2人の女性が、2週間の約束でお互いに住居を交換、
その傷を癒していこうとするお話です。

ロサンゼルスのアマンダと、ロンドンのアイリスは、それぞれの交換先において
新たなる出会いを得て、人生の再出発を果たしていきます。
恋人とのひどい別れから恋愛に自信をなくしストレスを溜めていたアマンダは
グラハム(アイリスの兄)とめぐり逢い、自分の心に素直になっていき、
想いの人にひきずられたままのアイリスは自分と共通の弱みをもつマイルズ
(アマンダの元恋人の友人)や元映画監督アーサーなど周囲の人々との
ふれあいを経て、自らの想いを断ち切ることに成功しますが、
そういった過程が、2人の女性の心理描写を通じつつ、見事に描かれていました。

なお、物語の伏線として、アイリスがマイルズと過去の名作について語り
合ったり、アーサーが過去の映画業界を懐かしんだり、アマンダが映画予告編
製作会社社長であったりするなど、なにかと映画に関連した話題が出てくる
部分も興味深いです。

環境を替えることによって自分の心のあり方を変えていく、というのが
この映画のテーマのひとつかと思いますが、アマンダの家は豪邸だし、
アイリスの家はメルヘンチックだし、原点そのものが
そもそも夢の世界・・・


『ホテル・ルワンダ』

2007-03-28 23:50:00 | Weblog
昨年観たいと思いつつ、見逃していましたが、
上映情報を見つけ、本日、観てきました。
監督:テリー・ジョージ
出演:ドン・チードル(ポール役)、ソフィー・オコネドー(タチアナ役)
1994年、フツ族によるツチ族大虐殺という状況下のルワンダを舞台とする、
2004年度の作品です。

同様の背景を描いた作品として、先月『ルワンダの涙』を見たばかりですが、
(見た順序は逆になってしまいましたが)そちらの方が大虐殺の実情を描いた
作品だった一方で、こちらは1000人以上に及ぶツチ族の命を救った高級ホテル
「ミル・コリン」の事実上の管理人で実在の人物、ポール・ルセサバギナの
奮闘を中心に描いています。
主人公の目的を明確に描写するため、『ルワンダの涙』に比べ、ことらの方が
当時のルワンダが置かれていた背景と状況について、劇中で解りやすく
説明されていました。また『ルワンダの涙』ほどダイレクトではありませんが、
もちろん全編通じて大虐殺の凄惨さがふんだんに表現されていました。

見所は主人公ポールの家族愛、知恵、実行力。
当初はなるべく現実から目をそむけようとしていたポール(穏健派フツ族)が
妻タチアナ(ツチ族)や子供達を守ろうとする延長上から、やがて隣人や、
ホテルに避難してきたツチ族を救おうとするため、自らの軍部へのツテを
駆使したり、ヨーロッパの本社を通じて助力を得たり、あるときは相手を
泣き落とし、または脅し、賄賂も利用したりと、手段を選ばず目的を
遂げていく様子です。
この辺りは、『ルワンダの涙』や『ラストキングオブスコットランド』に
出てくる、アフリカに自分を探しに来た青年達が結局何もできずに
終わるのとは対照的です。
現実的に100万もの命が「ゴキブリ」(フツ族民兵はツチ族をそう呼びます)の
如く奪われていった状況において、ポールの成功は奇跡的であり、
映画上の脚色はあるものの、凄い人というのは本当にいるものだと
実感しました。

それにしてもこういった現実の元凶となったベルギーの植民地政策、
意図的にフツ族とツチ族を対立へと仕向けたその罪深さは
償っても償いきれるものではありません。





『ブラックブック』

2007-03-27 23:50:00 | Weblog
今日、観てきました。
監督:ポール・バーホーベン
出演:カリス・ファン・ハウテン(エリス役),セバスチャン・コッホ(ムンツェ役)
2006年、オランダ・ドイツ・イギリス・ベルギー合作映画で、同年オランダ映画祭
作品賞、今年度アカデミー賞外国語映画賞オランダ代表作品です。

1956年10月のイスラエル。主人公はエリス(実名ラヘル)という
家族と幸せに暮らすユダヤ人女性。彼女が1944~45年にかけてオランダにおいて
反ナチ組織「レジスタンス」の一員としてドイツの親衛隊(SS)に潜入活動
しつつ、家族が襲撃され殺害された事件に秘められた謎を追うという
激動の日々を回想した物語です。

戦時中を背景とした物語だけあって、ゲリラ、銃撃戦、内通、汚職、売春など
激しい描写が続きますが、事件の謎が徐々に明らかになっていく展開も
あいまって、上映中ずっと目が離せませんでした。
すべての試練に果敢に立ち向かうヒロインのカリス・ファン・ハウテンの
演技も魅力的でした。
意味深なラストシーンともあわせて、いろいろと考えさせられ
見ごたえのある作品でした。

なお、物語の本筋とは関係ありませんが、映画序盤に登場する
エリスが家族とともに暮らしていたオランダの隠れ家は、
昔行ったことのあるアムステルダムのアンネ・フランク・ハウスとうり2つで、
個人的には印象深かったです。






『フランシスコの2人の息子』

2007-03-21 23:31:45 | Weblog
本日、観てきました。
監督:ブレノ・シウヴェイラ
2005年に公開されたブラジル映画で、
ブラジルが誇るトップミュージシャン
ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノ誕生の実話に基づいております。

片田舎ゴイアス州シチオ・ノーヴォ村の小作農フランシスコは
妻と7人の子供達と貧しいながらも楽しく生活しておりました。
そんな彼の趣味はラジオから流れる音楽鑑賞、それが昂じて
自分では全く音楽をやらないくせに、高価なアコーディオンとギターを
息子達に買い与え、アーティストに育て上げようとします。
周囲からは顰蹙を買いますが、その息子達が奏でるメロディーは
やがて大人たちを魅了してゆき、紆余曲折を経ながら
ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノとして大成していきます。

ストーリー自体は上記のような一種のサクセスストーリーですが、
この映画の最大の魅力は父フランシスコ。
無知で計画性に欠ける彼の行動は、家族を生活苦に追い込んでしまいますが、
一方で楽天的で愛情深い彼のもとで、家族は常にひとつに
まとまっていました。
時として場内の笑いを誘うようなシーンもありますが、その根底には
深い家族愛があることが分かるため、見ていて心が温かくなります。

フランシスコをはじめとして、どのキャラクターもそれぞれ
長所と短所とを抱えておりますが、
それが変に脚色されず、素直に描写されていたため
人間臭くてほほえましい物語に仕上がっておりました。

・・・とここまで書いておきながら、最後に懺悔しますが、
ゼゼ・ヂ・カマルゴ&ルシアーノ、全く知りませんでした。

『鷹の爪 the movie ~総統は2度死ぬ~ 』

2007-03-20 23:50:00 | Weblog
本日、観てきました。
Flashアニメの分野で活動するFROGMANによって
作成され話題を呼んだ(らしい)世界征服をもくろむおバカな
組織を描いた『秘密結社 鷹の爪』の映画版オリジナルです。

アニメ本編やTOHOの劇場案内なんかのように5分前後ですと
その抱腹絶倒な内容は見事にはまってますが、それで過剰な
期待を抱いて映画を見ると・・・・・

所々でパロディや笑いの要素はありましたが、正直
映画にするには時間が長すぎました。

次回に期待。

『デジャヴ』

2007-03-18 23:50:00 | Weblog
本日、観てきました。
製作:ジェリー・ブラッカイマー
監督:トニー・スコット
主演:デンゼル・ワシントン(ダグ・カーリン役)

デンゼル・ワシントン演じるダグ・カーリンはATFの捜査官。
500余名の命を奪ったフェリー爆破事件と、それに関連して起こったと
見られる女性殺人事件を追う・・・といったストーリーです。

前半は正直退屈でした。
しかし後半、それがいい意味で見事に裏切られます。
前半のお話がすべて伏線となり、「次はどうなるんだろう」という
期待感を抱かせます。
スピード感溢れるアクションシーンも有り、犯人との銃撃戦もあり、
最後まで目が離せませんでした。

ネタ的に、下手したら腰砕けになってしまうようなお話ですが、
そうさせないのが主人公を演じるデンゼル・ワシントンの力量。
実年齢は50過ぎで、それに応じた冷静で落ち着きのあるキャラクターを
演じつつも、熱い部分ではすごく若々しくて熱い。
改めて懐の深さを感じました。

ネタバレ注意作品ですが、改めて見返しても
面白そうな好作でした。

『ハッピーフィート』

2007-03-18 23:20:00 | Weblog
今日、観てきました。
監督:ジョージ・ミラー
踊る皇帝ペンギンをモデルにした
ミュージカル的CG映画で、
2007年度アカデミー賞長編アニメ作品賞受賞作です。

主人公のマンブルは救いようのない音痴であるかわりに
リズム感あふれるステップ持つ皇帝ペンギン。
そんな彼が、異端者扱いされながらも様々な出会や経験を通じて
自分の存在意義を見出していくお話です。

見所はストーリーの本筋よりも、生き生きと擬人化されて
いる様々なキャラクター達。
皇帝ペンギンのほかにも、アデリーペンギン、イワトビペンギン
カモメ、アザラシ、シャチなどが、彼らの生態とあわせて
個性的に描かれています。

ペンギン全体で盛り上がるダンスがこの映画のクライマックスですが、
個人的には期待していたほどには盛り上がれませんでした。
ちょっと残念。


『アンフェア the movie』

2007-03-17 23:50:00 | Weblog
公開初日、さっそく観てきました。
監督:小林義則
主演:篠原涼子(雪平夏見役)

キャラクターはテレビドラマで語られ尽くされているものが
説明無しに、「知ってるだろう?」という感じで出てきますので、
ドラマを全く見てなかった私は大失敗。
主人公を筆頭に、その行動原理や性格、背景にある人間関係が
全く解らないため、目の前の出来事をポカーンと
眺めているだけになってしまいました。

「アンフェアなのは誰か?」というテーマで映画は進み、
最後まで事件の黒幕がわからないストーリー自体は
2時間の映画としてまとまってはいます。
しかし、位置づけとしては明らかにドラマが基盤にあって
成り立つお話でしたので、ビデオかDVDを借りてでも
絶対予習しておくべきでしょう。

あと、エンドロールも最後まできちんと見ておくこと。
文字通りアンフェアな行為をすると後悔します。

『ナイト ミュージアム』

2007-03-17 23:20:00 | Weblog
本日、観てきました。
監督:ショーン・レヴィ
キャスト:ベン・スティラー(ラリー役)、
     ロビン・ウィリアムズ(セオドア・ルーズベルト役)

息子を安心させるため、定職として警備員を選んだラリーが
勤務する自然史博物館の展示は、夜になると生き返ったように
活動を開始、ラリーはそのドタバタに巻き込まれ・・・
といった形で進んでいきます。

予告編が面白そう、ということで観てきましたが、
動き出す展示の歴史上の人物や動物達が個性的かつ魅力的で、
そのあたりが見所です。
個人的にはT-REXやアッティラ王が可笑しくて
気に入りました。

ストーリー自体は単純でしたので、それを含めて言えば
期待以上でも以下でもありませんでしたが、
安心して見られる映画でした。


『ゴーストライダー』

2007-03-16 23:50:00 | Weblog
本日、観てきました。
監督:マーク・スティーヴン・ジョンソン
主演:ニコラス・ケイジ(ジョニー・ブレイズ=ゴーストライダー役)

アメコミを原作とした映画です。
『ワールド・トレード・センター』ではヒューマンドラマの
主役を演じたニコラス・ケイジでしたが、今回はうってかわって
悪魔と契約したダークヒーロー。
とはいえ、髭を剃ったその表情はなんかヒーローらしくなく
そのギャップがはまってました。
続編を感じさせるかのようなストーリーでしたが
それはあまり期待できないかも・・・

『イージーライダー』のピーター・フォンダが
悪魔役として出ていたり、所々でカーペンターズの曲が
流れていたりしたのが、一昔前をイメージさせるようで
印象的でした。