過去をふりかえり、未来へ

思い出せるだけのことを思い出し、書き綴る場所

『しゃべれども しゃべれども』

2007-05-29 23:33:20 | Weblog
本日、観てきました。
監督:平山秀幸
キャスト:国分太一(今昔亭三つ葉役)、香里奈(十河五月役)
     伊東四郎(今昔亭小三文役)、八千草薫(外山春子役)
若手落語家と、それをとりまく周囲の人々との、人情愛情あふれた
ほのぼのとした映画です。

国分太一演じる今昔亭三つ葉は二つ目。常に着物をまとい、古典落語に
こだわるそのスタンスははっきりしていますが、受けはいまいち。
そんな彼が何故か、失恋体験から自己表現に悩む五月や、関西弁で
周囲と打ち解けない小学生(森永悠希)、解説下手の元プロ野球選手(松重豊)
などの落語の先生をする羽目に。
そのような奇妙な人間関係を通じ、彼はしゃべることの楽しさを
再確認していく、というお話です。
ストーリー的には可もなく不可もなく、というのが印象でした。

落語を基調とした映画ですので、語りのシーンが盛りだくさんですが、
特に伊東四郎は味のある語りを見せてくれます。
また、とにかく目立つのは香里奈のツンデレぶり。
彼女の一歩先の読めない言動が、そのままストーリーを動かしていきます。
その他、下町の風景が数多く出てきますので、
そういった風情を味わうこともできる映画でした。


♪きっと忘れない

2007-05-28 23:50:00 | Weblog
<ZARD>坂井泉水さん死去

訃報はいつでも突然ですが、今回はびっくり。
そして、なんともいえない喪失感を感じています。

別に熱狂的なファンだったわけでもないし、最近何してるかなんて
全く気にしてませんでしたが、気付いてみれば
いつも聴いていた、そんな存在。
今世紀に入ってからよりも、むしろ90年代、音楽チャートを熱心に
追いかけていたとき耳にしていた曲を、ふと思い出したように
よくかけておりました。
そんなわけで今持ってるIPODの演奏回数上位曲のほとんどは
このアーティストの曲で占められています。
人生通算してみるとするなら、一番多く聴いてる
アーティストといえるかもしれません。

長らくありがとうございました。
ただ、今はご冥福をお祈りするばかりです。







VODKA

2007-05-27 23:50:00 | Weblog


本日、昨年度に引き続きダービー観戦に東京競馬場へと行ってきました。
目的はもちろん勝利あるのみ!

・・・というわけだからではないですが、私の本命はヴィクトリー。
直線で後方から仕掛けるド本命のフサイチホウオーがいて、競り合って
逃げる馬不在ならば、皐月賞に引き続きこの馬が逃げるに違いない!
というのがその理由です。
第8Rで同じ2400mで人気薄の逃げ馬が逃げ切ったのを観て
上記の思いを強くしたものです。
馬券はヴィクトリーの単勝+ヴィクトリー軸の総ながし

観戦中、たびたび歓声が後方スタンドに向けて挙がったので
振り返ってみると・・

(1)安倍総理(2)皇太子殿下(3)フサイチオーナーの関口氏

昨年に比べると豪華なゲスト陣を遠目に確認しつつ、いざレース!
・・ヴィクトリー出遅れ→あわてて前方へ脚を無駄遣い・・・
もうこの時点で敗戦を確信せざるを得ませんでした。

さて、あとは興味半分に観ることとなったレース。
勝ち馬はウォッカ。
牝馬64年ぶりの快挙を目にすることとなりました。
四位騎手によるレース後のスタンドへの最敬礼ともあわせて、
なかなかお目にかかれないものを観られたのだから
その点はよしとしなければならないのかもしれません。

帰路、駅までの通路を歩く途中、
「今日のレース、もうパネルになっているのか!」
と注意を向けると、それは2002年度タニノギムレットの写真。
馬番3で黄色+水色襷の勝負服が見事に共通する父娘、ということに
最初から気付いていれば・・・と思ったひとときでした。








『ひめゆり』

2007-05-26 23:50:00 | Weblog
本日、観てきました。
監督:柴田昌平
ひめゆり学徒隊についてのドキュメンタリー映画です。

この映画の特色は、実際にひめゆり学徒隊に所属し、
戦争を生き抜いた女性達の体験談によって構成されていることです。
1994年から13年間にわたって、監督の柴田氏が生存者たち22名から
取材した総計120時間の中から、2時間少々の映画として
1945年3月~6月までの時系列で編集されています。

茂みに覆われた病棟跡、掃射の弾痕が残る岩場、最終的に
追い詰められた荒崎海岸etc、そういった生々しい現場で
先生や学友、兵士たちの生死に立ち会った場面を淡々と
語る元学徒女性達の姿からは、目をそむけることが
できませんでした。
派手な映像や激しい戦争のシーンなどはありません。
しかし、真実を見せるためにはそんなものは全く必要ないことを
この映画から感じました。

さて、私がこの映画を観たこの日は公開初日。
上映後、柴田監督と、実際に映画に出演した元ひめゆりの与那覇百子さんが
舞台あいさつに登場しました。
特に与那覇さんからは映画のシーンとしては出てこなかったエピソードが
語られるなど、意義深いものでした。

ポレポレ東中野という映画館のみの単館上映なのが残念ですが、
観るべき作品のひとつです。


『ロッキー・ザ・ファイナル』

2007-05-20 23:50:00 | Weblog
この日、観てきました。
監督・脚本・主演:シルベスター・スタローン

『ロッキー』シリーズの集大成となる作品です。

妻を亡くし、息子から反目されたかつての名ボクサー、ロッキーが
自ら燃え上がる思いのままにボクシングに再チャレンジ、
若き現役チャンピオンと対決するお話です。

ネバーギブアップ、がテーマの作品ですが
一方で、試合内容や態度の悪さから周囲に認められない現役チャンピオンに
対し、依然として伝説のチャンピオンとして理想化され続け
自ら経営する店では常にジャケット姿で客たちと昔話に華を咲かせ、
またロッキージュニアや知人の息子など、人生に迷える若者達を
導いてやろうとする姿には、すでに名声を充分に受け、老成し心の余裕も
伴った人間ロッキーを見ることができました。

クライマックスとなる試合においてもロッキーらしさを余すことなく発揮、
結果的には試合相手である現役チャンピオンすら救うこととなった
ラストシーンは見事、を越えて出来過ぎでした。
しかしこの臭さが、まさに『ロッキー』の魅力といえるのかもしれません。



『主人公は僕だった』

2007-05-20 23:20:00 | Weblog
本日、観てきました。
監督:マーク・フォースター
キャスト:ウィル・フェレル(ハロルド・クリック役)
     マギー・ギレンホール(アナ・パスカル役)
     ダスティン・ホフマン(ジュールズ・ヒルバート教授役)
     エマ・トンプソン(カレン・アイフル役) 
主人公ハロルドは仕事一徹で、時間に正確、行動が几帳面な会計検査官。
そんな彼は、ある日、女性の「声」で彼の人生が小説のように語られている
ことを知ります。不気味なほど正確なその内容が語る先は、近日中に
彼が死ぬ運命にあるとのこと・・・・
この物語の見所は、まさにそんな奇想天外な「予言」を受けた彼が
それに惑わされつつも、自分に意思に正直に生きることを決意し、
その結果としての運命を素直に受け入れていこうとする姿勢です。

日常的な現実世界を背景とした作品ではありますが、ハロルドにアドバイスを
与えるヒルバート教授や、「声」の主である作家のカレンなどはどこか
浮世離れしており、ハロルドも含めてその個性的な演技も見ものでした。


『初雪の恋 ~ヴァージン・スノー 』

2007-05-19 23:50:00 | Weblog
本日、観てきました。
監督:ハン・サンヒ
キャスト:イ・ジュンギ、宮あおい
京都とソウルを舞台とした純愛物語です。

イ・ジュンギは『王の男』で、美しさ男性としてスクリーンを
圧倒しましたが、今回はごく普通の活発な留学生役。
そんな彼が、神社でバイト?している女子高生(宮あおい)に
一目ぼれしたところから物語はスタート→育まれる愛→突然の別れ
→約束だった初雪の再会、というように物語は展開します。

内容はともかくとして、興味深いのは映画の表現や描写。

例えば、宮あおいが突然姿を消した後のシーン。
イ・ジュンギの彼女への想いを強調するための手法なのか
一度劇中で流した2人の映像を回想シーンとして再び使用します。
ひとつ間違えば、解りきっているものをわざわざ・・・と思うような
独特な表現法です。
あらかじめ絵を決めたかのようなラストシーンの作り方も含め
随所においてまるで韓流ドラマを観るかのような印象を受けました。





『ゲゲゲの鬼太郎』

2007-05-15 23:50:00 | Weblog
本日、観てきました。
監督:本木克英
キャスト:ウエンツ瑛二(鬼太郎役)、井上真央(三浦実花役)

鬼太郎が、井上真央演じる女子高生とその弟を助けるという
ストーリー展開はニの次として、
見所は「鬼太郎」がどう実写の世界に反映されるか、といったところ。

実際、毛針・ちゃんちゃんこ・下駄などのアイテムはふんだんに
使用されていましたし、ぬりかべ・一反木綿をはじめとする、
おなじみの妖怪も数多く出てきました。
大泉洋演じるねずみ男は結構はまっていましたし、子泣き爺(間寛平)
砂かけ婆(室井滋)、猫娘(田中麗奈)もそれぞれいい味を出してました。

そういった点では余すところない盛りだくさんの内容でしたが、
一方で、ウエンツ鬼太郎が野暮ったくなくクールに決まりすぎていた
ためなのか、舞台が携帯が定着しているくらい近代的な背景だからなのか、
原作やアニメなどで醸し出されるおどろおどろしい雰囲気はあまり
感じられませんでした。
だからといってオリジナリティを発揮できたわけではなく
その意味ではテーマが中途半端になってしまったなあという感じがして
残念でした。

まあ今回はとにかく実写できたこと、そこに意味があるのでしょうね。

『俺は、君のためにこそ死ににいく』

2007-05-13 23:52:51 | Weblog
本日、T京都のT川市の映画館にて観てきました。
製作総指揮、脚本:石原慎太郎
監督:新城卓
キャスト:徳重聡(中西少尉役)、窪塚洋介(坂東少尉役)
     筒井道隆(田端少尉役)、岸惠子(鳥濱トメ役)

特攻隊として散っていった若者たちを扱う作品です。
特攻基地が置かれた知覧において食堂を経営、若者達の面倒をみたことから
「特攻の母」とされた実在の人物、鳥濱トメからの視点を中心に
物語は描かれます。

「すばらしき美しき若者達」というように劇中で彼女は特攻隊をたたえます。
(「美しき」はなんとなく鼻につきましたが)しかしそれは
様々な思いを抱えつつ国のために散っていった若者達を尊ぶものであり、
必ずしも特攻そのものを美化するものではありません。
実際、各場面で「特攻とは果たして何なのか」
劇中の様々な人物を通じ疑問が呈されます。

「死ぬことはいつでもできる、しかし‥」と思いを口にした田端中尉。
特攻を外道としながらも、八方ふさがりの状況からそれを採用、
最終的に自ら割腹の道を選んだ大西中将(伊武雅刀)。
特攻一号を命ぜられ、煩悶をかかえつつもそれを承諾した関大尉(的場浩司)
などなど、隊士それぞれの特攻を目前にした心理状況や、それに対する
家族達の思いなどがいろいろな形で表現されていました。

特攻に関して、一連の流れを知る上でも参考になる映画でした。

『眉山』(試写会)

2007-05-08 22:11:27 | Weblog
本日、観てきました。
原作:さだまさし
監督:犬童一心
キャスト:松嶋菜々子(河野咲子役)、大沢たかお(寺澤大介役)
     宮本信子(河野龍子役)
徳島、そして阿波踊りを舞台背景として
母娘の愛を描いた作品です。

一言、泣かされました(´Д⊂

とにかく宮本信子が演ずる河野龍子が素晴らしかったです。
劇中決して多くを語りませんでしたが、クライマックスでの表情や
端々に見せる娘への愛情など、その味わい深い演技に
文字通り心を打たれました。
松嶋菜々子に関しては、そんな宮本信子が
語らなかった部分を代弁するような役回りを
しっかり演じていたのが印象的です。

レミオロメンの歌が、今回はあんまりマッチしていませんでしたが
大きな不満はそれだけ。
理屈じゃなく心に響く作品でした。