Looking for a little hope

日々のこと。

キセル

2006-06-06 22:38:28 | MUSIC
わたしが高校生の頃は、MDが音楽の録音メディアとして力があったときでした。
よってわたしがその3年間聴いてた曲は、ほとんどMDに入っているので、今となってはちょっと扱いしにくい、ということもあったり、音楽の趣味も多少変わったことなんかで、今は段ボール箱のなかで、CDの横でひっそりと眠っています。

それが、近頃なぜだか、これらのMDを聴きたくなります。
きっと、そうゆう時の波なんだろう。
で、ついこの前、突然にキセルが聞きたくなって、ごそごそと探して、『近未来』というALを聴いてみました。

何気なくBGMとしてかけたんだけど、いつのまにか手をとめて、すっかり耳を傾けては、覚えている歌詞を口づさんだりしていました。
そして、翌日、すぐにレンタル屋さんで「タワー」と「旅」を借りにいきました。

キセルの音楽って、ふわふわして、現実感がなくて、まるで幽霊たちが誰もいなくなった音楽教室で楽しそうに合奏してるみたい。
そして、とにかく歌詞がすごいの。
美しい夢のような、あっち側とこちら側の隙間、その世界をことばを通して表している。
死海の真ん中で、ぷかぷか浮かんでるみたいな。
現実から逃れて、そこだけで世界を作り出している、という意味でスピッツに似ている。仏教的というか。輪廻転生。

今、『世界と終わりとハードボイルドワンダーランド』の終わりに差し掛かっているんだけど、キセルの音楽は「世界の終わり」の方の、壁で囲まれた「街」の「僕」に似ているように思う。
失いかけた心を取り戻そうとして、壁の外の、世界へ抜けようとしている感じが。
大げさに言うと、救済のポップス。

「砂漠に咲く花」を聴いてたら、
駅の真ん中で、頭がくらくらして、同時に鼻がつーんとなった。
瞼に涙を浮かべながら、帰路を急ぐ。

kicell official









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