只今22時45分、気温1℃。
寒い。
外の鉢花を家に入れ込む。
昨日も1℃。
これって春?
独居の高齢者がもうひとり暮らしは危険と、ホームや子供たちと暮らし始め、空き家になっている住まいが増えている。
今日伺ったお宅もそうだった。
自宅に植木が欲しいな~って思っていたので聞いてみると、
“どうぞ”と心良いお返事を頂き、空き家となっている御自宅に寄らせていただいた。
広い庭には沢山の樹木が植えられている。
ドウダンツツジ、ソメイヨシノ、しだれ桜、エゾツツジ、シャクヤク、ボタン、モミジ、ライラック、水仙、すずらん、行者にんにくなどなど、春満載のお庭。
“亡くなった主人が好きで次から次に植えていったらこんなに増えちゃって。部屋からこれらを眺めたくて部屋のガラス戸をスリガラスから透明に変えてしまったんですよ。”
懐かしそうににこにこしながら話される。
この庭の手入れを楽しまれるおふたりの姿が思い浮かぶ。
周囲は畑と松林。鳥のさえずりが聞こえている。
真っ青な空の下、暖かい陽射しをいっぱい受けながらしばし座っておしゃべり。
夜勤明けの私にと娘さんから缶ビールの差し入れ。
なんてのどかな素敵な時間なんだろう。
“どれでもいいですよ。” 嬉しいなあ~
近い内に道具を持って頂きにあがろう。
家に戻り、“あれはここ”と植える場所を考えるウキウキの私。
大事にします。
いつもお世話になりっぱなし。
ありがとうございます。
夕食後、“子供は何人?”との話しから始まった女性5人のおしゃべり。
“私は5人”
“子作りも疲れるよね~”
“な~に、女はだまっていればいいんだから。”
“名前は?”
答えた1分後、“名前は?”
なかなか愉快な94歳のばば。
“この歌知ってる?” “知らない。”
“これは?” “知らない。”
古い歌を口ずさんでみるが、どれも“知らない。”
“これは?”
♪白樺~~青空~♪
一緒に歌いだした。
千まさおの「北国の春」は、どのじじばばも知っているのではと思うほどの名曲だ。
みんなで歌いだした。
いつもなら、夕食後部屋に行ってしまう面々。
94歳を筆頭に、80、76、68、62(私)の女5人、腹を抱えるほど大笑いをし、おしゃべりに大輪の花を咲かせた夕食後のひとときだった。
皆が部屋に戻った後、別のソファーには男性がふたり残っている。
ひとりは“天井が落ちる!”と私を危機から救ってくれたと~さん。
よく寝てる。
もうひと方と、若い頃、家族、仕事などなどのおしゃべりをしていたら21時になっていた。
“今日はよくおしゃべりした。ありがとう、お休みなさい。”
そして・・・・
と~さんがもぞもぞと起き出し、長い夜が始まったのだった・・・・
“危ない!天井が落ちるからそこどいて!”
ソファーで横になっている私のモモを叩き、と~さんが私を起こしにかかる。
“もう少し横にさせて”
“だめだ、早く起きろ。” 今度は手を引っ張る。
しぶしぶソファーから起き上がり、別の椅子に座ると、
“そこも危ない、だめだ。どうしてわかんないんだ!”
“ほら見てみろ” 天井を指差すと~さん。
夜が明け、皆が起きてくると、
にこにこ、にこにこ、なんて素敵な笑顔。
この日の夜勤、と~さんに守られ、天井が落ちることなく、無事夜勤を終えたのだった・・・・
と~さんは、朝食後気持ちよさそうにソファーで居眠り。
う~~~~~~
と~さ~~~~~ん
私も寝たいよ~~~
3男坊もババも新天地での引越し荷物は完全にお任せ。
ババの荷物はパンツ一枚、靴下一枚、歯ブラシなどなどすべてに記名。
大昔、子供の小学校入学時、文房具ひとつひとつに記名していたのを思い出す。
あの時は、子供の成長に感慨深い想いを感じながら、これからの学校生活に心躍らせながら記名していたもんだ。
ババ?というと・・
おんなじ。
見渡す限り未開の原生林をじじとふたり、鋸で大木を切り倒し、一鍬一鍬、大きな根っこを掘り出し、開墾してきた辛苦の毎日。
いつの日か人らしく暮らせるようになり、子供たちは巣立ち、踊りや旅行を楽しむ時間が持ててきたのに、60後半頃から認知症の症状が出始め、アルツハイマーと診断される。
じじが亡くなり、“真知子さんいる?”ってよく我が家に遊びに来たものだ。
いつもにこにこ笑っている。
60年の歴史満載のババの自宅。ここで死にたいとよく言っていたが・・・
ゴメン、ばば。
もうここでは、ばば一人では生活できない。
ババは自分の事は何でも出来るけど、ご飯作り、ストーブの点火消火、水の始末などなど、出来なくなったことが沢山あるんだ。
グループホームは同年輩の仲間が9人、いつでも一緒。ここでおしゃべりしたり、お茶碗を洗ったり拭いたり、掃除をしたり、ババなら出来ることばかり。
きっと楽しいと思うよ。
ババの部屋をカッコよくしよう。
メロンを作りながらもメナードの優秀な販売員だったババ。
40歳で車の免許を取り、乗り回していたババ。
アクティブなババ
おしゃれをしよう。
これからまた、謳歌しよう!
おとうさんの息子で末っ子の3男が新天地に赴任となる。
札幌の自宅で次男のお兄さんとふたりでずっと暮らしていたので、今回初めてのひとり暮らしだ。
所帯道具一式を揃える事に。
リサイクルショップをしていたおかげでほぼ全部が揃った。
冷蔵庫、洗濯機、テーブル、ベット、ガスレンジ、食器棚、布団などなど、
これだけでも全部買い揃えたらいいお金になるよね~
倉庫がだいぶ空いてきた。
おとうさんと結婚して札幌の自宅に住み始めたとき、この3男坊は大学4年生、次男は29歳。4人の同居が始まった。
でもその頃は結婚したとはいえ、月の半分は横浜で仕事をし、残り半分は札幌で主婦をする生活だったのでまだ気が楽だったかな。
そしてこの頃、少しづつ少しづつ症状が出ていた義母の認知症が確認され、おとうさんは早期退職をし、私も仕事を辞め追分暮らしになったのだった。
ババの住まいは埼玉から開拓に入り建てた築60年の小さなブロック家屋。
ここで家族5人が暮らし、次から次へ子供たちが巣立ち、じじが亡くなって7年、すきま風だらけの家でババひとり、よく暮らしていたもんだ。
私たち夫婦が追分から恵庭に移ってからは、ディーサービスやショートスティを使いながらやってきたが、そろそろ限界になってきた。
その矢先、以前より申し込んでいたグループホームに空きが出来、入所することが決まった。
ババも新天地に出発だ。
今週の土曜日は3男が、翌日の日曜日にはババが、それぞれ旅立って行く。
おとうさんと一緒になって8年。
なんとも目まぐるしい日々が過ぎていった。
私にとっての新年度はなんだろう。
大きな変化はもうないと思うが、日々心だけは新鮮でいたいなと思う。
3男坊とババに幸あれ!
今日はちょっと風が冷たいけど、気温13度、青い空。
揺ら揺らそよぐ洗濯物を炊事をしながら眺める。
10月に入れば外には干せない。
半年ぶり。
お日様の香りに包まれる。
見ているだけでほかほか気分。
なんでもない風景だけど、冬が長い北海道、こんな事が幸せなんだ。
今、納屋の改造をしている。
毎日おとうさんは、とんてんとんてん。
納屋の荷物をせっせとお片付け。
今日は納屋の薪出し。
別に薪小屋がないので、外に敷いた台の上に直径2メートルほどの円を土台に薪を積み上げていく。
周囲を積み上げて行きながら、中央に太目な薪をポンポン投げ込む。
いかに美的な薪の円筒を作るかが自分への課題。
それにしても結構あるもんだ。
背丈を超えた。
う~~~
なかなかの出来栄え。
石炭は使い切った。
まだ庭には薪用の長い木材がころがっている。
冬まではなんとかしないと。
もうひとつ円柱が出来そう・・・・
横浜から戻るとすっかり景色が変わっていた。
雪は消え、コ~コ~とうるさいほどに鳴いていた白鳥の姿はない。
ポツンポツンと咲いていた福寿草があちらこちらから黄色い顔を出し、ふきのとうはだいぶ伸びていた。
融雪剤で黒くなっていた畑はすっかり雪が消え、秋に播いた小麦の芽で緑色に染まっている。
雪で覆われ歩けなかったあぜ道を久しぶりに散歩する。
気持ちがいいな~
横浜のような萌えたつ木々の緑はない。
まだ枯れ木のようだ。
これからこれから。
5月になれば、さくら、梅、水芭蕉、こぶしなどなど、一斉に花開く。
我が家の庭にもチューリップ、百合、クロッカスの芽が覗いている。
いいんだ、いいんだ。
今度は間違いなく春がやってきた。
もう冬には戻らない。
4月1日、横浜の娘から電話がある。
“おかあさん、明日仕事?” “ないよ。”
“私明日休みなんだ。桜が満開でとってもきれいだし、明日来ない?”
“えっ!明日? ここ北海道だけど。”
“そのために働いているんでしょう、おいでよ。”
“う・・・・・・考える・・・”
去年はこの時期、桜を観たくて行ったんだけど、今年はいいか~っと思っていたんだ。
行っちゃった・・・・・
羽田空港から横浜まで電車でも行けるんだけど、私は首都高湾岸線高速バスのYCATが好きなんだ。それも右側に座るんだ。
「鶴見つばさ橋」から「ベイブリッジ」を通過する左右の横浜港を眺めた時、“あ~これが横浜だ~”って実感する。
右手にはひと際高く美しい70階のランドマークタワー、半月形のヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル。
みなとみらい。
好きだな~
娘の住むマンションのすぐ前には川が流れ、その両側は満開の桜並木。
見事!
真っ青な空、ゆっくり流れる川面、さくら
贅沢な風景。
そのさくらも一週間の帰宅頃にはすっかり舞い散り、今度は川面がさくら色に染まっている。
娘は二人目の子供がお腹におり、つわりがとってもきつそう。
おさんどんに精を出し、
長女の家でもまたまたおさんどん。
母であることを楽しんできた。
今年11月は娘と息子、ふたりの孫が誕生予定。
改めて、親にさせてもらったことに感謝。
ふつつかな親ですが、これからも末長くお付き合いを。
朝からみぞれ混じりの寒い今日。
夜外を覗くと、うっすら白く染まっている。
もう雪は降らないと思っていたのに、
春がどんどん進んでいくんだと、うきうきしてたのに、
ちょっと冬に戻っちゃった。
近くの田んぼに100羽以上の白鳥が羽を休ませていたけど、寒いだろうなあ~
そんなみぞれ降る寒い日だから、
こんな日は何にもしない。
“カラオケ行こうか?”
おとうさんと3時間歌ってきちゃった。
このところ毎日毎日部屋の模様替えを楽しんでいる。
身体がよく動くようになっている。
昼間はストーブを消した。
10℃を超え、秋に植えつけておいたビオラが雪解けの中から元気な姿を見せている。
チューリップも芽を伸ばしている。
太陽ってすごいね。
あんなにあった雪がどんどん消えていってる。
今年は雪が少なかった気がする。
だから、
いつの間にか冬が終わったような。
車のスピードが速くなっている。
すいすい走れるようになったもんね。
こんな時、事故がおこりやすいんだ。
気をつけないと。
農村地区に住んでいると季節の変化がよく見える。
残雪の畑に身体を休める白鳥の姿をあちらこちらで目にし、
トラクターが動き出し、
畑の横を流れる小川も姿をあらわし、気持ちよさそうに水が流れている。
その土手にはふきのとうが次から次に顔を出し、福寿草も黄色の花を覗かせる。
今夜の食卓にこのふきのとうが載った。
薄い衣を付けたあつあつの天ぷら。
ほろ苦い春の香り。
今度はふき味噌を作ってみよう。
来月にはタラの芽、山ウドが食卓にのりそう。
追分には及びもつかないけど、
ここ恵庭の家でもちょっと採れるんだ。
これから少しづつ気分のよくなる部屋を作っていき、その部屋で春の香りを楽しもう。