★1階席で観ての発見
◆発端:鞍馬山山中の場
幕が開くと 一面の紅葉の山の明るい舞台
鞍馬山だそうです。ん?鞍馬山?たしか今月は歌舞伎座にも鞍馬山があったような・・・
いずれ劣らぬ紅葉のさかりです。
世間話してるお姉さんたちが去ったあと 花道から幕府の執権職に任じられ
ホクホクな月影郡領主従が登場。
すると 上手の洞窟に張ってあった注連縄が勝手に切れ、なかから大蛇が!
月影主従があっけなくやられるかと思われたその時!
花道スッポンから大蛇丸登場!
蛇を退散させ、大蛇丸は月影親父に暗示にかけて養子におさまり、
暗示で人の変わった月影親父は盟友の大名・尾形家と松浦家を攻めさせることを決意し、
大蛇丸は目出度くここに日本魔界化第一歩を記したわけです。
★大蛇丸のズボンはビロードズボンでした。
◆序幕
●阿蘇山中の場
さて舞台が変わって さびしい山中。
なぎなた持ったちょっと年季の入った腰元さんが奮闘しています。
武者を追い払ったあと上手からでてきたのは乳母とちっこいお姫様らしき二人。
これがのちの綱手ちゃんかい?と思ったんですが
会話を聞いてると どうも後の地雷也とおもわれる雷丸のお姉さんとか。
・・・地雷也は綱手と夫婦になるんだったよな。・・・兄弟で夫婦はまずかろう(ーー;)
ってことはこれは綱手ちゃんではないってことか。
と納得してるうち、薙刀もって奮闘してた腰元は、雷丸にお姫様が
松浦家を頼って落ちたと伝えに行くため上手に引っ込み、
乳母はお姫様に身の証をたてるものとして蘭奢待の香袋をお姫様にもたせ
お姫さまと二人連れで、花道で追っ手と果敢に戦ったあと
前途多難そうな逃避行へと旅立ちにひっこみます。
ちなみにお姫さんの名前は雛衣姫でした。
さて場面は変わって戦場。
舞台後方に黒子さんが赤と青ののぼりを持って入り乱れ、赤の
のぼりが徐々に青に押され、最後は青ばかりになってしまうという
遠見のような手法で戦況を教えてくれます。
★1階席からみると 黒子さんは見えず、のぼりだけが動いてるように
見えました。
のぼり部隊が退場すると、同じく舞台の後方に下手から武者が二人現れます。
ひとりは赤軍らしく口ひげのおじちゃん、ひとりは青軍らしいんですが、
この時代にはめずらしい?クリクリのパーマ(天パでしょうねぇ。)の豊かな長髪。
天パな兄ちゃんの大蛇丸の腹心:夜叉五郎は、亀三郎さんだ♪
と すぐ気がついたんですが、
口ひげの方はイヤホンの解説を聞いてわかりました。
ひそかに注目してる菊市郎・菊史郎ご兄弟の
兄:菊市郎さんでした♪
ちなみにこの口ひげのおじちゃんは雷丸の父ちゃんの尾形左衛門弘兼。
セリフもたくさんでちょっとうれしい♪
と思ってたら、なんと弟の菊史郎さんの方も、あとからこの場に
亀三郎さんの側でしたけど援軍で大蛇丸の腹心:磯田武藤次として登場。
目出度く兄弟対決実現!とひとりでひそかに喜んでました(^_^;)
そんなことをしてるうちに上手奥の崖に大蛇丸が。
妖術なんかをつかっちゃって緒方のおじちゃんの体の自由を奪ったところで
夜叉五郎が一閃。緒方のおじちゃんは、あえなく、はかなくなられてしまいました・・・
嘆く私をよそに 上手の崖の大蛇丸の前には とっつかまった尾形・松浦両家の遺児
いかづち丸と綱手ちゃんが引き据えられてます。
こちらは まだ子役さん。
大蛇丸は「日本魔界化祈願成就の贄にせん!」と二人を妖術で ふわーっと
浮き上がらせて崖下へポイッと。
この「妖術で ふわーっと」は黒子さんが子役さんを抱えて持ち上げて崖下の
黒子さんに手渡す 人力妖術です(^_^;)
うーん 黒子さん大活躍。
もひとつ活躍なのが次の場面。
ここは二人が崖下に落ちていくという場面なんですが、
黒子さんが舞台中央に子役さんを脇を持って持ち上げてたってます。
子役さんはジタバタジタバタいたしまして、背景幕がとロール紙を
巻き取ってるような感じで下から上へと流れていきます。
なるほど~ これなら落ちてるように見える!!
上手いな~ この演出 と感じた個所のひとつでした。
●谷底術譲りの場
二人の姿が暗闇に溶けると、場面変わって、後方に岩壁の見える谷?らしき場所。
舞台前方のセリが上がって来るとそこに居眠り中の菊之助さん。
お兄さん、巻き割の最中にうたたねこいてたな というところです。
ハッと目覚める菊之助さんの雷丸。
「今のは夢であったるか」と夢落ちと成ります。
さて、そんなところに声あって、上手の庵?の御簾が上がると仙人様と
亀治郎さんの綱手ちゃん。
仙人様は「もしや あれが團蔵さん?」と思いましたが松助さんでした。
なんか お姿みるの久しぶりだな~と思いましたが・・・
助六の通人の面影はどこへやら。口調もボソボソとしており、動きもほとんどなく
顔のほうはおひげでよくわかりませんが、とにかく手がやせてる!細い!!
もしかして 仙人っぽさをだすために腕の部分はマネキンで顔だけ出してるとか・・・
うーん、手に持つ杖が揺れてるなぁ。そういうわけでもなさそう。
特殊メイクってわけでもなさそうだし・・・松助さん 大丈夫かなぁ。(ーー;)
★でも、筋書きの写真見ると、ニヤっとしたお顔は お茶目な尾上松助さん
丸出しで、ちっとも不安に感じません。さて?
それはさておき、ここで揃った主役の二人。
仙人は二人に
① 二人の親は大蛇の化身:大蛇丸にほろぼされたことを教え
②氏素性を証明するもの(綱手ちゃん:系図の一巻 雷丸:蘭奢待の香袋)
と 打倒大蛇丸のためにと妖術(綱手ちゃん:蛞蝓(なめくじ) 雷丸:蝦蟇)
をさずけ
③大蛇丸を倒すためには、波斬りの剣という草薙の剣に相当するような
剣が必要なこと、その剣は雪の中に咲く桜の下にあることを教え
④雷丸は地雷也に改名し、
⑤綱手ちゃんと夫婦になるように
と 言い渡します。
・・・氏素性をあかす品は 逆のような気もしなくはないですが、
これは後でポイントアイテムになるんで、男の子だけど香袋でいいんです。
しかし、女の子に蛞蝓はねぇ・・・(ーー;) もう少しかわいげのあるものに
ならんかったかなぁと思うんですが・・・まぁこれも三すくみを生かすため
仕方がないといえば 仕方ないわけで。
しかし、女の子に蝦蟇と蛞蝓 どっちかを選べってのは、ある意味
究極の選択かも。
女の子は蛇が一番似合うかも。
ついでに気になるといえば、二人が夫婦になること。
なんでここで夫婦になっておく必要があったのかな~と。
こういう状況なら、ほっといても、そのうちくっつきそうなんですけどねぇ。
なにを急いだんでしょう仙人様?
もひとつついでに、仙人様は なんでこの二人に仇討ちさせようと
したんでしょうねぇ。
●相模国鶴岡八幡社頭の場
大蛇丸の元服式を執り行っております。
高台には中央に月影パパが 発端の登場時より、大分顔色を悪くして
陣取っており、上手側に大蛇丸改め弾正照秀、
下手側に月影パパの実子ということで松也さん演じる照行。
この照行さんだけ 他の二人と衣装がちがって
武士というより お公家さんな感じの衣装です。
階段を下りたところに居並ぶ家臣には
上手サイドに大蛇丸の腹心となる赤っ面の片桐大膳:亀蔵さんと
青ッ面の恩田鬼平太:亀寿さん。
亀寿さんは 観ようによっては善人サイドにみえます。
亀蔵さんは どう見ても悪人サイドですが(^_^;)
そのお二人の、その背後には、寿鴻さん・辰緑さんといった
ご贔屓の渋いオジさまたちもそろってます♪
と、そこへ将軍家からのお祝いのお使者:高砂勇美之助が
花道から 長袴をずりずりしながら登場。
一際 拍手の起きるこの勇美之助を演じるのは菊五郎さん。
そこで、月影のおじちゃんが 突然、実子の照行を廃して
大蛇丸の照秀を跡継ぎとする なんて言い出すから
びっくりする一同。
勇美之助のとりなして、その話は また後日改めて
とするが、寝耳に水の照行はどうにも面白くないし、
勇美之助をみる大蛇丸も「余計な口出ししやがって」
とありありと読み取れる眼つき。
皆がその場を去ったあと、1人残った大蛇丸は
夜叉五郎を呼び出して、月影パパの暗殺実行を命じます。
ここでの夜叉五郎は黒地に裏側が玉虫色の四天姿でした。
しかし、この大蛇丸の元服。
綱手ちゃんと児雷也との年齢差に 私は悩みました。
大蛇丸は登場した時から、松緑さん。
おまけに戦場にひょこひょこやってくるぐらいですから、
それなりの年齢だったと思うわけですが、
その時 子役のおチビさんだった綱手ちゃんと児雷也は、
この前の場面でようやく亀治郎さんと菊之助さんになってるわけで、
この間、それなりの年月がながれてるんだと
思うんですが・・・ここで大蛇丸はようやく元服するわけですよね。
・・・大蛇丸さん、あなた 一体、今おいくつ??
★この場面、最後に亀三郎さんのかっこいいひっこみがありました!
・・・見た覚えがないと言うことは、前回寝こけてたな(^_^;)
★月影パパの権十郎さん、なんかまばたきが多かったな~
あれは、勇美之助を「余計な口はさみやがって」という
眼でモノを言う感じを表してたのかと思ったけど・・・
じつは眼が痒かっただけかも?(^_^;)
●藤橋だんまりの場
始まりは振り落としの浅葱幕の前で大薩摩。
振り落とすと 舞台は土手みたいな高台があるさびしいところ。
その高台を駆けて登場するのが、夜叉五郎♪
せっかく、大蛇丸の命に従って 親父様の首を取ってきたのに、
大蛇丸ってば、夜叉五郎を一閃。
あぁぁ さらば 亀三郎さん・・・(T_T)/~~~
上手の藪に消える亀三郎さんと入れ違いに下手の藪のあたりから
飛びあがったのは、親父様の首。
この首が飛び上がる意味がいまいちわからんのですが、
その首が引っ込むとが下手から児雷也が、
上手からは赤姫姿の綱手が 藪をがさがさ掻き分けて登場。
なぜに、この二人ここにが折りよく登場したのかも ちと疑問なとこです・・・
そんな疑問はさておいて、だんまりのおきまりの動きの後、
まず 化けたのは児雷也。真ん中から 蝦蟇登場♪
次は大蛇丸。上手の小屋に消えるとその下の土手から登場♪
最後は綱手ちゃん。上手のあたりでスモークと共にセリ下がると
上手からぬめった蛞蝓登場。
さぁ ここからは 楽しい被り物さんの見せ場。
蝦蟇のジャンプ姿は なぜかけなげさに溢れ、
思わず拍手してしまいます。
★蛞蝓のしっぽが 随所でピン!とたってプリティだったのは
1階で観てはじめて発見。
ツルツルというかヌメヌメな質感も1階でみると よりリアル~(^_^;)
ひとしきり フガーッと戦いあったあと、まず蝦蟇が出てきたとこから
退場。
その後、蛞蝓にしっぽをつかまれた大蛇は上手から、
蛞蝓はスモークにつつまれて中央のセリを下がって 退場します。
と、下手の土手から黒子さんに押されて先ほどより明らかに
でかい ガマが花道入り口まで出てきます。
いよいよ近づく見せ場の場面!
★おぉっ!宙乗りスタンバイ時の目隠しスモーク、黒子さんがホースもって
かけるようにして出してる!
同時に 本舞台の土手の上には、人間に戻った+ぶっかえった?
綱手ちゃんと大蛇丸。
大蛇丸が「ふんっ」となにかを投げると蝦蟇の背がパコっと割れて
中から出てくる鷲に乗った児雷也:菊之助さん。
★ちなみに 抜け殻の蝦蟇は花道を疾走して引っ込んでいきました。
・・・?なぜ、脱皮して 鷲??
なんてことは この期に及んで気にしちゃいけません。
だんまり おきまりの ポイントアイテムを落として拾うが
なかったことなんてことも、これから始まるイベントの前にはささいなことです。
スクリーンのついた 雲の絵が施された幕が上からスルスルと
降りてきて、さぁっ、いよいよ宙乗りスタート!
素足の親指が ピッ と立って、実にうれしそうな いいお顔をした
菊之助さんが 3階の鳥屋に消えていきます。
これで 序幕が終わり休憩となるんですが、
菊之助さんが 3階の鳥屋に消えたあと、演奏が終わり、
観客が外に出れるようになるまで、そんなに時間はありませんでした。
あの時間じゃ 菊之助さんが3階から1階に駆け下りるのは
無理と思われますんで、どっかに避難口ができたのかな?
★スクリーンの幕は、簾内さんが菊之助さんをみれるように、
ちゃんと下手1/5くらいがスケスケになってました。
しかし、やっぱり、この太鼓連打の音楽、何度聞いても好きだな~♪♪
★宙乗りの終盤、スクリーンの右半分に菊之助さんの顔のアップが
うっすら写ってたので、ゴーストみたいなもんかと思ってたけど、
わかった、あれ、スクリーンが写ってるんだ!!
すごーい ダブル菊之助さんだ♪
★引っ込みの時の菊之助さんの うれしそうなこと!!
これは、ほんといい顔です!
ところで、あの鷲、菊之助さんとくっついてるんでしょうか?
ワイヤーは どうも菊之助さんにはついていないように見えたんですが・・・
★二幕目の後の休憩のとき、1階下手の脇通路の突き当たりに
カバーのかかったモノがありました。
カバーをめくるわけにはいきませんが、大きさ的にあれは
背中から鷲をだしたガマだったのかも♪
→
二幕目へ進む