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イベント 東京写真美術博物館 冠松次郎と穂苅三寿雄写真展を見て想いでの黒部と槍を辿るその1

2014年05月14日 | イベント

kan-haru blog 2014 黒部と槍写真展会場入り口     

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黒部と槍写真展
戦前のわが国の著名な登山家の冠松次郎と、北アルプスで最初に山小屋経営を行った穂苅三寿雄を紹介する「黒部と槍」写真展が、東京都写真美術館で開催されましたので、過ぎし日の想い出を辿って4月27日に見てきました。
開催の東京都写真美術館(目黒区三田1-13-3)は、JR山手線恵比寿駅を下車して、線路沿いの動く通路を北に進み、道路を横断して恵比寿ガーデンプレス内の南側通路の奥に美術館の入り口があり、2階展示室で開催しています。

 黒部と槍写真展パンフレット

写真展の開催は、2014年3月4日から5月6日の、10時から18時まで開催しており、 月曜日が休館日です。主催は、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会で、後援は公益財団法人日本山岳会、黒部市、松本市で、特別協賛が大伸社、協賛がニコン、ニコンイメージングジャパン、ライオン、清水建設、大日本印刷、損保ジャパン、日本テレビ放送網、東京都写真美術館支援会員の他、協力が山と渓谷社の各社です。
入場料は、一般が700円で、学生が600円で、中高生・65歳以上が500円ですが、第3水曜日は65歳以上が無料となっています。

 部と槍写真展入場券

出展作品
黒部と槍写真の出展は、大正時代から昭和1桁年代に撮影した写真で、冠松次郎の黒部渓谷を主とした71作品と、穂苅三寿雄の槍ヶ岳を主とした66作品が展示されています。

 黒部と槍写真展図録

・冠松次郎出展作品
冠松次郎は、1883年(明治16年)2月4日に、現在の本郷の質商の二男として生まれ、幼少から山に関心を持ち、火の見櫓などの高所から山を眺めていたと云われていました。1902年(明治35年)に初めて富士山に登り、日光や奥多摩の登山を始め、1909年(明治42年)に徳本峠から上高地を経て、槍ヶ岳、常念岳、白馬岳を登り、初めて日本アルプスに足を踏み入れました。黒部流域には1911年(明治44年)に白馬岳から祖母谷へ下って宇奈月に出たのが最初のことです。
黒部探検に乗り出して7年目の1925年(大正4年)8月に、鐘釣温泉を出発して棒小屋落合の上流に向かい、下廊下の未踏地を踏破遡行し、十字峡を発見して命名者となる。

 十字峡1925年(大正14年)8月

1921年(大正10年)7月の七谷超えの写真は、鐘釣温泉より下流で最も優れた風景である。現今は、日本電力の電車がトンネルを抜け、鐘釣温泉に至っている。

 七谷超え1921年(大正10年)7月

大正10年頃までの宇奈月は寂しいところであり、広い原にバラック式の湯小屋がたった1棟と、物売りの掛け茶屋があっただけで、冬には猿が山から餌を採りにおりてくるところである。

 上:宇奈月1921年(大正10年)8月、下:新鐘釣温泉1922年(大正11年)7月

・穂苅三寿雄出展作品
穂苅三寿雄は、1891年(明治24年)3月19日に、松本町巾上で菓子店の長男として生まれ、1905年(明治38年)に六九町の竹細工製造業の伯父の養子となる。1907年(明治40年)に徳本峠を越えて上高地に初めて入り、1915年(大正4年)に中房温泉より燕岳を登り、大天井岳を経て二ノ俣を下り槍ヶ岳に登頂して、さらに焼岳に登り徳本峠から松本に戻る。1919年に槍沢ババ平らに槍沢小屋を建て開業し、1921年坊主の岩小屋の下に大槍小屋を建設するが、翌年雪崩により全壊する。1925年槍ヶ岳肩の小屋を建てる。1954年槍ヶ岳肩の小屋本館を建設して、槍ヶ岳山荘と改称して長男の穂苅貞夫が山小屋の経営にあたる。
焼岳が活動し始めたのは明治40年頃からで、大正4年6月6日の大爆発で、山崩れにより上高地に大きな池が出来たと聞いて、その年の7月初めに見に行き、養老館(五千尺旅館の前身)は未完成であったが、そこに泊まった。

 焼岳大爆発、河童橋より1925年(大正11年)10月

徳本峠から秋の始めに、穂高岳を望んだ時、木の葉の多くは落ち尽くし、麓をめぐる針葉樹に混ざる落葉樹の黄葉が残されて、上高地を彩っていた。木の葉の落ち尽くした秋の山は、その輪郭が劃全としていて、ごつごつした岩石や深い渓底までも暴露されて望む事ができた。

 初夏の大正池と穂高連峰

穂苅が山岳写真を集中的に撮影していた時期は、1923年から1939年の間で、撮影に用いたカメラは、主としてキャビネ判の組立暗箱カメラでした。昭和に入ると、カメラも小型化したが、穂苅は精微な映像を求めて、サイズの大きいキャビネ判のガラス乾板にこだわっていました。

 夏雲の流れと穂高連峰、河童橋より

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