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kan-haru blog 2013 日本銀行金融研究所貨幣博物館
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日本銀行貨幣博物館
日本銀行金融研究所貨幣博物館(中央区日本橋本石町1丁目3-1)は、日本銀行旧館の筋向いにあり、7月16日に見学してきました。
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日本銀行旧館(2)の対面の建物が日本銀行貨幣博物館(1)
日本銀行金融研究所は、1982年(昭和57年)10月に日本銀行創立百周年を記念して、日本銀行の内部組織の1つとして金融経済の理論、制度、歴史の研究等を行う目的で設立されました。
日本銀行金融研究所貨幣博物館では、貨幣に関する歴史的、文化的な資料を収集・保管し、それらの調査研究を進めつつ、広く一般に公開しています。その収集資料は、明治末期からの古貨幣収集家・研究家であった田中啓文氏が収集した銭幣館コレクションです。同氏は、わが国の古代から近代にいたる貨幣だけでなく、中国を中心とする東アジアの貨幣や、貨幣に関するさまざまな資料を10万点を収集していました。その収集資料が展示・保管されていた博物館が銭幣館では、戦局が悪化した1944年(昭和19年)に、戦火による喪失を避けるため、収集資料は日本銀行に寄贈されました。
寄贈された資料などをより広く公開するため、日本銀行創立100周年(1982年(昭和57年))を記念して1985年(昭和60年)11月に日本銀行金融研究所の2階に貨幣博物館を開館しました。博物館の入館は、入場料が無料で、開館は9時30分~16時30分で、月曜日、祝日、年末年始が休館です。
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貨幣博物館入り口(左:貨幣博物館、右:貨幣博物館入り口0716)
・貨幣博物館展示
貨幣博物館建物入り口を入り階段を2階へ上がると博物館で、展示会場には左側の出入り口を入って時計回りに閲覧します。博物館の出入り口の外部ロビーのみは写真がとれますが、展示会場内部は写真の撮影は禁止です。撮影可コーナーには、1億円の重さ体験と石貨が展示されています。石貨は、西太平洋のヤップ島で貨幣として使用され、大きなものは直径が3.6mにも達すると説明にありました。
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撮影可コーナーの展示品(左:一億円を持ってみませんか、右:石貨0716)
貨幣博物館は2013年5月16日~2014年3月30日の期間中は、「おかねの材料とつくりかた」をテーマ展として、お金はどんな材料から、どのようにつくられてきたのか、特定の金属を人々に広く行きわたる「お金」に変えていく方法を、先人たちはどのような知恵を用い、工夫をこらしてきたかの足跡をテーマにして約4,000点の資料が展示されています。
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貨幣博物館会場レイアウト
展示室に入ると、時計回りに進み最初の8世紀以前「古代」のコーナーでは、「物々交換から物品貨幣へ」と題して貨幣の誕生を示し、8世紀以降には「我が国における貨幣発行の開始」として、和銅開珎、富本銭、皇朝銭などが展示されています。
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和同開珎(中国の貨幣を見本に銀銭と銅銭が鋳造された 日本銀行貨幣博物館絵葉書から)
次は12世紀以降の「中世」コーナーで、「中国銭の使用」をテーマに渡来銭の展示があります。
16世紀以降の「近世」コーナーでは、16世紀の「江戸時代幣制の芽生え」では金銀貨や分銅金が展示されています。
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大判と銀板(左:天正大判 秀吉が彫金師後藤家に造らせた五三の桐の刻印が押された最初の大判、右:博多御紅葉銀 秀吉が軍資金として造らせた銀板 日本銀行貨幣博物館絵葉書から)
17世紀の「独自の幣制の成立」では徳川幕府制定の貨幣、わが国や中国・ヨーロッパでの紙幣発行がおこなわれました。
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わが国最古の紙幣「山田羽書」(伊勢山田地方で商人がつり銭の代わりに発行した預かり証で、紙幣として流通した 日本銀行貨幣博物館絵葉書から)
また、この時期には両替商が発達し、それに関する資料展示されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/cd/402476e492093778974771a6c8e5b06f.jpg)
分銅金と天秤(左:両替商の天秤・分銅 江戸時代には重さが価値を表す秤量銀貨を用いたので欠かせない道具である、右:分銅金 戦時の蓄えとして鋳造された100匁の金塊 日本銀行貨幣博物館絵葉書から)
17~19世紀の「幣制の安定と動揺」では幕府発行の貨幣、金銀銅の流出、各種貨幣の改鋳や幕末期の幕府札・藩札・地方貨幣に関する資料が展示されています。
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枝銭と天保小判五十両包み(左:枝銭 鋳型に銅を流し込み取り出した銭貨が樹枝状なので枝銭と呼ばれる、右:天保小判五十両包み 小判五十両を施封したもので包み紙の上書きが信用されたため開封せずにそのまま使用した 日本銀行貨幣博物館絵葉書から)
「近現代」コーナーでは、明治初期の幣制混乱[明治元年~]、円の誕生[明治4年~]では新通貨条例を制定し金1.5gを1円とした新貨幣を発行しました。
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新貨条例による貨幣(日本銀行金融研究所貨幣博物館> 常設展示> 常設展示図録> 近現代から)
欧州先進国の中央銀行制度にならって日本銀行を設立[明治15年~]し、明治18年に1円銀貨と引き換えられる兌換券の日本銀行最初の「大黒札」の銀行券を発行しました。
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最初の日本銀行券「大黒札」(日本銀行金融研究所貨幣博物館> 常設展示> 常設展示図録> 近現代から)
その後、金本位制度から管理通貨制度へ[大正6年~]のテーマには、アメリカなどに追随して金の輸出を禁止して昭和5年に再開したが、昭和6年イギリスが金本位制を離脱したため、再び金の輸出を禁止し、日本銀行券の兌換は停止されました。
「さまざまな貨幣」コーナーには、石貨、変った素材の貨幣、変った形の金属貨幣、緊急貨幣、大形の紙幣などが展示されてあります。
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毎月1日付けのIndexには、前月の目次を掲載しております(7月分掲Indexへ)
・カテゴリー別Index イベント総目次 2013年版、2012年版、2011年版、2010年版、2009年版、2008年版、2006・2007年版 へ
<前回 イベント 日本銀行本館 辰野金吾の設計による旧館の堅固な建物の中央銀行の金庫、営業所や史料展示室を見学 へ
次回 イベント 江戸東京博物館 各派の江戸絵画作品を蒐集展示したファインバーグ・コレクション展その1
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日本銀行貨幣博物館
日本銀行金融研究所貨幣博物館(中央区日本橋本石町1丁目3-1)は、日本銀行旧館の筋向いにあり、7月16日に見学してきました。
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日本銀行旧館(2)の対面の建物が日本銀行貨幣博物館(1)
日本銀行金融研究所は、1982年(昭和57年)10月に日本銀行創立百周年を記念して、日本銀行の内部組織の1つとして金融経済の理論、制度、歴史の研究等を行う目的で設立されました。
日本銀行金融研究所貨幣博物館では、貨幣に関する歴史的、文化的な資料を収集・保管し、それらの調査研究を進めつつ、広く一般に公開しています。その収集資料は、明治末期からの古貨幣収集家・研究家であった田中啓文氏が収集した銭幣館コレクションです。同氏は、わが国の古代から近代にいたる貨幣だけでなく、中国を中心とする東アジアの貨幣や、貨幣に関するさまざまな資料を10万点を収集していました。その収集資料が展示・保管されていた博物館が銭幣館では、戦局が悪化した1944年(昭和19年)に、戦火による喪失を避けるため、収集資料は日本銀行に寄贈されました。
寄贈された資料などをより広く公開するため、日本銀行創立100周年(1982年(昭和57年))を記念して1985年(昭和60年)11月に日本銀行金融研究所の2階に貨幣博物館を開館しました。博物館の入館は、入場料が無料で、開館は9時30分~16時30分で、月曜日、祝日、年末年始が休館です。
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貨幣博物館入り口(左:貨幣博物館、右:貨幣博物館入り口0716)
・貨幣博物館展示
貨幣博物館建物入り口を入り階段を2階へ上がると博物館で、展示会場には左側の出入り口を入って時計回りに閲覧します。博物館の出入り口の外部ロビーのみは写真がとれますが、展示会場内部は写真の撮影は禁止です。撮影可コーナーには、1億円の重さ体験と石貨が展示されています。石貨は、西太平洋のヤップ島で貨幣として使用され、大きなものは直径が3.6mにも達すると説明にありました。
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撮影可コーナーの展示品(左:一億円を持ってみませんか、右:石貨0716)
貨幣博物館は2013年5月16日~2014年3月30日の期間中は、「おかねの材料とつくりかた」をテーマ展として、お金はどんな材料から、どのようにつくられてきたのか、特定の金属を人々に広く行きわたる「お金」に変えていく方法を、先人たちはどのような知恵を用い、工夫をこらしてきたかの足跡をテーマにして約4,000点の資料が展示されています。
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貨幣博物館会場レイアウト
展示室に入ると、時計回りに進み最初の8世紀以前「古代」のコーナーでは、「物々交換から物品貨幣へ」と題して貨幣の誕生を示し、8世紀以降には「我が国における貨幣発行の開始」として、和銅開珎、富本銭、皇朝銭などが展示されています。
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和同開珎(中国の貨幣を見本に銀銭と銅銭が鋳造された 日本銀行貨幣博物館絵葉書から)
次は12世紀以降の「中世」コーナーで、「中国銭の使用」をテーマに渡来銭の展示があります。
16世紀以降の「近世」コーナーでは、16世紀の「江戸時代幣制の芽生え」では金銀貨や分銅金が展示されています。
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大判と銀板(左:天正大判 秀吉が彫金師後藤家に造らせた五三の桐の刻印が押された最初の大判、右:博多御紅葉銀 秀吉が軍資金として造らせた銀板 日本銀行貨幣博物館絵葉書から)
17世紀の「独自の幣制の成立」では徳川幕府制定の貨幣、わが国や中国・ヨーロッパでの紙幣発行がおこなわれました。
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わが国最古の紙幣「山田羽書」(伊勢山田地方で商人がつり銭の代わりに発行した預かり証で、紙幣として流通した 日本銀行貨幣博物館絵葉書から)
また、この時期には両替商が発達し、それに関する資料展示されています。
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分銅金と天秤(左:両替商の天秤・分銅 江戸時代には重さが価値を表す秤量銀貨を用いたので欠かせない道具である、右:分銅金 戦時の蓄えとして鋳造された100匁の金塊 日本銀行貨幣博物館絵葉書から)
17~19世紀の「幣制の安定と動揺」では幕府発行の貨幣、金銀銅の流出、各種貨幣の改鋳や幕末期の幕府札・藩札・地方貨幣に関する資料が展示されています。
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枝銭と天保小判五十両包み(左:枝銭 鋳型に銅を流し込み取り出した銭貨が樹枝状なので枝銭と呼ばれる、右:天保小判五十両包み 小判五十両を施封したもので包み紙の上書きが信用されたため開封せずにそのまま使用した 日本銀行貨幣博物館絵葉書から)
「近現代」コーナーでは、明治初期の幣制混乱[明治元年~]、円の誕生[明治4年~]では新通貨条例を制定し金1.5gを1円とした新貨幣を発行しました。
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新貨条例による貨幣(日本銀行金融研究所貨幣博物館> 常設展示> 常設展示図録> 近現代から)
欧州先進国の中央銀行制度にならって日本銀行を設立[明治15年~]し、明治18年に1円銀貨と引き換えられる兌換券の日本銀行最初の「大黒札」の銀行券を発行しました。
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最初の日本銀行券「大黒札」(日本銀行金融研究所貨幣博物館> 常設展示> 常設展示図録> 近現代から)
その後、金本位制度から管理通貨制度へ[大正6年~]のテーマには、アメリカなどに追随して金の輸出を禁止して昭和5年に再開したが、昭和6年イギリスが金本位制を離脱したため、再び金の輸出を禁止し、日本銀行券の兌換は停止されました。
「さまざまな貨幣」コーナーには、石貨、変った素材の貨幣、変った形の金属貨幣、緊急貨幣、大形の紙幣などが展示されてあります。
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