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イベント 江戸東京博物館 各派の江戸絵画作品を蒐集展示したファインバーグ・コレクション展その1

2013年07月27日 | イベント
kan-haru blog 2013 ファインバーグ・コレクション展江戸絵画の奇跡図録     

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ファインバーグ・コレクション展
「ファインバーグ・コレクション展江戸絵画の奇跡」は、江戸東京博物館(墨田区横網1-4-1)1階会場で博物館開催20周年記念として、前期は5月21日~6月16日、後期は6月18日~7月15日までの午前9時30分~午後5時30分(土曜日は午後7時30分まで)開催され、休館日は、毎週月曜日で、主催は公益財団法人東京都歴史文化財団、東京都江戸東京博物館、読売新聞社、美術館連絡協議会で、協賛はライオン、清水建設、大日本印刷、損保ジャパンで、協力が全日本空輸で開催されます。

 ファインバーグ・コレクション展パンフレット

観覧料は、特別展専用の一般が1,300円、大学生・専門学校生が1,040円、中学生・高校生・小学生・65歳以上が650円です。前期開催の6月6日に見てきました。

 ファインバーグ・コレクション展江戸絵画の奇跡入場券

・第1章 日本美のふるさと 琳派
ファインバーグ・コレクション展は、ロバート&ベッツィー・ファインバーグ夫妻が40年かけて蒐集した江戸時代の絵画の中から選び抜かれた90点余りを、前後期にわけて5章構成で展示替えをして紹介されています。展示作品の屏風や襖などの江戸時代の江戸絵25の絵師と筆者不詳の2作品が展示(展示リスト参照)されています。
展示の「第1章 日本美のふるさと 琳派」のコーナーでは、17世紀初頭日本の古典美術を復興しようとする機運が高まり装飾性に優れた、新しい日本的な絵画を創成した、琳派創始者の京都の町人俵屋宗達(たわらやそうたつ)の「虎図」(前後期展示)は、日本では生息していない虎を、琳派が特徴のやわらかな曲線で優しく描写した紙本墨画から始まります。

 俵屋宗達「虎図」(江戸時代/ 17 世紀)

19世紀初頭の尾形光琳に琳派の画風を学んだ酒井抱一の「12ヶ月花鳥図」12幅絹本着色(前後期展示)のうち「5月」の立葵・紫陽花・に蜻蛉は、琳派の画家たちが繰り返し描かれた題材です。

 酒井抱一の「12ヶ月花鳥図」の「5月」(江戸時代/ 19 世紀)

抱一に学んだ江戸の商家出身の鈴木其一(すずききいつ)の「群鶴図屏風」紙本金地着色2曲1双(前後期展示)は、琳派の画家たちが描き継がれた、金地の背景に水流の配置と渦巻状の水紋に真っ直ぐ向いた2羽の鶴は、光琳の画を踏襲しています。

 鈴木其一「群鶴図屏風」(江戸時代/ 19 世紀)

・第2章 中国文化へのあこがれ 文人画
「第2章 中国文化へのあこがれ 文人画」のコーナーでは、武家の知識人によってうながされた日本文人画の歩みは、町人や農民出身の池大雅や与謝蕪村などの庶民によっても受け継がれ、日本人独特の感性をのびやかに発揮し、新鮮な美の領域を開拓されてきました。
中国の文化や舶来の画譜から文人画法を学んだ、京都西陣生まれの池大雅(いけのたいが)の「孟嘉落帽・東坡戴笠図屏風」紙本墨画淡彩6曲1 双(前後期展示)は、中国の高土2人のかぶり物にまつわる故事を描いた屏風画で、左隻は東晋の孟嘉の逸話を描いたもので、右隻は北宋の蘇軾のエピソードを描いたものです。

 池大雅「孟嘉落帽・東坡戴笠図屏風」(江戸時代/ 18 世紀)

大阪郊外の農家に生まれ、独学で絵画を学んだ与謝蕪村(よさぶそん)の「寒林山水図屏風」紙本金地墨画2 曲1 隻(前後期展示)は、蕪村には珍しい金箔の地に冬枯れして寒々しい山中風景が水墨のみで描かれている。展示の作品は、2曲の屏風に仕立てられているが、左右の両端に引手の跡があり、当初は戸棚の小襖であったのが分かります。

 与謝蕪村「寒林山水図屏風」(江戸時代/ 18 世紀)

江戸に生まれ、狩野派や大和絵、琳派および中国画などの諸派の画を学び、西洋の遠近法の画などを製作している谷文晁(たにぶんちょう)の「秋夜名月図」絹本墨画1 幅(前後期展示)は、縦82.8cm×横168cmの大画面には、左に墨の外隈によって絹地が白く抜かれた大きな月が浮かび、右下方から葦が伸びあっている図を水墨によって描かれています。この画には、「文晁図書」と刻した大きな印が捺されており、文晁が款記の下文字と合わせて画面のバランスが巧妙に採られているいることと共に、襖絵や屏風画と共に江戸時代の一幅の絵画も大画面であることを、展示作品を見て認識しました。

 谷文晁「秋夜名月図」(江戸時代/1817年(文化14年) )

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