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大森町界隈あれこれ 大森町の昔を古地図で探る 大森村絵図第2編第1回その3

2010年08月26日 | 大森町界隈あれこれ 風景
kan-haru blog 2010 1957年(昭和32年)諏訪神社例祭の樽神輿

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大森村絵図の社寺(2)
前回に続き、明治初期の大森村周辺の社寺を見ていきます。

 大森村の浅間神社、諏訪神社(①:大森神社[その2参照]、②:浅間神社、③:諏訪神社)

・浅間神社
大森村絵図の浅間神社が鎮座する位置は東海道三原の南原から、西隣の新井宿村の春日社に延びる横断道と、東海道山谷の内川から不入斗村の八幡まで縦断する道との交差点にありました。
浅間神社は1716-36年(享保年間)に、当時隆盛を極めた富士信仰に基づき、富士山本宮浅間神社を勧請したもので、祭神は木花咲耶姫命を祀ります。社記がなく草創は不明であるが、口伝によると氏子28戸で勧請し、大森村の沢田の鎮守でありました。

 大森村東大森沢田の浅間神社 

・諏訪神社
諏訪神社は、浅間神社の南西の大森村中心部の内川北岸からおよそ300m北方の田んぼの中央部にあって、境内は六郷用水に接しており江戸期には山谷の鎮守で、祭神は建御名方命が祀られています。諏訪神社の社録は1868年(明治初年)に保管者が火災に遭い、伝来の由緒は灰燼のため不明です。伝えられるところでは、徳川初期(1600年頃)の創建で昔は東海道付近にあり、後年現地に遷宮したものであると云われています。1611年(慶長16年)に完成した六郷用水が、諏訪神社境内の周囲を迂回していますので、その前後に創建地から移ったのではないかと思われます。

 大森村北大森山谷の諏訪神社

推定ですが、戦前には諏訪神社の神輿倉が第1京浜国道の現大森警察署の反対側付近にありましたので、創建時の諏訪神社は東海道の内川端縁付近に鎮座されていたものと思われます。

 諏訪神社例祭第1京浜国道神輿倉にて[昭和12年6月]

田んぼの中の本殿は草創期のもので、その彫刻美は徳川芸術を語るものとして有名であったと云われています。拝殿は遷宮の折に建築したもので、1831年(天保2年)に修復を加え同時に内陣を造営したと伝えられています。拝殿の天井は極彩色の花魚獣魚を描いた一尺四方の96個の区画で造られた合天井で、すこぶる美観を呈した大和画で揮毫者は不詳であるが、徳川時代の相当名のある画家の筆であると思われます。この種の大和画の天井は、厳正寺などの寺院では多く見受けられるが、社祠では珍しいものです。

 戦時下[1943年頃]の諏訪神社例祭子供樽神輿(写真の拝殿は戦災前の建築でその後修復されているが大和画の天井であるかは不明)

伝説として残る諏訪神社の縁起は、その昔、波に漂い大森海岸袖ヶ浦へ着岸されたご神体を、村民が尊崇して一祠を建立したのが諏訪神社の起源であると云われております。この境内に一匹の白蛇が棲みつき、祭礼の時、氏子等多数が参社して知らずに白蛇の尾端を踏んだので、古来祭礼には必ず降雨ありと伝えられています。
境内には、数百年を経たる老松が神威を示す如く繁茂しており、1824年文政7年甲申歳9月吉日建立の石造り明神型の鳥居が建ち、同じく文政の銘がある算盤額が掲げられています。(新版大森風土記から)

 文政七年建立の諏訪神社正門の鳥居

・貴舩神社と天神社
大森村の東海道を下ると東大森村の谷戸で、江戸時代には間(あい)の宿で立場茶屋がありました。谷戸の東海道4つ角道の左右には貴舩神社と天神社が対向して並んでいました。

 大森村の諏訪社、貴舩社、天神社

貴舩神社は、創建の年代は明らかではないが、江戸時代には大森村のうち東海道に面した本宿の鎮守であり、祭神は高龗神(たかおかみのかみ)が祀られており、貴船神社の御分霊と云われています。天神社は、菅原道真公を祀っています。2社に分かれているのは、村人の対立の関係から相立したものではないかと推察されるが、水上を営業とする生活者には欠くことができない守護神で、尊崇厚く祀られていました。(新版大森風土記から)

 大森村東大森谷戸の貴舩社、天神社

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