ひと日記

お気に入りのモノ・ヒト・コト・場所について超マイペースで綴ります。

“サマーカシミア”のジャケット&クリーミーホワイトフランネルパンツ

2010-05-01 04:00:00 | 白井さん
 
 

 前回初めて屋外撮影を試みたところ予想以上に綺麗な写真が撮れたので、今回も白井さんを外にお誘いしてしまいました。また、白井さんにお渡しする写真の写りがかなり良かったこともちょっとした嬉しい収穫で、今後も天気と相談しつつ白井さんのお許しが得られればトライしてみたいと思います。

 この日の白井さんの着こなしは、初夏を想わせる心地好い陽気にピタリと合わせたまことにクラシック且つエレガントな装い。私のような素人カメラマンが撮影したにもかかわらず、歴史ある馬車道の風景に映える実に景色の良い写真が撮れました。

 ただし残念ながら、ジャケットの柄にどうしてもモアレが出てしまうので恒例の大きな扉写真は今回お休みです。

      

 夏向きのカシミア生地を使った、濃茶とベージュに少しの黄色も混じった大きなグレンチェック柄のジャケットはジャンニ・カンパーニャ(伊)。前回のスーツに引き続きこちらも信濃屋さんのHPに掲載されている逸品です。私はもう何年も前からこのジャケットに憧れ続けていて、この日こうして拝見した瞬間は感動で胴の内が震えました。既製品ながら白井さんはこのジャケットの“シルエット”特に肩の辺りが“ほわっと”してるところが殊にお気に入りなのだそうで、それ故登板回数も多めなのだとか。『下手にオーダーなんかするよりも既製が一番!』(白井さん談)という白井流哲学を体現する一着なのです。うっかり撮り忘れてしまったのですが、カンパーニャ製ということで裏地(背抜き仕様)にはシルクが使われていました。擦れる部分が少し変色し始めていて、愛着の程が伺えました。

  

 今日はタイトルにも登場させたトラウザースはブリオーニ(伊)の名パターンナー、ケッキーノ・フォンティコリ氏に製作させたという特別な一本。ベルトレス、リバースプリーツ仕様で、分厚く重たいフランネルは『バルベラでもちょっと敵わないくらい・・・恐らく英国製だと思うよ。』(白井さん談)という極上の素材。“本物の”フランネルを知っている白井さんならではのチョイスです。“クリーミー”と呼ぶに相応しい柔らかいホワイトからも実に上品な印象を受け、クラシックな装いには“絶対に”欠かせないアイテムです。

 『真っ白なホワイトは“ヨーグルトホワイト”なんて言ったりするよね。冗談じゃなく本当に(笑)。英国の色表現の仕方は面白いよね~例えば緑ひとつ取っても“フォレストグリーン”とか“シャーウッドグリーン”とか、赤っぽい色で“ルバーブ”とかね。』

 白井さんに接するにつれ感じていたことですが、白井さんは実に豊かな色彩感覚をお持ちの方です。であるからこそそれに伴う表現方法=言葉も常日頃から大切にされています。それはこういうちょっとした会話の中にも垣間見え、“ああ~この方はやはり正真正銘のプロフェッショナルなんだなぁ”と感じます。以前、白井さんが服飾雑誌を眺めながら色の表現について『プロなんだからもうちょっとマシな言い方できないもんかね~。』と仰っていたのを思い出します。日本語にも多彩な色表現がかつては在ったはずですが、それらも最近失われつつあるのはちょっと悲しいことです。

 

 チャーチのコンビネーション。やっとちゃんと撮影できホッとしました(笑)。先頃私がオークションで落札したチャーチは既製品ですが、こちらはプロトタイプですのでステッチの細かさなどに違いがあり、それより何より“年季”が比べものになりません(笑)。因みにソックスはこげ茶です。

  

 さて、どれも素晴らしい品ばかりなのですが、この日、白井さんはこう仰っていました・・・

 『個々の品ばかりに捉われていてはいけない。一番大切なのは“何を”“どう組み合わせる”のか。ブランド云々よりも組み合わせを楽しまないとつまらないもの。“このジャケットにはどんな色のネクタイが良いかな”と想像してみる。“じゃあパンツは何色が良いかな”と組み立てていく。今日なら“ソックスは赤でも良いんだけどせっかくのコンビが死んじゃうな”とか、“もう少し暖かくなればベージュのギャバディンも良いな”とかね。』

 『昔はモノクロのムーヴィーを観ながら想像したものだよ~“あの俳優が服の中に着ているニットは何色だろうな”とか“靴下は何色を合わせているのかな”なんてね。“イマジネーション”が大切。』

 『朝一番!その日の天気、気温、体調を考えながら組み合わせていく。冠婚葬祭は前の日に考えた方が良い場合があるけどね(笑)。基本は“人に不快感を与えないこと”。まぁブランド云々や成金趣味はあまり好ましくはないんだけど、それでも汚い恰好をするよりはよっぽどマシ(苦笑)。』



 “木を見て森を見ず”これはいけません。どんな極上品も着こなせなければ何の意味も無いのです。

 ここ何回か前から私は密かに“初心に帰る”をテーマに掲げて撮影に臨んでいましたが、やはりその考えは間違っていなかったと今は確信しています。やはり私は“白井さん”を見んがために横浜へ足を運んでいるのだと。



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1 コメント

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すばらしいですね。 (deibu95)
2010-05-07 23:28:48
いつも白井さんのコーディネートには、関心しきりなんですが、このセーターは、カシミアの1プライでしたか。コットンやハイゲージのウールジャないような気がするのですが、私のモニターがよくないので、いまいち分かりません。
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