ひと日記

お気に入りのモノ・ヒト・コト・場所について超マイペースで綴ります。

Chalk stripe gray flannel suit

2010-12-09 04:00:00 | 白井さん


 昨夜の雨が大気の塵を洗い流したせいでしょうか、私の職場の窓から見える遠くの山々が完璧な雪化粧をほどこし、背景の澄み渡る空にその稜線をくっきりと浮かび上がらている姿をはっきりと確認できました。昨日まで名残を惜しんでいた晩秋の空気は遂にその役目を終え、今朝、頬を撫でた微風の冷たさにはっきりと冬の到来を感じました。

 今日の“白井さん”は冴え渡る冬の空気にも似た凛としたスーツスタイル。チョークストライプのフランネルスーツの着こなしです。

   
 

 ライトグレーのフランネルを間隔の広いチョークストライプが走るダブルブレストの3ピース、きりりと締め上げたピンホールカラーと重厚なジャガードのタイ、スクエアに挿した白い麻のチーフ、髪はきつく撫でつけ、足元は黒のキャップトウで引き締める。今日の白井さんの着こなしは、ちょっと怖いくらいにシャープなビジネススタイル。もし、商談相手が今日の白井さんのような人だったら、私などは話す前から謝ってしまいそうです(汗)。

 

 さて、そんな強面(笑)な白井さんを慕われて、この日も多くの紳士諸兄が信濃屋さんを訪れて服飾談義に花を咲かせておられました。やはり皆さんの話題の中心は、来る12月16日に催される『SHINANOYA クリスマスパーティー』と、そのプレイベントとして12月11日~16日に信濃屋馬車道店紳士フロアに展示される『SHINANOYA SHOES COLLECTION』について。特に靴については皆さん一家言お持ちの方ばかりですから、お話は弥が上にも盛り上がります、といっても皆さんの語り口は、信濃屋さんを訪れる洒落者の方々の多くがそうですが、いつでも紳士的で物静かです(笑)。

 イギリス・アメリカ・イタリーを中心とした各国の靴の話を軸に、革の話、サイズの話、ソールの話、靴磨きの話、などなど・・・兎に角、皆さんのお話は全てご自身の“足”でご経験されてきた“本当のお話”ばかりで濃い内容のものばかり。

 『メモ取らなくていいの?』

 と、ちょっぴり白井さんにからかわれてしまいましたが(涙)、ここで私の乏しい見識と拙い筆でヨタヨタ危なっかしく書くよりも、興味のある方には是非信濃屋さんに足を運んでいただいて、今ではちょっとやそっとではお目にかかれない銘靴の数々を真近にご覧頂く方が確実だと思います(笑)。このブログでご紹介させていただいた白井さんの靴もいくつか展示されるとのことですし、何故白井さんが昔のアメリカの靴をこよなく愛されているのか、その理由も“本物”を見ることできっと伝わるのではないでしょうか。

 因みに、ちょっとフライングですが、下の写真の3枚目にチラッと写っているのは、コレクションに展示予定の古いアメリカの靴。白井さんのお話では“成牛”の革で作った靴だろう、とのこと。もの凄くごつくて迫力のあるぶ厚いグレインレザーを使ったブローギングシューズでしたが、人の手の温もり、とでもいいますか、その時代の“クラフトマンシップ”がどういうものだったのか、という部分もそこはかとなく感じられるたいへん魅力的な靴でした。

   

 その“アメリカ靴”にちょこんと乗っかっている黒帽子は、今日のお帰りの主役である“ホンブルク”。白井さんのお話では、すべり革が“白”というのが珍しくてなかなか洒落ているそうです。襟元も黒に白のドットのシルクマフラーで。白井さんは着こなしには滅多に“黒”を使われないので今日の写真はかなり貴重な一枚となります。また、更に裏返して言えば、“黒”はこのように使え!ということが解る貴重な一枚とも言えます。

 さて、いよいよ寒くなってきましたのでオーバーコートの出番が迫ってきましたが、ここ最近10回ほどの更新では晩秋の着こなし、特にコート無しでの、帽子、マフラー、手袋、といった小物の使い方・合わせ方の様々なヴァリエーションを見せていただいたことが大変勉強になりました。一年の中のほんの短い期間ですが、その時期にしかできない合わせ方を心掛けそれを上手に楽しむ。やっぱり白井さんは着こなしの“達人”なのだ、と今改めて感じています。

  



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