●今日の一枚 252●
Erroll Garner
Contrasts
JBL(バスケットボール)の2009-2010シーズンセミファイナル、パナソニックvsリンク栃木は歴史に残るほどの名勝負だった。試合は終始パナソニックリードで展開し、第4ピリオド残り5分20秒の段階で66-77と11点の差があった。しかし、ここからリンク栃木の怒涛の反撃がはじまる。田臥のワンマン速攻と物凄いストップジャンプからの3ポイントシュートで、残り2分42秒で79-74、さらに田臥の3ポイントで2分05秒には77-79、残り1分03秒には田臥のキラーパスから外国人選手⑫のダンクシュートでついに79-79と負いついた。そして最後は、残り39秒、田臥のパスから①川村卓也のミドルシュートで81-80となり、リンク栃木が勝利した(詳しい試合展開は→こちら)。
ゲーム自体も面白かったが、地域をあげて応援しているようなリンク栃木のファンの盛り上がりもすばらしかった。ファンの応援の後押しが勝利の要因の1つであるといっても過言ではない。JBLはプレーの質は高いものの、地域に根づいたリーグとはなっておらず、その点bjリーグに一歩譲るのだが、リンク栃木のあり方はこれからのJBLを考えるにあたって一石を投じるものといえるように思う。今後、JBLとbjリーグは統合も含めて話し合いに入るというが、是非実現させて欲しいものである。
しかしそれにしても、田臥のバスケットは面白い。単にうまいだけでなく、魅せるものがある。有料放送のskyA+だけでしか彼のプレーを見れないのは本当に残念だ。今日からはいよいよ、ファイナルだ。アイシンvsリンク栃木。王者・アイシンの方が優勢だろうが、リンク栃木が展開の速いバスケットでどう挑むか。本当に楽しみである。それにしても、JBLファイナルを深夜の録画放送でやるとはどういうことだ。生放送でみたい。
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今日の一枚は、エロル・ガーナーの1954年録音作品『コントラスツ』。佳曲「ミスティー」のオリジナル演奏が収録されているアルバムである。いい曲だ、本当にいい曲だ。優美で美しい。しかし、この演奏は短すぎはしないか。うっとりしている間に曲は終わってしまう。感動の時間はあっという間だ。
まったく独習でピアノをマスターし、読譜の知識もなかったといわれるエロル・ガーナーの演奏をうまいとは思わないが、やはり音楽的才能のある人だったのだろう。「ミスティー」は、ガーナーが飛行機で窓の外の深い霧を眺めていた時、ふとメロディが思い浮かび、ホテルに着くなりピアノの前に駆けつけ作曲したのだという。