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エアーナビ AVIC-T10 vs EN-4500 レビュー(3)

2008-06-18 21:54:33 | GPS


 エアーナビ AVIC-T10 を購入したので、例によって簡単なレビューをしてみたい。
 今回は、順番が逆だが、土曜日に到着し日曜日に比較的長距離を走ってみたのでファーストインプレッションなど。

 正直なところを言うと、あまりにも期待が大きかったために実物を使ってみてがっかりしてしまった、というところだろうか。

 多分、この期待の大きさは「パイオニアのカーナビ、carrozzeria ブランド」であるということ、また、「PNDとしては後発であり、当然発売済みのミニゴリラを含むPNDと比較すれば同等以上であるはず」という先入観から来ているのだと思う。そのために「PND最高水準の素晴らしいもの」と思い込んでいて、この上に「ジャイロセンサー・加速度センサーによる自律航法」「通信機能によるスマートループの渋滞情報機能」という他には無い優れた特長があり、さらに6万円程度という価格設定がある。これらがそろって非常に高い期待を抱いていたというのが、わたしの場合だ。実のところ手にするまでは、この性能でこの価格なら、他の PNDやメモリナビ(特に韓国製ナビの高価格タイプやゴリラのNV-SD580DT系列)を駆逐し、価格の低下を引き起こすのでは?とまで思っていた。

 この大きな期待(先入観)が無ければ、つまりはパイオニアのナビでなければ、使ってみた上でも「PNDとして十分な性能を持ち、自律航法や通信機能を持つ唯一の PND。操作性を含めた総合的な観点ではミニゴリラだろうがこのナビも個性があっておもしろい」と思ったかもしれない。
 とは言うものの、AVIC-T10 の大きな特徴は通信機能だ。それを使ってみないと、最終的な判断はできないだろう。


 問題であると思う点の主なものは、
・レスポンスが悪い。
・液晶サイズを考えても、大きく重く感じる。
・音量が小さい。
・交差点の拡大図が50m縮尺
・音声案内の頻度が少なく、画面を見ながら走行する必要がある。
・レーン案内が直前になるまで出ない。
・オートディマーが無い。

 良い点の主なものは、
・ナビゲーションの性能は良い。
・5.8インチWVGAはさすがに高精細。
・ジャイロ・加速度センサーは、ある意味は大きい。
・クレードルの着脱は容易。
・パーキングブレーキ結線不要。

というところだろうか。
 個人的には、最大の問題はレスポンスの悪さだと思う。このレスポンスの悪さは使う気を削ぐ。PNDとしては後発なのにこのようになってしまったことは、ユーザーとして非常に残念だ。
 大きさ重さ。実際に手にしてみると、もう少しコンパクトになるのでは、と思える。そうは言ってもゴリラ NV-SD580DT も同じようなものなので、そんなものなのだろうか??
 また、音量はなぜこのような仕様になっているのか不明だ。実際に車に載せて走ってみれば音量が小さいことはすぐに分かると思うのだが・・・
 ナビを始めるときは検索や地図表示でのレスポンスの悪さに困り、運転中は音量の小ささに困る。その悪い印象が支配し、他のたくさんある良い印象を消し去ってしまっているというのが、AVIC-T10 を使ってみての感想だ。
 さらに「レスポンス」「音量」2点の問題は、触ってみるとすぐに分かってしまう。それだけに目立ちやすい。

 逆にこの2点の問題がなければ、一定の評価は得られるだけの性能は持っていると思う。それだけに残念でならない。また、実際の運転中に操作をするのは非常に限られた時間だ。音量は、(わたしの車なら)舗装された道路を窓を閉めて走っていれば、一応聞こえるレベルではある。そうやってこの問題の2点を回避できれば、ナビゲーション機能は十分であるだけに、この製品の良さを感じることができそうだ。


 他の悪い印象を先に書いておきたい。上に挙げたものに比べれば細かい話だ。

 まずは、交差点の拡大表示が縮尺50mであること。これは AVIC-T10 の地図縮尺が50mからであることに起因しているのだろう。知らない土地で使うには、50m の拡大表示では心もとない。韓国製PNDのように道の線画に施設アイコンのみでよいので、交差点はより拡大された方がよかったのではないだろうか?

 次に、音声案内の内容が少ない点。別のレビューで詳細を書くつもりだが、一般道では分岐の500m手前からしか音声案内が始まらず、音声案内だけでは心もとない。もっともこれは、慣れの問題かもしれないが・・・
 また、分岐が連続するような場所の音声案内が弱い。多くは1つ先の分岐しかされず(この先左方向、その先右方向のような案内がない)、さらに2つ目の分岐の音声案内がされないケースがあるように思う。これについては詳しく確認していくつもりだ。

 レーン案内については、曲がらない交差点では1つ先のものが200m程度手前にならないと表示されない。EN-4500 ではもっと前から案内は出てくる。ミニゴリラ NV-SB250DT の3つ先までのレーン案内は秀逸だった。

 オートディマーが無いことにもちょっとがっかりした。一流カーナビメーカーの製品で6万円台のPNDなら、当然ついてくるものと思いこんでいた。


 良い点についても書いておきたい。

 まず、ナビゲーション性能は十分であることを記載しておきたい。日曜日には知らない道や山道を含めて500km程度走行してみた(ガソリン代が・・・)。ナビゲーションの点では、上に記載した以外は大きな不都合は感じず、スムーズに迷うことなく走行できた。もちろん何でこんな道をということはあったが、それはそういうものだろう。
 また、ナビの意図に反して走った場合、その進行方向に沿って最適な道をリルートで出してきた。リルートのタイミングはおおよそ適切で、検索は早いと感じた。さらにリルート中でも地図上で自車位置を表示し続けるという点も優れている(もっとも、そういうことをするから逆にレスポンスが悪いのではないか、という気がする。ソフトウェアの要求するハードウェア性能を持っていない、つまりはいろいろと詰め込みすぎたのではないだろうか)。
 PNDによっては案内ルートから外れると、ひどい場合にはUターンを、そうでなくとも無理やりに曲がらせて元のルートに戻すようなルートを出してくるものもあるが、それらと比べると優れていると感じた。

 首都高も走行してみたが、JCT での直進を実際に「直進」と案内するこのナビはありがたい。例えば直進と左分岐があるようなJCTで直進をする場合、EN-4500 では「右方向」と案内する。直進だと分かるのは1km手前のイラストが出てからだ。AVIC-T10 では 2km 手前の音声案内で、直進することが分かる。このあたりも、さすがによくできていると感じた。

 5.8インチWVGA液晶は、さすがに大きく高精細だ。これはケータイもそうだが、使う前は「そんなのいらない」と思っていても、実際に使ってしまうと元のQVGA液晶には戻り難い。
 カーナビとして使う分には、視認性も問題ないと思う。晴天下の明るいところで走ってみたが、輝度も問題ないと思う(直接日が当たったときの状況は未確認)。

 ジャイロ・加速度センサーのみ(車速無し)によるハイブリッド測位は、マニュアルによると「簡易ハイブリッド」とのことだ。この状態では誤差が大きくなるとある。
 実際に使ってみるとその通りで、自車位置が停止してしまっていたり、精度が出ていないときが多かった。過分な期待をしてはいけないというのが実感だ。ただしあると無いとでは大違いで、GPS 測位のみの EN-4500 や GPS による速度から推測していた NV-SB250DT よりも優れていて使いやすいのは確かだ。首都高はトンネルもある上にランプやJCTが多く、ハイブリッド測位はとても助かった。

 クレードルの着脱については、取り付けのレビューで書いた通りだ。クレードル経由で電源を供給でき、またパーキングブレーキ結線が不要であるため、取り付け・取り外しはとても容易だ。このあたりもよくできている。

 もちろん、パーキングブレーキ結線は不要だ。あくまでも個人的意見だが、取り付け・取り外しを頻繁にする PND で、ミニゴリラのように本体にパーキングブレーキからのラインを接続するのはおかしいと思っている。だからいろいろと回避方法が出てくるのだが、メーカーはそれを承知で同じ方法をとり続けているように思える。それなら EN-4500 のようにユーザーの承認を求めたり、AVIC-T10 のように速度で判断する方が、正しいやり方だと思っている。


 こう見ると良いところも多いのに、いくつかの悪い点が目立ってしまい、返す返すも残念でならない。せめて音量くらいはファームウェア更新で対応していただければうれしい。

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