大部分を占めているのはお決まりのルーティンなのさ

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朝　目を覚ます。

６時９分。

頭の中に、夢のかけらのようなものが残っていた。


「ギャフン」


「ギャフン」ていうオチでいいんじゃないか？



「ギャフン」

こりゃまたベタな。




ベタでいんじゃない？





個性、センス、深いテーマ性

そんなものよりも、ベタな表現、お決まりの手法

わかりやすさ、マンネリ感。

実は漫画の根幹を占めているのはそれなんじゃないか？



その上澄みの部分、

上層部のほんの数ミリのところに

作者のこだわりを乗せるスペースがある。





そんな事を、寝ぼけながら。





活動の準備。


布団の上で柔軟体操。

腱を傷めないよう。



階段を下りてトイレに入る。

続いて、猫のトイレの掃除。



３つある猫のトイレの中に、固まったオシッコが点在しとる。

スコップでトレイに移し、

トイレの水を流しながらじょじょにその流れの中に落としていく。


１階に下りて、モデム・ルーターの再起動。

仕事でネット回線を使用するので、

回線スピードは大事。



うちが契約しているケーブルテレビ会社の評判は、そこそこ悪い。

回線速度がめっちゃ遅いのと、

会社の姿勢…みたいのが原因。

とにかく評判が悪い。



でも、つき合っていくしかないので、

毎朝のモデム・ルーターの再起動が日課になった。



それやると少しは速くなってくれる。



洗顔。ひげ剃り。

あと、この時期は、毎朝シャワーで全身を石鹸で洗う。



朝食の前に、

猫の飲み水の容器を全部洗い、
新鮮な水を満たして所定の場所へ。

水の容器は全部で５つ。


猫のご飯も新しく用意する。

高価な健康食を遠ざけ、
体に悪い着色料が入っているほうを
猫どもは好んで食べる。


そして自分の朝食。

ＮＨＫ朝の連続テレビ小説の放映時間と重なることが多い。

見ながら食べる。


後片付け、食器を洗う。



毎日まいにち同じ繰り返し。

これは、ぼくの生活なのだろうか。

確かにぼくの生活だ。

毎日繰り返されるルーティンであるこの作業が、

僕の人生の大部分を占める。



その上澄みの部分、

上層部のほんの数ミリのところに

ぼく個人の、個性を乗せるスペースがある。




そもそも僕の体のほとんどの機能は、

僕の意識とは関係ないところで着実に動いている。


それも、あらかじめプログラムされたルーティン。


僧になるための修行は、

毎日お寺で朝早くから、

掃除・洗濯・まき拾い、炊事、座禅…と

１秒の余裕もないほどスケジュール管理されているらしい。

歩き方や、雑巾のかけかた、ほうきの動かし方にいたるまで

細かく作業手順が決まっていて、

自分の意思が入り込む余地がまったくないのだそうだ。



そうやって自分の意識を消していくのだろうか。

無意識。


寺じゃなくても出来るのか？


日常の動きを精密機械のように正確に…

怖いわ。


どうなっちゃうの？　僕…


僕の意識は、いったいどこにあるのか。



実体のないもやのような僕自身が、

この体の上に、重なるように浮遊している絵が見えた。




そんなイメージに襲われた朝。









長文におつきあいくださいまして、
ありがとうございました！

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