さいきんの流星光
元漫画家 流星光(ながれぼしひかる)の雑記ブログ/Amazon商品のアフィリエイト広告があります。
 





今日は、気まぐれで、

家にあるものだけで済ませてしまおうと思いました。

メインのおかずは無し。

ごはん、生卵、納豆、

ふりかけ、お漬物、キャベツサラダ、

みそ汁、ごはんですよ。


以上。


質素。




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注意)長文な割にオチはありません。


■とある作業所

夢の中で僕は、とある作業所で働いていた。

壁は薄い黄緑色の鉄で、橋げたみたいに丸い大きなびょうが規則的に並んでいた。

鉄骨と鉄の壁に囲まれた部屋だった。


僕には過去の記憶がなかった。

若いころの記憶は、ぼうっとして判然としなかった。

僕は、「9番」と呼ばれていた。



作業場の僕のスペースには布団が敷いてあり

横になりながら作業するスタイル。

たくさんのウズラのゆで卵を、仕分ける作業の連続。

とにかく眠い。

布団に入ると眠くなるので、一日作業しても

仕事は進まなかった。

ほとんど寝ているようなものだった。



作業所には大きなガラス窓があった。

僕は外の世界が気になったので、じっと外をながめていた。

大きな窓ガラスは、

すりガラスなのか長年の使用のせいでくもっているのか分からないが、

外の世界がぼやっとしか見ることができなかった。

ガラスには、青や緑のフィルムが貼ってあるようだった。


どうやらその作業所はけっこう車通りの多い大通りに面していて

道路をはさんだ向かいには10階建て以上の高いビルディングが見えた。



ある日、

僕の仕事ぶりが褒められた。

小さな小鉢一杯分のうずらの卵。

「一日でこれだけ出来るなんてスゴイじゃないか」

と山口智子似の現場主任が褒めてくれた。


たったこれだけで、こんなに褒められるなんて、と不思議だった。

小鉢の中には、くずれかけたり、ぼろぼろのゆで卵もあったのだが、

これで大丈夫なのだろうかと不安だった。


そういえば、この作業所の他のメンバーの仕事ぶりを見ると、

一日じゅう布団に入って、

寝ているのか考え事をしているのか、

とにかく何か作業をしているようには、とうてい見えない人ばかりだった。


僕が褒められたのも、

新人が入ってきて、ある一定期間が過ぎたところで、

業績がどうであれ、とりあえず褒めておくという

従業員管理術のひとつなのかも知れない。



翌日、

新人が入所してきた。

僕は、別室に行くように言われた。

前室のような小部屋で、新人クンと一緒になった。

新人クンも、その部屋に呼ばれていたようだった。

目的の小さな部屋に入っていくと、新人クンは、すでにカートに乗っていた。

カートと言っても、ショットバーのカウンターの

二人分の席だけをざっくり切り取っただけのような、

不思議な乗り物だった。



二つ並んだ背もたれのない丸イスの左側に新人クンは座っていた。

僕は、右側に座ろうとしたが、

イスとテーブルの間が狭く、イスも固定さいれているため、

なかなか脚をねじ込むのが難しかった。

無理に脚をねじ込もうとするたびに

床面にあるアクセルなのか方向指示器なのかわからない黒いボタンに足先が触れ、

そのたびにカートが前後左右に動いて狭い部屋の壁にガツンゴツンとぶつかった。

僕と新人クンが見ている方向にはもう一つ部屋があった。

ちょうど録音スタジオのオペレーションルームみたいだと思った。

間を仕切るガラスはなくて空間的につながっている感じがした。

向こう側には、三人の男がいて、

一番手前にいる若くて七三分けの吊り目の男が、

頭が切れそうで、リーダーっぽかった。

三人は、カートがたてるガツンガツンという音をまったく気にする様子はなかった。


まず新人クンが質問された。

質問したのは、やはり若い七三分けの男だった。

以下、この男のことをA氏と呼ぶ。

「僕は、はっきり答えてくれるほうが好きなんだよね~」

A氏は、くだけた調子でそう前置きしてからいくつかの質問をした。

新人クンは、少し曖昧っぽく、ちょっと優柔不断っぽく答えていた。

いくつか質問を重ねるうちに、A氏がイライラし始めたのを僕は感じた。

新人クン、もっとはっきり答えたらいいのに。

と僕も少しイライラした。


A氏が、また質問をした。

「今日、〇〇(球団名)勝ちますかね~」

僕は、振りだ!と直感した。

僕なら「勝ちます!ぜったいに勝ちます!」と答えてA氏の満足を得ることが出来る、

と思ったが新人クンは、またも曖昧な返答だった。

「えー、さあー。どうでしょうねー」

A氏は、誰がみてもイライラし始め、

ありえないほどの貧乏ゆすりをした。

そして、大通りに面した窓ガラスに思いっきりパンチをぶち込んだ。

そこで初めて知ったのだが、

そのガラスは結構ぶ厚くて、

1.5メートル以上も厚みがあるようだった。

A氏は、右の拳で、まるで痛みなど俺にはないと言いたそうな勢いで、

バツンバツンとガラスをぶっ叩いていった。

ガラスには、穴が空き始め、A氏は、右の拳だけでガラスに

トンネルを掘って進むスーパーマンのようだった。


僕は、その時点で、怪しいと感じ始めていた。

これは、何かバーチャル・リアリティのような世界なのではないか、と。

A氏は、CGの世界で、好き勝手に動き回っているのではないか。

いや、A氏自身がCGなのではないか。


そしてついにA氏は、ガラスを突き抜けて通りに出た。

「今日、〇〇(球団名)勝ちますかね~」

A氏は、同じ質問を新人クンに繰り返した。

新人クンは、あい変らず答えを濁している。

A氏は、通りの向こうの高層ビルディングに登り始めた。

しかも、手を使わずに足だけで。

それを見た僕は、

ほうら見ろ。やっぱCGだ。バーチャルだ。と結論づけようとした。

だが残り一片の疑念を払拭しきれなかった。

A氏の足の動きが、ぎりぎり現実であったからだ。

足だけでビルの壁面を登る、すごい事だが、

見た感じ足掛かりがない訳ではないので不可能ではなかった。

バーチャル・リアリティやCGアニメーション特有の、

とっかかりに足がかかっていないのに登っていたり、

落下するはずなのに落ちなかったりという現象は見られなかった。

そしてなぜかA氏は、肩に男を一人かかえていた。

どっかで捕まえてきたホームレス的な酔っ払いらしかった。

A氏が、どんどん登っていくものだから、

僕と新人クンは、ついて行くしかなかった。

気がつけば地表は、はるか下。

これがバーチャルでなければ、手を離した瞬間僕は落ちて潰れて死ぬだろう。

いっそ手を離してみようか、と何度も思ったが、

すん前で、思いとどまった。



そして、誰かが叫び声をあげながら落ちた。

新人クンは無事に壁面にへばりついていたので、

A氏の肩にかつがれていた男に違いなかった。

僕は、高いところが怖いので、もう嫌だった。

やめたかった。いっそ手を離したかった。

だが、もし現実であったならという疑いが

手を離すことを躊躇させていた。



そこで突然、目がさめた。

すべてが夢であった。

目覚めたあとも、しばらくぼーっとしていた。


とても意味がある夢だった気がした。



目が覚めて、いま目の前にある現実世界。

僕は、本当に世界を見ているのだろうか。

世界を認識できているのだろうか。













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