髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

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「水戸黄門」 レビュー (ファミコン)

2016-02-05 21:00:12 | ファミコンレビュー
※タイトルは「水戸黄門」だけにしたが
正式名称は「天下の御意見番 水戸黄門」である。

トップビューアクション
開発はトーセ
発売はサンソフト
1987年8月11日発売
「ゲームセンターCX ~有野の挑戦~」プレイソフト#131


特徴

タイトル画面で

 「静まれ、静まれ!!この紋所が目に入らぬか!
  こちらにおわすお方をどなたと心得る。恐れ多くも先の副将軍、水戸光圀公であらせられるぞ!
  一同、頭が高い!控えおろう!」

という音声からこのゲームは始まる。
合成音声なので鮮明と言うわけではないが十分に聞き取れるレベルである。

合成音声がこのゲーム最大の特徴である。
(と言うかそれがこのゲームの最大の見せ場だがな…)

奇数面と偶数面では
操作キャラが異なる。
奇数面:『格さん』『八兵衛』『弥七』
偶数面:『助さん』『又平」『お銀』

※キャラは違えど仕様や役目は変わらない。
 『格さん』=『助さん』
 『八兵衛』=『又平』
 『弥七』=『お銀』
 ただ単に全キャラを使おうというだけである。


基本的には『格さん』or『助さん』が操作キャラでゲームを進め「てがかり」集めに奔走する事となる。
町の人に話しかけたり、悪人を殴って弱った時に話しかけたり、様々だ。
それで有力な話を入手すると「てがかり」というゲージが上昇する。

他にはアイテムを使う事で他キャラクター「八兵衛」「弥七」「又平」「お銀」との切り替えが可能となり更に情報収集を行う。
そのアイテムは敵を倒さないと出てこず、その切り替えたキャラもまた時間制である。

そして

「てがかり」

のゲージが全て溜まった時、「水戸黄門」の所に行くと晴れてお裁きとなってステージクリアとなる。



あらすじ
水戸黄門一行となり日本全国各地で起きている問題を解決する。


点数は20点

良い点
・合成音声

悪い点
・時間なさすぎ
・下駄時間制
・老害

良い点の解説
・合成音声

 お店に入った時の

 「いらっしゃい」

 的屋での

 「あた~り~」「はず~れ~」

 ご老公の笑い声

 「ハッハッハッハ!」

 など、豊富である。
 特にタイトル画面の声は10秒以上ある。
 スーパーファミコンのゲームだって技ぐらいしか叫ばないものが多いのにこれは驚異的である。


悪い点の解説

・時間なさすぎ

 このゲームは時間があり1ステージ
 12:00から始まり19:00になるまでに解決しなければならない。(1分は1秒ぐらいで経過)
 (提灯が1時間延長できるが最大でも22:00まで)
 ステージを重ねるごとに広大になるのでウロウロと散策している時間はない。


・下駄時間制

 『格さん』『助さん』の普段の足は非常に遅い為
 そのままの状態では取り付く幽霊やブサイク女に掴まれるので一定時間、足を速くする下駄がなければ話にならない。
 その下駄が時間制なのでいくつもストックが必要である。

・老害
 このご老公。何か情報などはないかと宿にちょっと戻ってみると

 「それでは駄目じゃないですか」

 と、ダメ出ししてくる。
 証拠を全て揃えなければ動こうとしない。テメーは宿で休んでいる癖に。
 そして証拠全てを揃えて悪人をお裁きといういいトコ取り納得いかねーぞ。


 で、『八兵衛』が宿に行くと

 「格さんはダメですね~」

 と、陰口を言っている。お前、少しは配慮しろよ。
 面倒な事は部下に任せてオイシイ所だけはかっさらって悦に浸る…
 クソジジイじゃねーか!

 と言うかこのゲーム。全体的にキャラは口が悪い。
 『格さん』に「人相が悪い」と面と向かって言ってくる奴だとか…

 というか『格さん』自身、人と話す時

 「おいおい」

 って人に声をかけるんだよな。
 旅をして初対面の人に対して何なのこの態度?
 朱に交われば赤くなる。
 きっとこんなご老公と一緒にいれば感化されてしまうのは致し方ないのだろう。



このゲームはひたすら時間に追われる。
ちんたらやっていると19:00になり未解決となる。
未解決だとステージを跨ぐがフラグが立たなくなり全クリは不可能となる。

と言うかこのゲームは一言で言うのなら

「フラグ立てゲーム」である。

どこで話を聞いたり、調べたりすれば手がかりが集まるのかメモを取りながら集め
最適なルートを考えて行い「てがかり」をMAXにして黄門を呼び出す。
それを繰り返すゲームである。

適当にステージでブラブラしていると後半ステージは広大なので時間が足りなくなる。



折角、日本全国を旅するゲームなのにステージ自体を全く楽しめず
ひたすらフラグ立てとステージのアイテム探しに奔走するしかないのだ。
もしくは軍資金を作るために射的屋に入り浸るしかないというゲーム構成は甚だ疑問である。
下駄に制限時間を課すとかさ…
ちんたらしていると取りついてくるブサイクや幽霊の存在もそうだ。
コイツら何気に足が速い。
下駄と同等の速度で追いかけて来るので見かけたら逃げるに限る。(お札などのアイテムを買うのもいい)
プレイ自体が苦しい。純粋に楽しめない。

そして、とにかくに不快なキャラが多い。
ゲームシステム上、仕方ないにしても人によって態度を露骨に豹変させるキャラが多いんだもんな。

特に黄門、一体お前は何様やねん。
お前の年齢からすれば『助さん』『格さん』は自分の半分も生きていないような子供みたいなもんだろ。
手がかりつかむのが遅いにしても少しは温かく守ってやれよ。

「焦る事はありません。じっくりやりなさい。私はあなたを信じておりますよ」
「見落としがあるのかもしれません。振り返ってよく考えて見てください」

ぐらいの懐の深さを見せてくれよ。
何でダメ出しばっかなんだよ。腹立つわ~。



このパッケージの笑顔のジジイにダメだしされるとか…
非常に腹立たせられる。もっと威厳を見せろよ…

というか「ひかえおろう! この印ろうが 目に入らぬかっ!」って言っているけど
正しくは「この紋所」だろう…タイトルでもそう合成音声で喋っているのだから…


ゲームとしては色んなところを旅しつつ、先に進むってなるとやっぱり和テイストって事で
がんばれゴエモン ~からくり道中~」を思い出した。
町や村などにいる面白キャラクターを見ながら楽しむなんて事をしたかった。
そういえば、合成音声もあったな。

「御用だ!」

つって…
ステージは日本をイメージし、悪い殿さまを懲らしめに行くという話
案外、この「水戸黄門」と共通点は結構多いな。
そうなると比較しちゃうわな…

下駄に時間制限がある「助さん」「格さん」
足が速くてジャンプできる「弥七」や「お銀」でも
素早く斜め移動が出来る「ゴエモン」を捕まえる事は出来まい。

大泥棒を捕まえる事を黄門さまは出来ず歯噛みする事になるなぁ…

黄門「何やっているのですか皆さん。あのようなコソ泥に…」
全員『テメーが走って捕まえろタコ』

って思うのだろう。

是非とも黄門さまを的にくっつけて『あた~り~!』してぇ…

という気持ちにすらさせられる。

ちなみにこのゲーム、アイテムを取る事でパスワードを取る事が出来るが所持しているアイテムを引き継ぐことが出来ない。
で、ステージが後半に行くにつれて当然、難易度が高くなっていくので前ステージまでの貯金が物を言ってくる。
得点によって最大HPも増える仕様だしなぁ…(パスワードでは得点引き継ぎなし)
クリアを目指すのならばぶっ続けクリアが推奨される。
パスワードはそのステージの下見ぐらいにしか使えんなぁ…


まぁ、このゲームに向いている人はスケジュール通りに行く事を快感に思える人かな?
たまに、旅行行くときに綿密にスケジュールを組む人がいる。
こんな風に…

 9:00 ホテルを出発
 9:15 ○○行きのバスに乗る
 9;25 ××に着いて、鑑賞。
10:30 出発
10:35 □□行きのバスに乗る

予定外の事があって少しでもスケジュールとずれたりすると悔しがる。
「OH!Mikey」の「タイム君」みたいな人が向いているんじゃないだろうか?(苦笑)

髭人のようにゲーム自体を楽しみたいという人には不向きのゲームと言える。
敵を倒す爽快感は得られないもんな。
「助さん」「格さん」の射程は短いしパワーアップ要素はないし
一般市民が多めで手を出すとお金が減るしなぁ…
そしてイライラさせられる登場人物…
どいつもこいつも殴らせろ!(酷い)


さてっと…このレビュー、締めますか~。

ゲームオーバー時の合成音声

「(出来が)残念でしたな~黄門さま(笑)」

としか言えないゲームである。



PS)ちなみに続編が出ている…
 本作と2を買ったもの本作がこの出来では…
 続編やりたいというモチベーションあがんねぇ…



ここからがネタバレ
























エンディング。髭人は未クリアだが
動画を見たところ、スタッフロールはなくこういった文章が出る。(分かりやすく漢字変換)

黄門 一行の 前には これからも 諸国の
悪事が 待ち受けている だろう それでも 世直しの
為に 一行は だびを 続ける そして いつも
ご老公の 笑い声は 高らかに 響き渡るのだ




所「だび」は髭人の誤字ではなくゲーム自身の誤字である。(最も間違っちゃいかん所を間違っているなぁ…)

しかし…荼毘に付して高らかに笑うのか…
しかも、そのメッセージ出ている時、満面の笑みを浮かべる水戸黄門と
微笑む助さん格さんの1枚絵が出ているんだよな。
きっと火葬している悪人を眺めているのだろう…

助さん「悪人はやっぱり良く燃えますね~ご老公!」
格さん「ヒャッハ――!汚物は消毒だ~。なんちゃってね~ご老公!」
黄門「ハッハッハッハッハッハ!!」

いくら対象が悪人だとしても…
この人たちとは絡みたくないわ…

助さん「ん?我々をディスる小悪党がいるようですよ。ご老公!」
格さん「捕まえてそいつも荼毘っちゃいましょう!」
髭人「ちょ!ちょ!待って!」

捕まる髭人

髭人「い、今のはちょっとした出来心だったんです!本心ではありません!」
助さん「いかがなさいます?ご老公」
格さん「お許しになります?」
黄門「ハッハッハッハッハッハ!!ダメ。ハッハッハッハッハッハ!!」
髭人「誰かお助け――――――――!」
黄門「ハッハッハッハッハッハ!!これにて一件落着!ハッハッハッハッハッハ!!」
髭人「ご老公、その台詞、『遠山の金さん』ですよ(笑)」
黄門「!?」
助さん&格さん「プッ!」
黄門「////。笑ったお前ら、荼毘るわ!全員荼毘る―――!!」
髭人&助さん&格さん「そんな―――――!!」

『水戸黄門』レビュー








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