髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

「自転車旅行日記 by 髭人」 ~新潟編 4日目~

2015-08-02 21:00:12 | 自転車旅行日記
ここ2日間と同じけだるい朝。
ボンヤリとしながら取りあえずテレビをつけて天気予報でも見てみようとチャンネルを動かす。

「アアン!アン!アァン!」

髭人「○ね…」

朝だから昂っているという点はあったが全身からあふれるだるさから来る苛立ちは肉体の状態とは別の反応を示した。

気を取り直してニュース番組にチャンネルを合わせ、天気予報を見る。
前日に天気予報では雨であった。降水確率70%…
当日、天気予報は見事に当たった。空気を読まない70%…

その日の予定は1日周辺を過ごす事だった。
昔、住んでいた地域を1日で再体験という訳だ。
夜はまた友人と話すと言うつもりだった。

進まなければならないと言う目的が無い以上、雨が降ってもあまり支障はないというところなのだが…
1日中ホテルでじっとしているというのは時間の無駄と思えた。
朝が午前6:30ぐらいに起きてゆっくり準備する。
一応、8時過ぎに友人がアパートに出るから、そこに合わせて行けばいいというところであった。
別に行かなくてもいいんだけど何となく面白そうだからね。8時前にカッパを着て出発する。
ちなみに追加料金は無かった。アダルト専用チャンネル見放題?

時間から言って朝食を買う時間があったのでコンビニで弁当を買って友人宅前で待つ。
なかなか出てこなかったので

「雨が凄いから早めに出た方が良いよ」

なんて電話を入れる。
それから少しして出てきたときに、自分の姿を見て驚いていた。
俺がくるとは思わなかったと言うより、カッパは青いから上下青い姿の男に驚いたのだろう。(完全に不審者)
写真をパチリと取って、俺は近くの無人駅で買った弁当を食べる事にした。

にしてもその無人駅で驚いた事がある。券売機がついていたのだ。
電車には住んでいた時にお世話になったのだが俺が利用していた時期は「乗車利用証明書(合っている?)」の発行機だけがあった。
「乗車利用証明書」なんて漢字ばかりで物々しいが簡単に言えばこうだ。

その機械にはボタンがついているのでそのボタンを押すと、1枚の紙切れが出てくる。
それにはその駅名とボタンを押した日付と時間が書かれている。

これを持って降りる駅で駅員に見せる事でその区間の料金を支払うのだ。
だから下車する駅が無人駅だとそこにあるポストのようなものに運賃を入れるわけだ。
電気制御されたものではない。ただの箱にしか過ぎない。金を払わずとも咎められる事は無い。(犯罪だからやっちゃダメ!絶対!!)

むろん電車の乗車中に乗務員が確認にくることがのでそこでは料金を支払わなければならない。
客が車両に入ったことは確認しただろうしな。

券売機がついたからと言って100%料金が取られるって訳じゃない。
いくら券売機が置いてあっても、駅員が入るようになったわけではない。
乗る駅も降りる駅も共に無人駅ならば確認される事も無いから、料金も取られないで済む。
但し、乗務員に切符の提示を求められた場合、バレる。
すると、周辺の1日乗り放題の券を購入させられるそうだ。
いろいろと犯罪めいたことを言ったが券売機があるのだから無賃乗車せずちゃんと買えって話である。

券売機を見て時代の移り変わりを少し感じつつ…
と、そんな雨が物凄く降り、雷も時折鳴っている。
俺はびしょびしょになった靴下を脱いでそこで朝食を取った。
雨をぼ~っと見ていると午前9:30ぐらいに少し雨が緩んだ気がしたので出発した。
燕三条のネット喫茶である。走っている途中で猛烈な雨に降られて、橋の下に避難。
中を確認してみるとリュックの中はびしょびしょ…カッパは持っていたがリュック用カバーは持っていなかったからだ。
コピーした地図なんかボロボロになった。

「ああ~なんで今日が雨なんだよ!」

まぁ、旅行期間中なら何時の日であっても文句を言うんだろうが…
で、休んでいる時に

「あ、今日のホテルに電話をかけておくか?」

と、電話をかけた。まず、5000円以下の2軒である。しかし、午前中にも拘らず既に満室だという。
仕方なく、同じ所で泊まる事にして、連絡すると部屋は空いているのだそうだ。少し雨宿りをしている最中、
仕事中の友人にメールで

「雨が酷いから、ホテルのアダルトチャンネルでも見てよっかな?」

なんてメールを入れた。まぁ、雨だからって新潟に来て、エロ番組見て1日を潰しましたなんてなったら、
笑うに笑えない思い出になりますがね…
雨が少し弱まった所で再び移動し、ネット喫茶に着いた。時間は10:30。
11:00から平日ランチサービスタイムがあるそうで、ネット1時間と昼食1品をあわせて610円になるのだそうだ。
通常、ネット1時間は480円であるから、1品が230円って事でお得なのだ。
ネット喫茶の下のお店で30分ほど1時間を潰して、それからネット喫茶へ…
昔、更新していた自分のHPに行ってみたものの、掲示板などに反応は無いのでちょっと寂しかった。(自意識過剰なだけです)

だが、当たり前だわな。誰にも何も言わなかったんだから…とりあえず1週間消えるとしか書いてなかった。
常連さんに対してのサプライズのつもりだった。帰ってきてから

「髭人さん、自転車旅行に行っていたの?」

みたいなリアクションを欲していたから

そんな所で、焼肉ピラフを食べる。
所詮、ネット喫茶で出すようないかにも冷凍用を温めましたってだけの代物なので別段書くこともない。

漫画を読んで、1時間が経過したので店を出て、近くのゲーセンでちょっと時間を潰そうと思った。
この判断が後々まずったね。高々1年後でゲーセンの様子など変わりようも無く、
中のゲームが変わっているぐらいで配置などは殆ど同じであった。
そこでウロウロしているとドバァァァァ!!と、中まで聞こえる大雨。
外まで行くと、足首まで水に漬かるような状態で、一部深いところでは膝の所まで水位が上がっていた。

自転車のタイヤがかなり水に入っているような状態です。これでは足首は間違いなく水に漬かる。

「やべぇ…うごけねぇ…」

そこで1~2時間ぐらい足止めを食う羽目になった。
ネット喫茶で漫画でも読んでいたほうがマシだったのかもしれない。

ゲームを1度やってぼんやり雨が収まるのを待っているとピカッと光り一瞬停電した。
ゲームやっている人はこれで1回分損した訳である。店員は1回分復活させてあげたのかな?知らんけど…
それから雨は収まってきたのだが後少しで、ゲーセンが床上浸水する所であった。
しかし、水が引くには時間が掛かる。

「雨が殆ど降ってないのにこのまま待っていられるか!」

と言う事で、靴や靴下を脱ぎ、裸足で水の中に突入した。(水は不衛生なのであまりおすすめしない)
足首まで水に漬かりそれから、水を出て、靴を履く。何時もの休日を再現すると言う事で本屋に寄ってみたりした。
すると、少し空腹を感じる。やはりネット喫茶のピラフ1杯程度で俺の腹を満足させる事は出来なかった。
他に何か食べようと思って、比較的価格が安い燕三条駅、構内の立ち食いそば屋で冷やしうどんを食べた。
にしても、雨の降った量はかなりの物で、

その所為で、波が発生し、歩道を走る。俺は少し被害を受けた。
(自動車って泥はねを歩行者にかけたら罰金とかが発生するらしいよなぁ)
2004年夏に三条の川が決壊して大騒ぎになったことを思い出した。

まだ夕方前、寺泊の海に行こうと思った。
前の新潟にいた最終日、弥彦山にロープウェーで登り、寺泊の海に行っていた事もあったので…
弥彦山は曇りで景色はあまり良くないだろうということで見ようとは思わなかった。
今回、雨で時間を取られさえしなければその弥彦山にロープウェーで上がろうと思っていたが…
時間的に無理…

それから寺泊の海に向かった。雨はしなくなっていたが向かい風が結構激しく、力を込めてペダルを漕いだ。

「ああ~結局、今日1日で体を休める訳にはいかなかったなぁ…」

海に行った次は、職場にちょっと寄ってみようと思っていたのであまり時間は無かった。
時間は既に4時ぐらいだったしな…雨の所為で予定が大分、狂った。
俺が本屋なんかに行かなければ良かったというのもあるけどね。

どうにか海に着くと、かなり雨が降ったというのに、結構、海水浴客がいる。
写真を何枚か取って、防波堤の所に行き、座り込んでコンビニで買ったお茶をしみじみと飲む。

「海は何も変わってねぇな…」

と、思いながら…(髭人の脳味噌は今も変わってないかね~ )

豪雨が降った後なので結構荒れてます。その割に客も沢山いたな。
すると突如ブォーブォォーと音がする。

「何だ?」

と、思って周囲を見るが何も異常はない。
音の発生源はペットボトルであった。海風によってペットボトルの口が笛のようになっているのだろう。

「泣いているのか?笑っているのか?励ましてくれているのか?」

ただ、音が鳴っているだけなのに詩的気分に浸る。それから海を振り返る事無く立ち去った。
ちょっと自己陶酔モードに入っていたね。

『もしかして自分の後姿、カッコいいんじゃねぇ?誰か写真撮ったら渋いんだろうな~』

なんて事を一人思いながら海を後にする事にした。水着を持っていったが、海には入らなかった。
そういう気分でもなかったしな。
自己陶酔に入ってから、水着に着替えてバチャバチャと海を泳ぐというのは何となくね。
そのまま帰ろうとしていると駐車場にリュックが落ちていた。

「誰かが忘れたんだろう」

と、思いつつ、拾うとガシャガシャと何か音がする。

「しょうがねぇ・・・届けるか?」

中身を見ようとはせずに、近くの交番を探し、見つけて寄ってみた。

髭人「海の駐車場でコレが落ちていました」
警官「へぇ・・・」

そう言って、リュックの中身を空けると、残念ながら(やましいぞ)貴重品は無かった。
携帯の充電器やTシャツや目薬などが入っていた。

警官「どうします?持ち主が現れなかったらこれを貰える権利がありますが」

警官が言ったが

髭人「結構です」

と、答えた。持ち物から見るに年齢からしては若い世代。それでお礼などがあるかと考えたら、まずない。
一応、規則と言う事らしいので、自分の所の住所を書き込んだ。そして、寺泊を去った。
次に来る事はあるのだろうか?多分無いと思いつつ…それから、戻る。
めちゃくちゃ急いでいたね。既に6時過ぎという事もあって、チンタラやっていると、友人と話をする時間がなくなると…
それから当時よく来ていた道にでて走っていた。

髭人「今までここを通っていたなぁ・・・」

懐かしさに浸る。写真を数枚撮って立ち去った。
再び戻り始めたのだが、雨がざーっと降ってきて参ったね。

髭人「どうせ、すぐ止むんだろうがよ」

とかボヤきながらカッパを着ると、その声が届いたのか、雨が弱まってきた。
怒ったりする気力も無くそのまま走りつづけた。ホテルに行くまでの途中で、結構利用していた酒屋に行った。
2リットルのジュースが160円ぐらいで買えたからお得だと思って買っていた訳だ。
だからと言って今回2リットルのジュースを買う事はせずそこで純米酒を買って実家に送った。
酒屋のそばにホームセンターがあるのでそこで錆止めにと、CRCクレ5-56を買って、チェーンに吹きかけた。
自転車がかなり、雨に濡れたしな。ホテルに戻り、風呂に入った。
体を洗っておけば、その時間、話をしたり、早めに寝られると言う事を考えてだ。
そんな時に友人からメールがあって、帰ってきたらしい。
自転車で行きました。友人宅に行って、近くの定食屋に行った。

カツ御膳を食べた。ゆっくりするつもりが結構、自転車を漕いだりして疲れもあまり取れなかったので
がっつりした物を食べたくなってカツを食べました。ここのお店は、大盛りにしても価格が変わりません。素晴らしい!
と言っても、この日は、ご飯が殆ど残ってないと言う事で、大盛りに出来ませんでした(残念)。
って、大盛りの事よりも味の事を紹介するべきか?
うう~ん…舌に自信がない髭人はこれと言ってコメントはない。

お店に入ったのだが、別の客が宴会を開いているようで騒がしく店のおっちゃんも急がしそうである。
そんな状況だからゆっくりと友人と話している訳にもいかず、飯を食べたら早々に店を出ることにした。
このおっちゃんとのコミュニケーションをとろうかと思ったんだけどなぁ…残念。
やはり髭人の思惑通りには事は運ばないようで…そのまま会計をしようとすると、おっちゃんがこう言った。

「久しぶり!」

感動ですわな。それで東京から自転車で来たなんて話をすると驚いていましたわ。
当然か?俺だって友人が新潟から自転車で来たっつったら驚くだろうし・・・最後に

「また来てくれよ」

と言われた。流石に頷くということはしなかった。
自転車で来る事は無いだろうが、車であれ、新幹線であれ、新潟に来るのか?
どこでもドアぐらい金もかからずお手軽に行って帰れる代物があればいいけど、ないからねぇ
迂闊にハイって答えられないよ…(気持ちで答えておけばいいのに…当時の俺よ。)
で、友人宅で再び色々と話をしていた。お互いのこの10ヶ月間の事とか今後の事とか…
人生の事とか結構熱く語り合いましたよ。

「また来れば?」

友人が冗談で言っていたのだけど

「ないないないない!それはない!」

激しく否定しました。そんな話している物だから時間などあっという間に過ぎて11時ぐらいである。
次の日、早朝に移動しなければならないから長く話している訳にもいかない。
それで、アパートの前まで名残惜しそうに付いて来る友人。写真を一枚撮り、別れの時が迫る。
俺も出来れば、まだいたかったけどね。そう言う訳にもいかないから

「おお――――う!いいえええ――――――いい!!」

奇声を発しつつ自分の心を奮い立たせて、地を蹴り、ペダルを踏んだ。動いていく景色

「もう振り返らん!」

と、そのまま力強くペダルを漕ぎつづけた。振り返ったらまた戻ってしまいそうになったから…
辛いですわな~。
そして、ホテルに戻って、小雨に体をぬらしたし、汗も掻いたので風呂に入って寝た。
その時になって無性に空しさを感じ始めてきた。
やはり目的も達成されて後は帰るだけということがそのように感じさせる原因なのかもしれない。
しかし、もう11時と言う時間に奇声を発したのはマズかったかなぁ?
間違いなく迷惑だったよなぁ、と後になって思う。
まぁ1度だけだから許してください。車のクラクションみたいな所で~


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