髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

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天使の吐息 #23 Ver1

2009-09-07 20:34:04 | 天使の吐息(詩)
2日ぶりに学校に行く小学校高学年の少年がいました。

2日間、風邪で休んでいたのです。

学校に着いてクラスメートの様子の異変に気付きました。

「おはよう」

「お、おはよう」

そのように答えるのですが何かぎこちない。

「どうしたんだよ?」

「いや、別にな・・・ちょっと俺、トイレ行くわ」

近づこうとするとみんな避けているようでした。

そう。ここ最近、インフルエンザが流行しており、みんなマスクをしていました。彼もまたマスクをしていたのですがそれでも、みんな彼が近づくだけで離れていきます。

「俺はインフルエンザじゃねぇよ。ただの風邪だって」

「そりゃ、分かるんだけどな。ウイルスって目に見えないしよ」

授業もあって、それから体育の時間のプールになりました。

まだ病み上がりだから今日は休みなさいと母親に言われて休む事にしてプールサイドで座っていました。

「つまんねぇの」

ヒュウ

すると他にクラスの女子の一人も座っていました。

「どうして休みなんだ?」

「えぇ!?それは!」

その女子は一瞬、信じられないというような顔をしました。

「お前も風邪なのか?」

「あ!そうそう。私も風邪。私も風邪」

「全くみんな、ひでぇよな。ただの風邪だってのにインフルエンザって決め付けやがってまるでばい菌扱い」

「そうだね。言われていたよね」

「お前は、そんな風じゃなかったから良いよな。でも、今、プール休んでいるから言われるぜ。きっと」

「私も?」

「多分な・・・」

みんな楽しそうにプールではしゃいでいます。

「ああ~。プール楽しみにしていたのにな・・・お前もプールに入りたいだろ?」

「うん。泳ぐの好きだから、見ているのって結構、ツライ」

「だよな?でも、今月はまだプールの授業があるから次に入ればいいか?次になる時は体調も万全だろうしな」

「うん」

プールの後、彼が言ったとおり彼女も避けられているようでした。ただそれが男子だけだったのは不思議に思いました。


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