髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

「ケルナグール」 レビュー (ファミコン)

2013-11-15 19:00:09 | ファミコンレビュー
正式名称は「天下一武士 ケルナグール」
対戦アクションゲーム
ナムコから発売
1989年7月21日発売
「ゲームセンターCX ~有野の挑戦~」プレイソフト(#182)


点数は30点

良い点
・タイトルの語感の良さ
・ぬるぬる動く

悪い点
・初期の動き
・動作がもっさりしすぎ
・地味
・わらしべゲー
・アイテム1つしか持てない
・小屋多すぎ
・演出過少


良い点の解説
・タイトルの語感の良さ
「ケルナグール」
なんという単純明快なタイトルであるのか!
でも、それがどんなゲームであるかすぐにわかるし非常に語感がいい。
このタイトルを考えた人は物凄く神懸かっているわ。
ただ、調べてみたら
「戦国魔神 ゴーショーグン」のキャラクター
「ヤッター・ラ・ケルナグール」から由来するという話。

・ぬるぬる動く
ファミコンの割に非常によく動く。
というかこのゲームの8割~9割ぐらいが格闘に集約しており
この格闘部分と独自世界観に馴染めないようなら
自分のように評価は著しく低くなるだろう。

悪い点の解説
・初期の動き
歩いてパンチのみ
ジャンプもしゃがみどころか蹴りすら打てない。
寺などで技を次々に覚えていくがいくらなんでも弱すぎるだろ?

・動きがもっさりしすぎ
ファミコンだから仕方ないというところなのか歩きも攻撃ももっさりしすぎ。
スピードの実を入手することで軽減するけど…

・地味
攻撃当てても大した音ではなく

「ポコッポコッ」

という感じ。
動きは豊富ではあるもののド派手な技もないし
キャラが攻撃をしても受けても表情が変化しないし
動きもっさりした事もあってかゲーム自体が非常に地味に感じる。


・わらしべゲー
わらしべ長者的ゲームである。
わらしべ長者って何って?わらしべ長者とは昔話で
初め「わらしべ」を持っていた若者が会う人に

人A「わらしべ持っているの?俺がもっている○○と交換してくれないか?」
主人公「いいよ」
人B「○○持っているの?私が持っている△△と交換してくれませんか?」
主人公「いいよ」
人C「△△持っているの?ボクが持っている□□と交換してくれない?」

こんな感じで貧乏な若者が最終的に大金持ち+嫁さん持ちとなる話だ。
このゲームも同じでそんなわらしべイベントが多過ぎるというかそれしかない。
次から次へとおつかいに行かされ…飽きる!

・アイテム1つしか持てない。
そんなわらしべイベントが多いのに、1つしか持てないってひどすぎるだろう。
並行してイベントを進めることができず
何をやってどこで何が必要なのか攻略本やサイトに頼るか
自力ならきちんと網羅しチャートでも組み立てないと
まともにパワーアップできないだろう。

・小屋多すぎ
わらしべゲーである以上
メモするなら

「この町に○○をほしがる人がいる」「××をくれるひとがいる」

という要領で書くだろうがこのゲーム、アホみたいに町とは関係なく小屋が点在する。
勿論、小屋でモノをくれる人がいるからフィールドを描きマッピングする必要がある。
その割にマップがそれなりに広いので模造紙に書く必要すらあるかもしれない。
小学生の自由研究でもをさせる気か?

・演出過少
良い点で書いたが格闘に重きを置いているゲームなので
修行モードでの演出はほとんどない。
何もかもテキストで乗り切ろうとする姿勢は潔いという風にも感じた。
後、エンディングについて「演出過少」でつながる部分ある。
これは下部の「ネタバレ」で明かそう。


良い点で言ったとおり、語感の良さは異常である。
一度聞いたら忘れられないと思うわ。
まぁ、「戦国魔神ゴーショーグン」の敵キャラと同じである。
が、そのゲームの内容について評価はあまり聞かないのは仕方ないか…
良作wikiに載っていたけど俺には到底理解できない代物である。
(俺が下手すぎるだけ?)



初期のパンチのみは悲しかったわ。

くにおくんシリーズの「ダウンタウン熱血物語」と比較しよう。
初期でもくにお君なら
パンチ、キック
ダッシュ、ダッシュパンチ、ダッシュキック
ジャンプ、ジャンプパンチ、ジャンプキック(ダッシュの組み合わせ可能)
物持ち、物殴り、物投げ、人持ち、人殴り、人投げ。
(いずれもダッシュ、ジャンプの組み合わせ可能)

ケルナグールは
パンチのみである。(物は出てこないし)

移動速度がスピードアップしたり
(走るという動作ではなく歩くという等速でスピードアップ)
ジャンプしたり技も覚えたりなどパワーアップ出来るけど
やっぱり全体的に地味で
くにおくんの「まっはきっく」「すくりゅう」などの大技に劣る。

だから「ダウンタウン熱血物語」のタイトルを本作風にするのなら

「ケルナグールハシールタタークナゲール」

という長いタイトルとなる。

ってゲームに出てこない「くにおくん」と比較しても仕方ない。
「ケルナグール」の独自要素の話をしよう。


このゲーム。わらしべゲーから来る作業感は常軌を逸している。
RPGと言ったら良くある事だが良いRPGは演出がそれをカバーしている。
例えば「ドラゴンクエストⅢ ~そして伝説へ~」なら序盤
盗賊の鍵を取ったら様々な扉を開けられるようになり世界が広がる。
それで盗賊の鍵で開けた所で魔法の玉をもらい、洞窟の壁に仕掛ける事で、ドカンと爆発する。
そういった小さいながらも演出で作業感を軽減してくれる。

だが、このゲームには皆無だ。ただテキストが表示されるだけ。

「○○を届けてくれてありがとう。お礼に××をあげよう」

そんな感じだ。
他にも出てくるキャラとの人間関係が進行するわけでもないしな。
例えば、イベントこなしたら主人公を好いてくる女とか
ライバルが出てきたりとか一切ない。
イベントこなしたら終了である。
寂しい…


「へんげのつえ」「ちいさなメダル」など「ドラゴンクエスト」などを
パロッたアイテムも出てくるが持っているだけで主人公が使うことはできない。
ただのわらしべアイテム(というか文字列)に過ぎない。
こういったパロディ等を多く用いた世界観に馴染めなければこのゲームは辛い。
というかゲーム製作者の自己満足するだけのイベントじゃないの?

それににても敵の間合いの取り方が上手いのか何なのか…
こっちの移動や動作が遅いからか攻撃していても当たらないのに
こっちはポコポコと地味な音で
攻撃が当たらず敵もこちらも無表情、一方的にボコられて、
パーフェクトで敗北することは1度や2度どころではなく多々発生する。
敗北ペナルティはほとんどないもののイラつく。

「ケラレルナグラレール」

じゃなぁ…
(ゲームセンターCXの「有野」氏もプレイ時に似たような事を言っている)
「純粋にカンフーを楽しみたい人」だけのゲームと言えるだろう。


ここからネタバレ




















悪い点の「演出過少」の続き。
このゲーム、敵を倒してもエンディングになることはないのだ。
城が7箇所あり、そこでの敵を倒していくことにより
1文字ずつパスワードを教えてくれる。
全部合わせると

「とおますないと」

となる。
それで、パスワード画面からその7文字を入力すると
なんの脈略もなく説明などもなく突然スタッフロールが流れる。
黒背景にスタッフが流れるという描写だ。

それだけである。

7文字はどのキャラを選んで城の敵を倒しても共通なため、

「○○が最強の拳士となった」

などという固定文章すらない。
では、城7箇所を攻略したあとはどうなるのか?
戦いは延々と続くのだ。その際、登場キャラの台詞はほとんど変わらない。
それで自宅の隣の家で筋斗雲がもらえるようになり水辺の上を飛んでいると
声をかけられる。

「タオタイラー」

という敵が裏ボスみたいのが出てくる。
戦ってもBGMは変わらんし、敵が強いというだけで面白味は欠ける。
流石にプレイするのに限界がきていた髭人は
1度やられて挫折して動画で撃破するのを見たのだが、一言

「また戦おう」

というような事を言うだけで何も変わらないようだ。
サウンドテストとかの特典などもない。
裏ボス倒しというただの自己満足イベントだ。

…。


このレビュー最後に言っておこう。
このゲームには「フリオニールの墓」が出てくる。
FFⅡの主人公の名前である。
この当時、他作品のキャラの墓を出すのが少しあった。

「リンクの冒険」→「勇者ロトの墓」
「ファイナルファンタジーⅠ」→「リンクの墓」

そんな小さな流行に対して
このゲーム、「フリオニールの墓」の他にこんな立て札がある。

「勇者の墓はめぐりめぐる ロトしかりリンクしかり」

そんなメッセージを残しておいたんよね。
きっとスタッフはこんな事を考えていたんじゃなかろうか?

スタッフ「『フリオニールの墓』とか『勇者の墓はめぐる。ロトしかりリンクしかり』
 なんて挑発的なメッセージを出したんだから
 他メーカーはきっと『タオタイラー』の墓を出してくるに違いない(笑)」

ケルナグール 1989年7月21日発売



「ドラゴンクエストIV ~導かれし者たち~ 1990年2月11日発売


スタッフ「あれ?『タオタイラー』の墓は…
 ないな…
 そりゃそうか!
 発売して半年ぐらいだもんな!
 それにエニックスは相手の墓なんて出したことないしな!」



ファイナルファンタジーIII 1990年4月27日発売


スタッフ「あれ?『リンクの墓』を作ったスクウェアが…
 何故『タオタイラーの墓』を出さないんだ?
 まぁ、製作期間がこっちのケルナグールの1年も経ってないもんな!
 多分間に合わなかったんだろう!」



スタッフ「スーパーファミコンから『ゼルダの伝説』が発売される!
 初めに『リンクの冒険』で『勇者ロトここに眠る』なんて
 喧嘩を売ったゼルダシリーズの続編!

 出る出る『タオタイラーの墓』~
 出る出る出る出る遂に出る~♪」

ゼルダの伝説 ~神々のトライフォース~ 1991年11月21日発売


タオタイラーの墓はなし… 

スタッフ「………」




めぐりめぐらなかったね。




これじゃ「ケルナグール」というより「スルーサレール」という所で…(合掌)

ポコッポコッポコッポコッ…




「敗北」







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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (オツキちゃん)
2020-01-25 22:44:25
このレビューには断じて同意できな~い!
コマンドが一切無い、AとBを押すだけで済むRPGモードは通常のコマンドRPGに飽きた人にはむしろ斬新!
ひたすら広いマップを手探りで進める感は今のオープンワールドゲームに通ずる。
最初にパンチしか出来ない時間はほんの1~2分間だけ。徐々にに成長していく楽しみ!
お使いクエストも単純明快なシステム故に、慣れてしまえばパズルゲームを解くが如く。
バトルに関しては、くにおくんと比較していたが、このゲームには上中下段の概念が有り更には背面攻撃の概念も有る、それがくにおくんには無いリアルな駆け引きを生むのだ!それは後のストリートファイターにも通ずるのだ。
対戦モードでは、RPGモードで出て来た敵と、対戦モードの専用キャラ、パスワードでRPGモードで育てた自分のキャラも使って対戦できる!最強最大まで育てる必要はない。あえてジャンプ力を最低にしたり、スピードを遅く育てたり奥義を覚えなかったりしてキャラに個性を出して育てるのも面白い!

上記の点を鑑みると筆者のレビューは大いに間違っていると言えるのだ~☆
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正否 (髭人)
2020-01-25 23:47:06
オツキちゃん殿
コメントさんきゅ~です。

私のレビューが正解か間違いかは
読んだ方、人それぞれでしょうね。

エンディングをみる所までプレイしましたがレビューに書かれてある通り格闘部分と独自世界観に馴染めなかった私には「ケルナグール」に対してこの評価から何も変わりません。
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