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違いを楽しむ

2017-03-15 12:00:34 | お話
💕💕違いを楽しむ💕💕


初めて渡米した1956年のクリスマスのことです。

私は、ギャラリーの女主人、画家夫婦とともに、ある家庭のクリスマスディナーに招かれました。

夫はスペイン系の彫刻家、妻は英国人の記者、

お二人の間には子供がいました。

食卓には、メインディッシュの大きな七面鳥が供され、

続いて、デザートに、ブランデーで炎を上げたクリスマス・プディングが出されました。

プディングの中には、紙に包まれたは25セントのコインが入っているとのことで、

切り分けて、誰にそのコインが入っているかで、運を占いました。

コインは私の中に入っていました。

私はみんなから口々に祝福され、

「こうしたクリスマスの祝い方は、妻の祖国である英国式である。

来年は僕のスペイン式でクリスマスを祝うことになっており、

毎年、交互にしている」

と夫に説明されました。

その言葉を聞きながら、

私は、どちらか一方の文化に従うのではなく、

お互いの習慣を尊重して、ともに楽しもうとする家族の姿に、深く感心しました。


また、これはニューヨークのある一流ギャラリーのオーナーが自宅で開いたパーティーでのことでした。

集まった人たちは、国籍もさまざまなら、服装もバラバラでした。

著名な上流彫刻家は、白いタフタのイブニングドレスをまとって、

裾から背中まで、泥をはね上げてやって来ました。

その夜は雨だったのですが、車からわざわざ降りて、

セントラルパークで泥をはね上げ、泥模様をつくってから来たと、私に言いました。

そうかと思うと、頭のてっぺんからつま先まで、グレーのシルクで全身を覆っている女性もいました。

見えるのは両目とおへそだけ。

彼女はある国の大使の娘で、一流ファッション誌のモデルをしていました。

タキシード姿の若い男性を伴っていました。

また、スペイン系の人なのでしょうか、黒のジョーゼットのブラウスを着た中世の騎士のような姿の男性もいましたし、

カジュアルなジーンズ姿の人もいました。

このように、さまざまな人種、文化、習慣を持つ人々が集まるニューヨークでは、何でもアリ。

お互いに文化を持ち寄っているので、

なにがいいかなんて決めつけることはせず、

違うことを面白がっている。

こんな楽しい街はない、と私は思いました。

影響を受けることも、それによって変化することもいとわない。

いつも新しくなにかをつくろうとしていました。

オーナーはというと、1人になりたい人は壁に向かってどうぞ、

と椅子を全部壁面に向けておいた部屋を用意していました。

パーティーの趣旨とは真逆なはからいでしたが、みんな面白がっていました。


(「103歳になってわかったこと」篠田桃紅さんより)