日々雑感

変化の激しい世の中です。日々思うこと、感じたことの雑記張です。

法人税と社会保障

2010年02月12日 | 日記
日本の法人税は高すぎる。大幅に引き下げないと国際競争力が
なくなる、といわれます。

各国の法人税率を単純に比較すると、日本30%、アメリカ35%、
フランス33.3%、イギリス28%、ドイツ15%、中国25%、韓国22%
等です。地方税を含めた実効税率は、日本40.69%、アメリカ
40.75%、フランス33.3%、イギリス28%、ドイツ29.83%、中国25%、
韓国24.2%等で、日本はアメリカと並んで高いほうになります。

しかし、日本の大企業には各種の優遇税制があり、実際の税負
担率は自動車、電機、製薬などでは30%前後になっているよう
です。

さらに、社会保険料の事業主負担等もあり、財務省の試算でも、
大企業の公的負担は、フランスやドイツは日本の1.2~1.3倍に
なっているとのことです。

多くの大企業がヨーロッパに進出して儲けているのに、日本の
税金だけが高いという理屈は通用しないでしょう。「海外に逃
げてしまう」と脅して、税負担を逃れる口実に過ぎないようで
す。そして賃金は下がり続けているのに、大企業が大儲けをし
てきたのは事実です。

一方では、「消費税で社会福祉を」という主張を政治家やマス
コミがします。「スウェーデンが高福祉なのは高い消費税に支
えられているからだ」といわれます。確かにスウェーデンの税
率は25%と日本の5倍です。しかし税収に占める割合は日本14.7%
に対し、スウェーデンでは24.6%と2倍以下です。これは食料、
新聞、映画、旅客輸送など幅広い軽減税率が行われているから
です。

社会保障費にしめる消費税の割合は、日本8.6%、スウェーデン
12.3%で、大きな違いはありません。スウェーデンの福祉を支え
ているのは、半分が社会保険料でその8割が事業主負担です。

OECDの統計では、勤労者の所得で計算した貧困率は日本16.5%、
スウェーデン16,2%と同程度ですが、税金、社会保障による所
得再分配後では、日本13.5%、スウェーデン5.1%と大差が出ま
す。低所得者ほど負担の重い消費税で、社会保障を充実させる,
という議論のごまかしが、ここにあります。


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