ナスダストラップ

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T内

2014年09月30日 | T内
「サイエンスZERO ついに出た!? 夢の“量子コンピューター”」を見ました。


カダナのD-Wave Systemsが量子コンピューターを市販しているそうです。
マジか。


通常のコンピュータでは情報をビットで表現し「0」か「1」のいずれかを表しますが、
量子コンピュータは情報の表現に量子ビットというものを使います。
量子ビットは「0」でもあり「1」でもあるという重ね合わせの状態にあります。

例えば10量子ビットを重ね合わせの状態にすると、
2^10=1024通りの全ての0と1の組み合わせが重ね合わされていることになります。

D-Wave社は既に512量子ビットの量子コンピューターを市販しているということで驚きました。
というのは、僕がたまに目にする量子コンピューターのニュースは
ほんの数量子ビットを僅かな時間だけ維持したというものばかりで
512量子ビットも実用に耐えうる時間動作させるのはだいぶ先の話かと思っていたからです。

これには仕掛けがあって、D-Wave社が実現した方式は
一般的に研究されている万能ゲート方式ではなく量子アニーリング方式というものだからです。
万能ゲート方式は現在の半導体回路をそっくり置き換えるもので、
汎用性が高いものの状態が不安定で多数の量子ビットを長時間動作させることは困難です。

それに対し量子アニーリング方式は、汎用性が低く解ける問題が限られますが
状態が安定しているため多数の量子ビットを長時間動作させやすいのです。
具体的には組み合わせの最適化問題を解く事が出来ます。

D-Wave社の量子コンピューターが本当に量子コンピューターなのかは
まだ議論があるようですが、D-Wave社が1024量子ビット、2048量子ビットの
コンピューターを作ればはっきりするでしょう。

量子アニーリングで素因数分解を高速化するアルゴリズムは見つかっていないらしいので
RSA暗号はまだ安泰っぽい。