域際収支からみた地域再生に関する一考察
http://www.econ.keio.ac.jp/staff/tdoi/c200501_2.pdf
・・・・・・。(考察中)
域際収支とは地域間のお金のやり取りを表わす指標である。
地域-地域間の貿易収支に相当するもので、
一般に地域の単位は都道府県など国よりも小さい場合が多い。
域際収支がマイナスということはその地域からお金が逃げている
ということであり、大幅なマイナスは良くないと言える。
このレポートでは、
日本を北海道・東北・関東・北陸甲信越・東海・近畿・中国・四国・九州・沖縄
の10地域に分けて域際収支の推移を示し、
域際収支の赤字や黒字が固定化してると指摘している。
具体的には関東・東海・近畿は大幅な黒字で、北海道・沖縄は大幅な赤字である。
やっと分かったが、どうも地方の公共事業にお金を出すというのは、
域際収支の不均衡を是正するという意味があったみたいだ。
人材や投資は都市部に集中するので、地方の域際収支はマイナスになりやすい
これを是正するために公共事業によって都市部から地方へお金を流すわけだ。
高い経済成長が続いていればこの構図も続いたかもしれないが、
低成長の時代になり域際収支の不均衡を是正するほど財源がなくなったので、
財源も権限も移譲するから自立してくれというのが政府の考えなのだと思う。
いわゆる三位一体の改革はこれを実践する改革らしい。
今までの地方への投資が自立支援ではなくその場つなぎの公共事業だったことが悔やまれる。
このレポートでは(食料・エネルギー・人材・価値観など、あらゆる意味で)
自給率を上げて自給自足的な地域社会を構築することは非効率であり、
地域の競争力をさらに低下させ縮小均衡のスパイラルに陥る可能性が高いと指摘している。
たぶんそうだろう。
いくら自給自足を目指しても、生活水準を大幅に引き下げない限り
外部とかなりの貿易をせざるを得ないから。
そして貿易をするということはお金が逃げていくということだ。
レポートでは、この状況を打破するために大胆な選択と集中を行い
地域の競争力を高め域際収支を改善するべきであると指摘している。
まぁそうだろう。
しかし言うは易しである。
つづく