平家琵琶定期演奏会予定 平家物語探訪第26回 3月6日(日)午後2時始 秋山良造
於 : 東京四谷石響サロン101
曲句 : 巻十 屋島院宣 ・ 巻十一 弓流
一の谷の陣地はあっけなく陥されてしまい、平家公達の大半が討死する。平家は西国屋島の 内裏へ退いた。
今回は屋島に関する二曲句を語ります。
「屋島院宣」 一の谷の思いもせぬ敗北に苦汁を舐め乾かぬところへ、後白河法皇から院宣が届く。 それは一の谷で生け捕られた平重衡と三種神器との交換取引を強要するものである。朝廷側は次代天皇を擁立したが、継承の御印である三種神器が無い。平家側も安徳帝を固守するためには絶対に渡せない神器である。今回は、その交換要求文の曲句を語ります。 仏教声明を根源とした散しという独特の旋律です。
「弓流」 一の谷から一年経過、源氏軍は再び平家追討へと動く。義経勢は暴風雨を突いて、一夜にして鳴門海峡を渡り四国阿波へ上陸。屋島へ向かう。屋島内裏を奇襲焼き払う。 物語は那須与一が扇の的を射た直後から始まる。平家から称賛の舞が行われる。与一はその男をも射殺す。両軍入り乱れての戦いとなる。そのとき義経は弓を海中に落とし必死に拾い上げる。 弓一張を必死に拾わねばならない、源氏血統を引く武人の確固たる思いを描いた段曲句です。
今回は、表白文・合戦場面、歯切れの良いリズムで楽しめる両曲句である。