山の頂から

やさしい風

落とし文

2008-06-07 07:00:16 | Weblog
 ナラ、クヌギ、クリなどの葉さきがくるりと巻かれて、
地上によく落ちている。これはオトシブミという小さな甲虫が作った巣。 
季語の「落とし文」はオトシブミの作ったその巣のことであり、
ことに落ちているものを指す場合が多い。

   「音たてて落ちてみどりや落(おと)し文」(原石鼎)

   「落し文ありころころと吹かれたる」(星野立子)

   「手にしたる女人高野の落し文」(清崎敏郎)

 落とし文とは、公然とは言えないことを匿名の文書にして路上などに落としたもの。
季語の「落とし文」は、虫の巣をその落とし文に見立てたものだが、
この巣を昔の京都あたりでは、「ほととぎすの落とし文」と呼んだらしい。

                (毎日新聞・新季語拾遺より) 
******************

 今まで気付かずにいたのですが、散歩道の足元に転がっていました。
「オトシブミ」という昆虫が、栗や桜、楢、樺などの広葉樹の葉を巻いて巣を作り、
卵を産み付け、孵化した幼虫はこの葉を食べて育つので、
この巣のことを「落とし文の揺籃(ようらん・ゆりかご)」というそうです。

 巻いた手紙の形に似ているので、
「時鳥(ホトトギス)の落とし文」とか、「鶯(ウグイス)の落とし文」とよばれたとか。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿