山の頂から

やさしい風

生かされている・・・

2008-05-28 04:24:31 | Weblog
お子さんに「何のために生きるの?」と聞かれたら、
 「誰かを幸せにするために生きるのよ」と答えてあげて下さい。

           <瀬戸内寂聴・名言の中の一つより>

 若くて美人、聡明な女子元アナウンサーが自殺した。
周囲の関係者の驚きと悲しみが報道されている。
写真で見る限り、何が不足なの!?と、全くの他人でも思ってしまう。
才色兼備、ご両親にとっては自慢の娘であったろう。
それゆえ、その悲しみは想像を絶することと思う。
彼女が存在するというだけで親は≪幸せ≫を感じていたであろうに。
決して死者に鞭打つつもりはないが、聡明で美人な女性の心が知れない。

 この世に一人で存在するわけではない。
その人間の存在には、あらゆる意味がある。
神様から貰った命。生かされているのだ。

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 ゲーテというと、「天才中の天才」のイメージが強い。
才能、地位、財産、名声、健康、すべてに恵まれ
何か、平凡人とは、かけ離れた超人のような感じがするかもしれない。  
 しかし彼は、弱点も多い「人間らしい人間」であった。  
彼が、五人の子どもを全員、自分より早く失っていることは、あまり知られていない。
「子ぼんのう」の彼にとって、それは重大な打撃であった。
丈夫に育ったのは、長男だけであった。  
 生まれたばかりの子どもが死ぬたびに
「平生は、あれほど沈着なゲーテが、殆ど気が狂ったのかと思うほどにとり乱して
大声で泣きわめきながら、床の上をころげ廻」ったと伝えられている。
 その長男も、四十歳の若さで急死してしまった。ゲーテが八十一歳の秋であった。
このときばかりは、さすがに打撃が大きすぎた。
     
 ゲーテは、どうやって、この苦しみを乗り越えたのか?
それは、使命に、「働く」ことによってであった。彼は「行動の人」であった。  
 「精神の悩みを癒すには知力では役に立たない。
理性もあまり効果がない。断固たる『実行』のみが一切を為す」  
 この信条に従って、彼は、悩みや苦しみがあるたびに
全力で使命に打ち込み、自分を立て直した。  
 「勇気を出して、元気よく働け!」と自分に言い聞かせた。  
「勤勉であることは人間の第一の使命なり」
「人間にとって、最初にして最後のものは、勤勉である」と。  
 「忙しい蜜蜂は、悲しむひまがない」という言葉があるが
彼は何があっても、くよくよしなかった。
(『ゲーテとの対話』山下肇訳、岩波書店)より抜粋

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     【人生において重大なのは生きることであって、生きた結果ではない。】

 ゲーテの言葉である。
どう噛みしめるか。
生きてみるのは決して悪くはないと思うが ・・・


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