とことこやってきた、はとちゃんに
「ここにおいで」と、手のひらを
むけると、はとちゃんは
ぴょんと、乗ってきます。
はとちゃんが乗った、手のひらを
肩のほうに持っていくと
ぴょんと肩に乗り移ります。
しばらくして、手のひらを
肩のほうに持っていき
「ここにおいで」というと
ぴょんと手のひらに戻ってきます。
「はとちゃんは、言うことが
分かるんだね」
ほんとうに感心します。
はとちゃんは、指で追いかけると
とことこ逃げていきます。
デスクの端のほうで、私の様子を
うかがっています。
指で追いかけるのをやめるのを
確認すると、またやってきます。
このこうぼうをなんども
繰り返します。
はとちゃんがやってきて
指で追い返さないと、私を見上げて
「なんでやらないの?]
と、言うように、さいそくしてきます。
はとちゃんは、私がデスクに
座っていると、デスクの上に
やってきます。
私がパソコンを操作するのを
じゃまするためです。
はとちゃんが、パソコンに
近づいてきたので、二本の指を立てて
とことこ追い払うと、はとちゃんは
逃げていきます。
しばらく様子を見た後、また近づいてきます。
また二本の指で追い払うと逃げていきます。
「二本の指が、こわいなんてかわいいものです。」
はとちゃんは、子供のころは、私に
ひっつきぱなしでした。
とにかく、私が親ですから
ひと時も離れたくないのです。
私が一人でトイレに行くと
ドアーの前で待っているのです。
「はとちゃん、そんなに心配なんだね」
それからは、トイレに行くときは
はとちゃんを肩に乗せて
行くことにしました
小さい子供が、ママのスカートを
つかんで離さない、あの状態です。
野性の、はとちゃんが
「こうもなるのか」
と、不思議な気持ちになりました。