いよいよ始まった新しいシリーズ『空に記す』。
おかげさまで、好評のようで嬉しい。感謝!
今年は『白バイ野郎ジョン&パンチ』がアメリカで放送されてから、40周年だそうだ。
こんな節目に、吹き替え担当のお二人がラジオドラマで名コンボ復活。
実はこの企画、ちょっとした雑談から生まれたものだった。
昨年放送された最後三部作のひとつ『ラストシーーン』の収録の合間に、古川登志夫さんと田中秀幸さんが『最後の言葉』について語ってた。
その時に「二人でバディものをまたやりたいね」「ジョンパン復活!?」と盛り上がっていて、それが現実となった。
丁度僕も、長期シリーズ化出来るものを考えていて、この頃から構想を練っていた。
そして、今年に入ってついに企画が動き出し、執筆することになった。
まぁ、毎回書いているが、難産だった。推敲に推敲を重ねて、推敲回数の記録を更新した。
長期シリーズだから、設定をしっかりしておかないと、ストーリーが破綻しかねないのだ。
放送予定日が決まった。ありがたいことに2週連続で、前編はスペシャルウィークの放送。
スペシャルウィークとは、ラジオ好きの方は知っているとは思うが、聴取週間のことで、ラジオ業界にとっては大事な時期。
簡単に言うと、テレビでいう視聴率を調査する一週間で、関東では2か月に一回偶数月に行われている。
実は、去年から10月『ラストシーン』、2月『笑顔の行方』、今年に入って4月『笑顔の行方~特別篇~』、そして今月の『空に記す』と何度も担当している。プロデューサーが、力を入れてくれて嬉しい限りだ。
『空に記す』は、元々『空の記』(そらのき)というタイトルだった。二人の旅を空に記すという意味では同じだが、ラジオドラマ向きに『記す』と変更した。
そして、僕的に二つの点でやりたかったことを書いた。
まずは、旅もの。以前にも書いたが、僕は『男はつらいよ』が大好きだ。この業界も、『男はつらいよ』に憧れて入ったようなもの。いつかは、寅さんのような作品を作りたいとずっと思っていて、ついに願いが叶った。
もうひとつは、沖縄の話だ。2005年に沖縄を一人旅してから、ずっとやりたいと思っていた。劇団時代に、舞台でやりたいと思っていたが結局叶わなかった。タイミングというか、簡単に扱えるテーマではなかったので、難しかった。
後篇も、いろいろこだわって書いているので、ぜひ聴いて頂きたい。
次回は6月22日放送なので、ご注意を!!
以下ネタバレで、まだ聴いていない方はご注意ください。
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まずは、主人公の二人の名前。
矢島寛二と北川純・・・、二人はカンジとジュン。
そう、ジョン&パンチへのオマージュだ。性格も似ている。
収録の時、古川さんが「いいね、この名前」と、鉛筆でニヤニヤしながら名前のところに丸で囲っていた。
匡の息子、英が彼女の灯を市役所の前で「これが沖縄の現実」ってセリフがある。
これは、まさに僕が宜野湾市役所の前に行って感じたことだった。
セリフの通り、良いとか悪いとかじゃない。まずは現実を見ること。
市役所の前にある地図の看板。これが私達の街です、と大きく掲げているド真ん中に米軍基地。
戦争や政治になじみなく育った僕に、これは衝撃的だった。
寛二と由幸の釣り対決で、「釣りバカ日誌」ネタがある。書き始めた時「釣キチ三平」ネタもあったが、時間の都合で削除した。
また釣りが趣味である古川さんのために出来たシーンでもある。
そして、寛二が東の空を見るシーン。これも、僕の経験から生まれた。
沖縄で友達になった『かずのこ』から、「東の空を見て」と言われたことを思い出して書いた。
その時の話が、アーカイブに残っているので、読んで欲しい。
沖縄滞在記その16
最後に寛二と純のナレーションが入る。
これも『男はつらいよ』の口上を意識して書いたものだ。
「わが旅は」
「ひとつの空の下」
「今日は東から西へ」
「明日は北から南へ」
「行き行きて、道がある限り」
「行き行きて、人がいる限り」
「空に記す、わが息吹」
これから何度も使うものだから、納得がいくまで何度も書き直した。
行きゆきては、伊勢物語からヒントを得た。特に、今回の話に合っていたので引用した。
伊勢物語『東下り・すみだ河』(なほ行き行きて、武蔵の国と〜)のわかりやすい現代語訳と解説
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