らんかみち

童話から老話まで

ズッキーニの花に来世を想う

2014年07月04日 | 暮らしの落とし穴
              

 母の友だちの葬儀だというのに、母は頑として参列を拒んだ。無理やり連れて行こうと思ったけど、激しく抵抗するのでやむなく……というか、大雨の中で転ばれても困るからね、ぼくが代理で参列した。
 
「とうとうSちゃんも広島に行ったか」と、会葬御礼状を読んで母はつぶやいた。広島? あの世へ逝ったのを広島に転居したと勘違いしている? 一瞬そう思ったけど、うちの辺りで広島といえば来世のことだ。

 瀬戸内海を渡って広島に行ったら、それはもう三途の川を渡ったのと同じで、二度と愛媛の地を踏むことはない、という昔の人の距離感を大げさに表現したんだろうね。ピカドン関連の表現じゃないと思う……。

 このところ来島海峡を渡って市街の病院に通うことが多く、車で30分の距離だと近場と感じている自分に驚く。都市部に勤務していたころ、近場といえば歩いて15分から30分程度の距離だったのにね。

 広島のことはさておき、ズッキーニの雌花が咲いた。雄花もほぼ同時に咲いたけど、あいにくの雨で虫による受粉ができなかった。ということで雄花を切り取って人工授粉を試みたけど、ちょっと遅かったかも。ま、なんにしろ、新しく生まれてくるものを見るのは楽しい。