白龍のオウム・アーレフで過ごした日々

オウム・アーレフと新団体「ひかりの輪」について考える。

井上さん(アーナンダ正悟師)

2006-09-29 11:22:48 | Weblog
 富士山総本部道場で偶然出合った同郷のSさんとは、その後、一緒に行動することがしばしばあった。説法会などでは、尊師に仙台支部の早期開設を二人でお願いしたりした。ある時、世田谷に二人で修行に行くことになった。

 深夜セミナーに出てみようかということになり、初めて東京の深夜セミナーに参加することになったのだが、その時の、インストラクターが、井上さんであった。確か、書籍「イニシエーション」に載っていた人で、前生チベットの僧だったとか言う人だ。高校生で入信したと書いてあった。いやー、セミナーの指導をしていただけるなんて、ラッキーだなあと思った。

 まだ、18 、19歳位だっただろうか、少年のような顔立ちであったが、話し方はしっかりしており、丁寧であった。好青年という印象を受けた。

 その時出席していたのは、私とSさんを含め、5人であった。修行を始めて、何時間か過ぎた頃(深夜2時ごろであろうか)、突然、前のほうに座っていた、女性の方の姿勢が崩れうめき出した。声は、苦しげであり、しだいに激しさを増した。何事が起こったのかと、私達は修行をやめ、彼女を見つめた。うめき声は、ひどくなり、身体をよじるようにしてうめいている。まるで、何かに取り付かれたような感じであった。

 その様子を、じっと見ていた井上さんは、彼女の傍に近づくと、彼女の首筋に手のひらをかざした。そうしたら、あれほど激しくうめいていたうめき声が、ピタリと止んだ。しばらくして、彼女が落ち着いてきたら、話が出来るようになった。井上さんが、彼女に、「首筋が、ものすごく凝っていないですか?」と聞くと、彼女は「すごく凝っています。」と言った。「私の、右の首筋が、ものすごく凝ってるんですよねえ。」と言っていた。

 彼女が、落ち着いたところで、井上さんが今の状況について、説明をしてくれた。彼女は、もともと霊的な人で、アストラル世界と繋がりやすく、低級霊域と繋がってしまった。憑依されたような、現象が起きたので、井上さんが、シャクティプラヨーガという技法で、直接手を触れることなく、エネルギーを送ったということであった。

 私は生まれて初めて、憑依などという現象を目の当たりにして、かなりびびった。まさに、草木も眠る丑三つ時に、薄暗い部屋の中で、女性がエクソシストさながらに、うめきだしたのだから、気持ち悪かった。それを、こともなげにおさめてしまった井上さんは、すごーーーい!という感じだった。

 お話も、上手だし、説明も丁寧で、私とSさんは、いっぺんで井上さんのファンになってしまった。

 Sさんは、私以上に井上さんに興奮していた。私は見なかったのだが、Sさんの、斜め後ろに座って、一緒に瞑想していた井上さんが、音も無く、スーと浮き上がり、40センチ位のところで、いったん止まって、また静かにスーと降りたところを目撃したというのだ。

 明け方、浄化法を知ってますかと言われたので、知りませんと言ったら、じゃあやって見せましょうかと準備をしてくれた。3リットル入りのポリ容器と、バケツを用意してから、ガージャカラニーを教えますと言われた。ポリ容器に微温湯を入れ塩を少々入れて、ゴクゴク飲みだした。

 入るは入るは、1,5リットル位いっきに飲んだかと思ったら、次に、水道管のように、猛烈な勢いで、水を吐き出した。その勢いのすさまじさに、おもわず笑ってしまった。口をいっぱいに開けたのと、同じ太さで水が出てくるのである。水出しマシンのようであった。あっという間に、3リットルの水は無くなった。

 次に、ダウティという浄化法をした。これは、水につけた、5センチ位の幅の布を、パクパク胃の中に飲み込むのである。2メートルくらい飲み込んだのだろうか、まるで、うどんでも食べているようだった。飲み込み終わってから、立ち上がって、前かがみになり、お腹をペコペコ出したり、へこましたりした。その後、腹直筋を立てて、グルグル回し始めた。ヨーガの技法のナウリというやつである。私は、その時初めて、ナウリを見ることが出来た。

 ナウリをした後、布を引っ張り出すと、胃の中にあった粘液が布について出てきた。このようにして、胃の洗浄をするのですと言っていた。内臓のためには良さそうだと思ったが、あんな布なかなか飲めないなあと思った。

 最後に、ネーティカルマという浄化法を見せてくれた。鼻の中に紐を通して、ごしごしこするという方法である。これもまた、いとも簡単に、鼻の中に紐をするすると通したかと思うと、ごしごしこすり出した。まるで、大道芸人のようであった。これをやると、目の悪い人や、鼻の悪い人に大変効果があり、頭も良くなると言っていた。

 浄化法を見せていただいて、全てのセミナーが終了した。
たった一晩のセミナーだったが、二人とも井上さんの大ファンになった。Sさんは、その後、浄化法の鬼になり、毎日ガージャカラニーは、12リットル。ダウティも毎日。ネーティカルマは、一度に紐を二本も鼻の穴に入れて、ごしごしこするまでになってしまった。

 二人の大ファンだった井上さんは、諜報省幹部として、地下鉄サリン事件、VX事件他、数多くの事件に関わっていたということで、2000年6月無期懲役の判決を受けた。
 逮捕された時の、井上さんの顔には髭が生えており、人相が悪くテレビでは映っていた。あの頃の、さわやかな青年の顔ではなくなっていた。


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