十分間俳句

発見・感動・創造! 子どもたちの感性を培い日本語力を高める十分間俳句

俳句の授業のポイント

2012-07-05 | ジュニア俳句

俳句の授業を続けている中で、すでに当たり前になってしまったことについて、もう一度その意味を見直してみる必要を感じている。そうして、俳句の授業のスタンダードを作り上げていくことだ。
これらについては、「楽しい俳句の授業アイデア50」(学事出版)でかなり整理されている。
その前に出した「発見・感動・創造 どの子もできる10分間俳句」の中でもかなり説明してきた。わかりよい本だと思う。
しかし、その後の発展もある。その多くは、これまでの本に書いてあることだが、それであっても、認識を新たにした。

1、単に俳句づくりではなく、俳句教育という視点であるということ。
授業としてどう構築するか,どんな力を育てるのかということを頭にしっかりとめておくこと。

2、テーマを決め、実物をできる限り見てつくる
学校の授業では、全員が,できる限り全員が参加をして「できる」ところまでもっていくことが大切だ。一つはそのための教育技法であるということ。
●そのためには、まずテーマを決めて、何について俳句をつくればよいかを明示してあげることだ。その上でテーマを拡大するという方法をとった方がよい。
「俳句の種さがしてごらん」と言うことも大切だが、何を種にするかを決めるのに時間のほとんどを使ってしまう児童もいるということだ。
●頭の中でつくると概念的な俳句になる。そのことは、最終的には必要となるので,ここに戻るのだが、実物を見ることによって、詩因が触発されやすいし、実感に基づく俳句を作る事が可能になる。大人は様々な知識をすでにもっており、それに基づいて句作りをするが、子どもは、俳句づくりを通して様々なことを知っていくという側面が大きくここに教育的な価値があると考える。
●ものを見る視点を確認すること 見る→発見へ
これについは、前に述べた。
・大きさ、形、匂い 手触り など五感を使って対象に向かうこと
・見方を変えること 近寄ってみる、遠くから見る、、比較してみる、上から見る、
 裏から見る、等々

3,俳句は詩である
●しかし、以上の点だけでは説明になってしまいがちだ。そこで、思い出してみるという視点が大切だ。思い出すという言葉は必ずしも適切ではないかもしれない。
・何々のようだ。過去の自分の知識とぶつけて考える
・このテーマにまつわる思い出 ひらめい言葉 できごと 空想 
●気付きを表す適切な言葉を選ぶこと
俳句は、詩であり、その元には感動や気付きがある。それがなんだったのか、を個々の児童が認識出来れば最高であるが、言葉を選び出す過程がその感動(気付き)の内容を自覚する過程なのである。
●詩としてのリズムを整える
上五と下五をかえてみる。同じ意味の言葉でもどの言葉を使えばよいかを検討する。

4,句会の重要性
句会が学校俳句のへそである。句会を行う事によって、俳句は教育的なツールとしての大きな役割を果たすことができる。
先生が評価するだけでなく、子ども同士が評価し合うことの意味は大きい。
・このことを通して、以上のことをお互いに学ぶことができる。
・子ども相互の児童理解に通じていく。
・この際、教師は子どもと違う立場に立つ。そのことによって,子どもとは違う視点を与えることができる。子どもとは別に教師が評価することで子どもの句は伸びていく。
・俳句を選ぶ視点を学ばせていく。それを身につけることによって、俳句づくりの視点を子どもたちが獲得することができる。また、句会の際に視点を「生活共感」から脱却させる指導も必要である。

相当に乱暴に書き進めてきたが、とりあえず以上のような点に触れておく。これらのことを整理して、分かり易く伝える。これができれば、俳句指導の簡単なパンフレットができ、活用することが可能になると思う。

 

 

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