もう、10年近く前のことだと思うが、夜遅く小腹がすいたので、国道沿いの牛丼屋に入ったことがあった。
見たところ20歳くらいのアルバイト店員が、注文を取りにカウンターの私の席にやってきた。「ご注文、お決まりですか?」と聞かれたので、「牛丼並盛りと、サラダ、味噌汁。」
と注文した。
すると、その若者は私の注文を繰り返しながら、注文入力端末をパパッと押して、「ご注文は以上でよろしいですか?」と聞いてきた。
私は彼の言った言葉に軽い衝撃を受けて、「珍しいねえ、若いのに・・」と呟くと、彼はキョトンとして、「はあ?どういうことですか?」と不思議そうな顔をして私の顔を見つめたのだった。
「いや、最近のファミレスなんかじゃ、『ご注文は、以上でよろしかったですか?』ってきくじゃない。どこでも・・・。」
指摘されないと直らない
私の説明に、彼は安心したように、「あぁ・・」と呟き、「だって、変じゃないですか、『よろしかった』って過去形にするのは・・・」と、当然だろうと言いたげな表情をして、
注文端末機をポケットに入れ、メニューを回収したのだった。
「君のようなまともな若者もいるんだねぇ。」と言うと、彼は一瞬、首をかしげてから厨房の方へ去った。
よく行くスーパーマーケットのレジ担当のご婦人は、レシートを渡す際に、必ず「こちら、レシートになります。」と言う。
「~になります」というのは、「~に変化します」という意味なので、真っ白な紙切れを手渡しながら、「(私が、フッと息を吹きかけると、数字が現れて、)こちらレシートになります。」こういう場面なら、問題ない。
また、「とんでもございません」も、しょっちゅう耳にする間違った敬語である。
つまり、「トンデモ」+「ナイ」の「ナイ」を丁寧に「ございません」にしたつもりだろうが、これが誤りである。
正しくは、「トンデモナク + ナイ」なので、ただ「とんでもないことです」と言えばいいのである。
謙譲語は要注意
先日、あることで取引のある会社の若者から、メールが届いた。
立場上は、私が彼の客に当たるので、メールの文面は丁寧語や尊敬語が目立っていた。これまでと手続きが少し変更になるという情報に関する内容で、「お間違いなきよう、ご承知置きください。」と締めくくっていたが、私は「うん?」と気になった。
何だか「間違えないよう、しっかり覚えて置けよ。」と言われたような気がしたのだ。
気になって、ネットで調べてみたら、「承知する」とは「理解する」の謙譲語で、承知する方がへりくだって使う言葉であることが分かった。
「承知してくださいね」という言い方を、上の立場の「客」に向かって言うべきではないのである。言うなら「お含みおき下さい」と言うべきだそうだ。
確かに、そう言われればすんなり理解できただろう。
さらに彼のメールの中には、「弊社の○○より承った情報ですが、・・・」という部分があった。○○さんは私も知っている方で、その若者の後輩であったはずだ。
つまり、自分より目下の後輩から「承った(うけたまわった)」と言うのは誤った使い方である。そもそも、「承」という漢字がへりくだった意味を持つことからきているわけだ。
若い事務員が電話を受けて、「部長さんは、本日お休みを戴いております。」なんて応えているのを耳にすると、「誰か注意してやれよ。」と思うのだが、多分みんな自信がないんだろうなあ・・・。
見たところ20歳くらいのアルバイト店員が、注文を取りにカウンターの私の席にやってきた。「ご注文、お決まりですか?」と聞かれたので、「牛丼並盛りと、サラダ、味噌汁。」
と注文した。
すると、その若者は私の注文を繰り返しながら、注文入力端末をパパッと押して、「ご注文は以上でよろしいですか?」と聞いてきた。
私は彼の言った言葉に軽い衝撃を受けて、「珍しいねえ、若いのに・・」と呟くと、彼はキョトンとして、「はあ?どういうことですか?」と不思議そうな顔をして私の顔を見つめたのだった。
「いや、最近のファミレスなんかじゃ、『ご注文は、以上でよろしかったですか?』ってきくじゃない。どこでも・・・。」
指摘されないと直らない
私の説明に、彼は安心したように、「あぁ・・」と呟き、「だって、変じゃないですか、『よろしかった』って過去形にするのは・・・」と、当然だろうと言いたげな表情をして、
注文端末機をポケットに入れ、メニューを回収したのだった。
「君のようなまともな若者もいるんだねぇ。」と言うと、彼は一瞬、首をかしげてから厨房の方へ去った。
よく行くスーパーマーケットのレジ担当のご婦人は、レシートを渡す際に、必ず「こちら、レシートになります。」と言う。
「~になります」というのは、「~に変化します」という意味なので、真っ白な紙切れを手渡しながら、「(私が、フッと息を吹きかけると、数字が現れて、)こちらレシートになります。」こういう場面なら、問題ない。
また、「とんでもございません」も、しょっちゅう耳にする間違った敬語である。
つまり、「トンデモ」+「ナイ」の「ナイ」を丁寧に「ございません」にしたつもりだろうが、これが誤りである。
正しくは、「トンデモナク + ナイ」なので、ただ「とんでもないことです」と言えばいいのである。
謙譲語は要注意
先日、あることで取引のある会社の若者から、メールが届いた。
立場上は、私が彼の客に当たるので、メールの文面は丁寧語や尊敬語が目立っていた。これまでと手続きが少し変更になるという情報に関する内容で、「お間違いなきよう、ご承知置きください。」と締めくくっていたが、私は「うん?」と気になった。
何だか「間違えないよう、しっかり覚えて置けよ。」と言われたような気がしたのだ。
気になって、ネットで調べてみたら、「承知する」とは「理解する」の謙譲語で、承知する方がへりくだって使う言葉であることが分かった。
「承知してくださいね」という言い方を、上の立場の「客」に向かって言うべきではないのである。言うなら「お含みおき下さい」と言うべきだそうだ。
確かに、そう言われればすんなり理解できただろう。
さらに彼のメールの中には、「弊社の○○より承った情報ですが、・・・」という部分があった。○○さんは私も知っている方で、その若者の後輩であったはずだ。
つまり、自分より目下の後輩から「承った(うけたまわった)」と言うのは誤った使い方である。そもそも、「承」という漢字がへりくだった意味を持つことからきているわけだ。
若い事務員が電話を受けて、「部長さんは、本日お休みを戴いております。」なんて応えているのを耳にすると、「誰か注意してやれよ。」と思うのだが、多分みんな自信がないんだろうなあ・・・。
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