ビタミンC大量療法(経口、点滴)が、ガンの制御に有益なという、多くの研究論文を基に、スコットランドのベイル オブ リーベン病院のCameron博士らは、臨床研究を実施しました。結論として、10g/日のビタミンCを摂取した100名の末期がん患者の平均生存時間は、210日で、1,000名の釣り合った対照の平均生存時間は50日でした。この研究に対し、批判が有りましたが、追試でも同じ結果でした。批判した医師は、薬剤の効果を試験するニ重盲検テストでないからという理由でした。ビタミンCのように栄養素の効果を試験するためには、長期(一生)にわたる試験が必要と言う概念が、批判派の医師には欠如していたようです。ニ重盲検テストは抗性物質など薬剤の効果には適切ですが、栄養療法の効果には適していません。
日本国九州の森重福美医師は、ビタミンCの効果を部位別に報告し、その効果は部位によって異なることがわかりました。肺がん、気管支癌患者らは、子宮癌や他の部位のガン患者より、平均生存時間が短い結果でした。更に、ビタミンCの投与量が5~60g/日と幅が有り、投与量が少ない患者は経口投与、多い患者は点滴でした。また、ビタミンC投与群も対照も化学療法を受けていませんでした。ビタミンC投与群は、対照に比べ、ベイル オブ リーベン病院と旧鳥飼病院では、延命率は平均約4倍でした。特に、胃ガン、子宮癌に対してビタミンCは生存率が高い結果でした。これは、ビタミンCの抗菌作用や抗ウイルス作用、それにホルモン制御作用とも関係がある、と考えられます。なお、胃ガンはピロリ菌、子宮頸がんはパピローマウイルス、それに子宮体がんは卵胞ホルモンのエストロゲンの過剰分泌が関係している、と言われています。
このビタミンCの延命効果のメカニズムとして、ヒアルロ二ラ―ゼの不活化と細胞外間質物質の分解の予防、ガン細胞の兵糧攻め、点滴によるガン細胞殺作用などが考えられます。新しい研究により、その新しいメカニズムも発表されていますので、以前のこのブログでも紹介しています。参考にして下さい。
References
Ewan Cameron, Linus Pauling: Cancer and Vitaminc. Warner Books. 1981
Linus Pauling: VitaminC and Cancer.Cancer Research.Volume39,March 1979
なお、筆者の栄養医学ブログ記事は、ブログアドレスblog.goo.ne.jp/h35p39で発信しています。