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医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

癌のビタミンC大量療法の臨床例(ベイルオブリーべン病院)  日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-09-24 14:02:31 | 健康・病気

ビタミンC大量療法(経口、点滴)が、ガンの制御に有益なという、多くの研究論文を基に、スコットランドのベイル オブ リーベン病院のCameron博士らは、臨床研究を実施しました。結論として、10g/日のビタミンCを摂取した100名の末期がん患者の平均生存時間は、210日で、1,000名の釣り合った対照の平均生存時間は50日でした。この研究に対し、批判が有りましたが、追試でも同じ結果でした。批判した医師は、薬剤の効果を試験するニ重盲検テストでないからという理由でした。ビタミンCのように栄養素の効果を試験するためには、長期(一生)にわたる試験が必要と言う概念が、批判派の医師には欠如していたようです。ニ重盲検テストは抗性物質など薬剤の効果には適切ですが、栄養療法の効果には適していません。

日本国九州の森重福美医師は、ビタミンCの効果を部位別に報告し、その効果は部位によって異なることがわかりました。肺がん、気管支癌患者らは、子宮癌や他の部位のガン患者より、平均生存時間が短い結果でした。更に、ビタミンCの投与量が5~60g/日と幅が有り、投与量が少ない患者は経口投与、多い患者は点滴でした。また、ビタミンC投与群も対照も化学療法を受けていませんでした。ビタミンC投与群は、対照に比べ、ベイル オブ リーベン病院と旧鳥飼病院では、延命率は平均約4倍でした。特に、胃ガン、子宮癌に対してビタミンCは生存率が高い結果でした。これは、ビタミンCの抗菌作用や抗ウイルス作用、それにホルモン制御作用とも関係がある、と考えられます。なお、胃ガンはピロリ菌、子宮頸がんはパピローマウイルス、それに子宮体がんは卵胞ホルモンのエストロゲンの過剰分泌が関係している、と言われています。

このビタミンCの延命効果のメカニズムとして、ヒアルロ二ラ―ゼの不活化と細胞外間質物質の分解の予防、ガン細胞の兵糧攻め、点滴によるガン細胞殺作用などが考えられます。新しい研究により、その新しいメカニズムも発表されていますので、以前のこのブログでも紹介しています。参考にして下さい。

References
Ewan Cameron, Linus Pauling: Cancer and Vitaminc. Warner Books. 1981
Linus Pauling: VitaminC and Cancer.Cancer Research.Volume39,March 1979

なお、筆者の栄養医学ブログ記事は、ブログアドレスblog.goo.ne.jp/h35p39で発信しています。


ガン患者のビタミンC代謝・排泄動態について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-09-23 21:07:58 | 健康・病気

癌患者やそうでない慢性疾患患者では、ビタミンCはどのように吸収され、代謝され、排泄されるのでしょうか。米国の研究によると、血漿ビタミンC値は,正常な対照では、慢性疾患やガン患者に比べ、約2倍の値ですが、白血球ビタミンC値は、正常な対照では、慢性疾患やガン患者に比べ、約1.5の値でした。また、白血球ビタミンC値は、正常な対照では、骨転移のない悪性腫瘍と骨転移のある悪性腫瘍に比べ、約1.5倍で、乳がんの約3倍でした。総尿中ハイドロキシイプロリン排泄量は、正常な対照に比べ、骨転移のない悪性腫瘍と骨転移のある悪性腫瘍では、約2.9倍で、乳がんでは、約8.4倍でした。これらの結果から、病気になると、ビタミンC摂取量が同じでも、白血球ビタミンC値は、健常人に比べて低下し、逆に、総尿中ハイドロキシイプロリン排泄量は増加しました。

また、ビタミンCを摂取すると、ガン患者の血漿値が上昇し、吸収したことを示しています。ガン患者は、ビタミンCを吸収してもすぐ排泄しているのであろうか、それともビタミンC要求量量が多いのでしようか。症例を調べてみると、ガン患者は要求量が多いようです。早期乳がん患者は、3g/日のビタミンCを負荷投与された時、7時間で投与量の75%を排泄しました。この事から、早期の癌ではビタミンCの要求量が少なく、大量摂取してもその多くを排泄する、と考えられます。また、重度になるに従って要求量が多くなり排泄量が少なくなる、と考えられます。非ガン性の胸部疾患の患者と健康な、年齢の釣り合った対照は、ビタミンCの投与量のそれぞれ21%と17%を排泄しました。白血病の子供は、4時間以上、健康な子供に比べて著しく少ない負荷投与量の500mgを排泄していました。これらのことからガン患者は体内でビタミンCを多く利用して、癌細胞と戦っていることが考えられます。そして、Pauling博士のガン患者へのビタミンC投与(10g/日以上、点滴、経口)がガンの制御に有益という理論の根拠となります。

References
Ewan Cameron, Linus Pauling: Cancer and VitaminC: Warner Books.1981
Linus Pauling: VitaminC and Cancer.Cancer Research.Volume39,March 1979






がん患者の代謝動態とビタミンCの働きについて 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-09-22 18:32:52 | 健康・病気

米国では、乳がんは35~54歳の女性で、もっとも一般的なガンであり、以前は、10年生存率は低いかったが、近年、その生存率の上昇が、食生活の改善、その他の要因で高くなっております。逆に、日本では、以前は乳がんの発症率が低いが、近年、食生活の変化でそれが高くなっています。

米国の研究によると、ガン患者はしばしば栄養失調状態であり、還元型ビタミンC値が血漿、組織で低い値です。そのビタミンCの低値は、他の慢性疾患でも見られるのと同じです。最近の研究では、進行した疾患患者は、ビタミンCに対する要求量が増えています。そのことは、血漿ビタミンC値と白血球ビタミンC値の低下がビタミンCの摂取量、100mg/日で認められます。この現象から、疾患に罹ると、ビタミンC値が低下することがわかりました。がんでも同じことが言え、いくらかのガンでは、壊血病と同じ体の兆候を示しております。ビタミンCの経口投与は、米国では一般的治療の一部となっております。また、一般的な規定食では、ビタミンCが不足しております。さらに、ビタミンCの補給はガン患者に有効で、ガン患者は、しばしば抑うつ状態にあり、混乱し、精神状態が悪化しています。そして、中には自殺する人が、一般人より多いようです。神経組織でのビタミンC欠乏によるヒステリー、抑うつ、それにヒポコンドリ―などが報告されています。

ビタミンB1欠乏に伴った錯乱状態は、被験者の急性疾患や外科手術などのストレスにより引き起こされる可能性が有ります。このことは、ビタミン摂取が適切でない証拠となっています。ビタミンCにはビタミンB1節約作用が有り、ビタミンCを補給し、ビタミンB1を加えない時、ビタミンB1量の増大をもたらします。ビタミンCの供給によるガン患者の更なる利点は、カルニチンの合成に関与していることです。筋肉の弱化は、栄養失調のガン患者でよく知られている症状です。

進行性疾患患者において、最低の白血球ビタミンC濃度は、乳がんが骨転移した患者で見られます。これらの患者は、尿中にハイドロキシイプロリンを大量に排泄し、ビタミンCを1g投与した後、12時間の間減少しました。ハイドロキシイプロリンの尿中排泄の低下は、骨転移に及ぼすビタミンCの作用を表し、ハイドロキシイプロリンのぺプタイドを正常量排泄した他の部位のガン患者では見られませんでした。これらの現象は、ビタミンCがコラーゲンの生成に役割を担っているばかりでなく、その安定性に役割を担っていることの証明になります。ビタミンCは、体内で多彩な働きをしているので、ガンだけでなく、健康増進のために重要な栄養素です。幸い、野菜、果物、豆、それにイモなどに含まれ簡単に摂取できます。ガンの治療では、大量を点滴し、寛解効果があることが、臨床研究から明らかです。

References
Ewan Cameron, Linus Pauling: Cancer and VitaminC. Warner Books. 1981
Linus Pauling: VitaminC and Cancer. Cancer Research. Volume39,March 1979

 


膀胱がんの発症とビタミンCの作用について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-09-18 18:55:14 | 健康・病気

膀胱ガンの発生は、内因性に形成された発がん物質が尿中に存在する結果である、と考えられるようになりました。4アミノビフェニ―ル、ベンチジン、2ナフチルアミンなどの製造工場の従事者の膀胱がん多発は、芳香族アミンから内因性に形成されたオルトハイパロキシイ誘導体やハイドロキシイルアミン誘導体が尿中に遊離した時、発がん物質として働きます。このような内因性誘導体は実験的に膀胱がんを生じるので、L-トリプトファンから生じるオルトアミノフェノール代謝産物の発がん性の可能性に、シュレーゲル博士ら研究者は、興味を持つようになりました。トリプトファン代謝産物の5つは尿中に見出され、そのうち4つは、マウスの膀胱に発がん性を示しました。4つの代謝産物は、それぞれ、3-ハイドロキシイアントラニ―ル酸(3-HOA)、3-ハイドロキシイキヌレニン(3-HOK)、2-アミノー3-ハイドロキシイアセトフェノン、それにキサンツレン酸の8-メチルエーテルなどです。おそらく膀胱ガン患者は、これらの代謝産物の濃度が通常より高く、そのため膀胱粘膜の発がん性が生じる、と考えられます。

ポイランド博士とウイリアム博士は、10名の膀胱がん患者が、健常者より高濃度の3-HOAと3-HOKを排泄するのを発見しました。3-HOAは、尿中の酸化還元環境の変化によりその安定性が変化し、さらに鉄イオンや銅イオンの含量が尿中で変化することにより、安定性に変動が見られます。そこで、尿中に還元型ビタミンCを入れてやると、3-HOAが安定化します。

尿中化学ルミネセンスは、喫煙者や膀胱がん患者では、健常人に比べて最も高い値です。研究によると、マウス膀胱に移された3-HOAの結晶は、尿中のビタミンC値が高い場合、発がん性を示さないことがわかりました。この事から、トリプトファンを含む蛋白質の摂取量を適性値に保つか、それらを多く摂取するヒトは、ビタミンCも多く摂取する必要があります。ビタミンCのような抗酸化栄養素が尿中に存在することは、3-HOAの発がん性に対し防止効果が認められます。

References
J・U シュレーゲル: 膀胱がん防止におけるビタミンC使用の提案.Annuals New York Academy of Science.Volume258,1975

なお、当方の栄養医学ブログ記事は、ブログアドレスblog.goo.ne.jp/h35p39で発信しています。

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ガンの治療法の変遷とビタミンCの役割について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2014-09-16 19:43:40 | 健康・病気

ガンに対する自然に備わった抵抗性は、臨床ガンの出現率を抑制し、一般的治療法での個々の反応に影響を与えます。ビタミンC療法などの補助療法は、宿主の自然抵抗性を高め、ガンの発生率、ガンの発病率、それにガンによる死亡率を減少さす、と考えられます。

がん患者は宿主抵抗性が弱く、ビタミンCが治療者により無視されるなら、ガン治療の一貫した方法の限界は明らかで、一般的治療のチャンスは遠いようです。化学療法の進歩は著しいが、細胞毒素により治療できるガンは少なく、それらは高増殖因子により特徴づけられる、特別のガン疾患(ウイルスや細菌により発症)で、子供や青年において発症する傾向が有ります。しかし、通常のガンは、中年期と老年期の人々を苦しめ、化学療法が有効でないガンが多いようです。現在のガン治療は、ガン細胞を全部殺すという発想に基づき、治療されていますので、特別のガン以外延命効果がほとんどありません。

次に、ガン細胞は、外部の侵入者でなく、たまたま異常な形で行動する宿主の元の細胞です。したがって、それらを全部殺すのではなく、制御しながら、共存しながら、ガン細胞が弱る手段(兵糧攻め)を用い、延命を図るという治療法が適切でないか、と考えます。その点でも、ビタミンC点滴療法は、その趣旨に合った治療法と考えています。

Reference
Cameron E: Chemi-Biol Interactions. 9(1974)