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医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

パーキンソン症候群とビタミンCの作用について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2025-04-04 11:20:50 | 健康・病気

ビタミンC欠乏とパーキンソン症候群(パーキンソン病に類似の症状を示す)を持ったパーキンソン症候群患者は、ビタミンC置換療法で急速な改善を示すと、Thomas M Brawn博士らは報告しています。

ビタミンC欠乏は、脳の機能に影響し、パーキンソン症候群とも関係があります。1752年、James Lind医師は、感情と行動の変化は、壊血病の発症の前触れと出血の発見の前触れとなることを報告しています。また、WHOは、潜在的壊血病としてこのステージに言及しています。

Brawn博士による臨床研究では、ビタミンC欠乏のパーキンソン症候群の症例を追跡した2例があり、それらの症例はビタミンC置換療法に強く反応していました。これらの症例から、ビタミンC欠乏のパーキンソン症候群患者には、ビタミンCは治療可能な症例である事が示唆されます。そして、更なる研究の積み重ねが期待されます。

References

Thomas M Brawn, et al..Parkinsonism and vitaminC deficiency. Fed Pract. 2017. Aug;34(8):28-32

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マイクロプラスチックの脅威と健康リスクについて 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2025-02-15 10:55:08 | 健康・病気

近年、多くの研究者らは、プラスチックが劣化してできるマイクロプラスチックやそれより微粒子のナノプラスチックが土壌や海洋にあふれ、それらの健康リスクを憂慮しています。また、"Nature,06 March 2024"誌によると、太陽光や水、風、それに気温の影響などで超微粒子に分解されたマイクロプラスチックは、ヒトの重要な血管に沈着し、心臓発作、脳卒中、その他の炎症性疾患、それに死さえもたらす可能性があると報告されています。

"Sustainability,2023"誌によると、近年、ヒトの健康と自然環境に及ぼすマイクロプラスチックの影響について関心が高まっています。海洋生物やその他のエコシステムへのマイクロプラスチックの影響は重要で、プラスチックが海洋で分解しマイクロプラスチックになり、海洋生物に摂取され、それらの生殖システムに干渉します。

また、マイクロプラスチックは、飲料水、食品、空気中、それに日常の消費製品の中にもあり、それらを摂取したり、飲んだり、吸引したりして体内に入り、いろんな部位に沈着します。なお、マイクロプラスチックは、地球環境に偏在し、新たに出現した汚染物質として、健康危機の可能性に広く関心が持たれています。Yue Li博士らによると、マイクロプラスチックは、環境や人体でも検出され、実験的細胞モデル、原形質類器官、それに動物体内などで毒性が見られ、この毒性は酸化ストレスによるものです。そして、この毒性は、生殖毒性や発育毒性と同様、DNAダメージ、器官の機能不全、代謝障害、免疫反応、それに神経毒性などからなります。さらに、疫学的証拠では、いろんな慢性疾患は、マイクロプラスチックへの暴露の可能性が示唆されています。更なる研究の積み重ねにより、マイクロプラスチックの毒性のエビデンスが証明され、早急にその対策がなされ、人類がマイクロプラスチックの毒性で健康被害を受けないよう祈っています。

References

Yue Li, et al.  Potential health impact of microplastics. Environment &Health. Vol/Issue4 august 10,2023

Landmark study links microplastics to serious health problems. Nature, 06 March 2024

Stephanie Datchen.  Micriplatics Every where. Nature,  spring 2023

Sampa Ghosh. Microplastics as an emerging threat to the environment and human health. Sustainability2023 15(14)

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心臓弁膜症とビタミンの関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2025-02-01 17:14:16 | 健康・病気

心臓弁膜症に合併して心室性不整脈が見られる、との報告例があります。心臓弁膜症は、やがて心不全を起こし余命を縮めます。Esin Even博士らは、僧帽弁と大動脈弁逆流の患者での血清25(oH)ビタミンDと副甲状腺ホルモン、それに酸化還元バランスを評価し、ビタミD欠乏と副甲状腺ホルモンの二次的増加はよく見られ、僧帽弁逆流と大動脈弁逆流は、酸化ストレスとビタミンD欠乏症に相関することを証明しました。

結果として、ビタミンD欠症症の患者は、対照群に比べ、副甲状腺ホルモン値が著しく高く、TOSと職業的ストレス値が高く、カルシドール(肝臓でビタミンDをヒドロキシル化して作られるホルモン前駆体)欠乏の頻度が高かった。また、TOS値とカルシドール値は負の相関が見られた(r=-0.29:p<0.005), カルシドール値と職業的ストレス値(r=--0.413:p=0.001)も同様であった。副甲状腺ホルモン値と職業的ストレス度の値(r=0.22, p=0.002)は正の相関を示した。

このほかに、いろんな研究から、ビタミンK2、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、マグネシウム、オメガ3魚油、補酵素Q10、ナイアシン、L-カルニチン、ターメリック、果物、野菜、それに全粒穀物などの摂取が、心臓弁脈症患者に推奨されています。これらの併用摂取による過剰摂取を防ぐため、心臓機能検査、それに肝機能と腎機能の血液検査も定期的に行うようにしてください。なお、in vivoでのDanielle J Huk博士らの研究では、ビタミンAの食事性過剰摂取は、大動脈心臓弁カルシウムの沈着を促進する、と報告しています。また、他の研究では、カルシウムサプリメントは、全死亡率、心血管系死亡率、それに大動脈の置換などのリスクを高める可能性がある、との報告もあります。これらに関しては、更なる研究の積み重ねが必要と考えられます。

References

Esin Even. Heart valve disease:The role of calcidiol deficiency, elevated parathyroid hormone levels and oxidative stress in mutial and aortic valve i sufficiency. Rodox Rep. 2013 Nov26;19(1):34-39

Peter mikhall。MD.The best vitamins to take for heart health. June 29,2017

Joana Mozos. Links between vitaminD deficiency and cardiovascular disease.  Bio Med , Int. 2015 Apr 27

Danielle J  Huk. Increased dietary intake of vitaminA promotes aortic valve  calcification in vivo.  Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2012, Nov29

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免疫能異常に対するビタミンCの効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2025-01-10 15:43:45 | 健康・病気

アレルギー疾患など免疫能異常患者が増え、そのため、帯状疱疹や膀胱ガンなどガン疾患になったりする高齢者が増えています。高齢者にとって、免疫能異常を改善することは、これらの疾患対策として、喫緊の課題です。

Anderson博士らの研究によると、慢性肉芽腫患者3名とアレルギー疾患の気管支ゼンソク患者10名にビタミンCを投与し、肉芽腫の原発性免疫異常が改善し、気管支ゼンソク患者のいく名かで見られた2次異常(好中球移動と白血球の転換)が改善しました。また、腫瘍と関連した抗原は、循環系で主細胞(大食球、T-リンパ球、B-リンパ球など)と反応します。抗原は最初、大食球と反応し、それから感作したリンパ球と反応する免疫細胞です。なぜなら、大食球やリンパ球は抗原を認識できます。この相互作用の、感作による生成物の2つは、ヘルパー細胞とサプレサー細胞です。そして、ヘルパー細胞は、B-リンパ球を刺激するのが可能です。T-リンパ球は胸腺で反応するリンパ球です。B-リンパ球は骨髄中で反応し、血漿細胞と抗体を産生し続けます。感作されたリンパ球を回復させると、これらリンパ球のいくらかは、ガン細胞に対し細胞毒であり、ガン細胞を破壊し続けます。

また、特別の抗原との相互作用において、T-リンパ球は多くの溶解性生成物を生じます。これらの一つは大食球遊走阻害因子であり、大食球に作用するとき、大食球を捕獲します。このことがガンの近くで起るなら、大食球はガンに捕獲されるでしょう。他のリンホカインは、大食球を幾分か活性化する大食球活性化因子であり、代謝のプロセスを刺激し、大食球が活性化されるため、準特異的にガン細胞を攻撃することができ、ガン細胞を破壊します。それで、ガン細胞は、免疫プロセスによって破壊が2つの方法で可能です。ヒトには、ガン細胞を直接破壊できる細胞毒性T-細胞があり、リンホカインにより活性化される大食球があり、ガン細胞を破壊することが、考えられまリンパ球リンパ球に関しては、ヘルパー細胞の助けにより循環する、抗体の産生の原因となる血漿細胞を分化させたり、増やしたり、産生したりするため、処理した抗原と相互作用をします。抗体は、補体と結合が可能で、結合すると、ガン細胞を強く破壊するようになります。抗体はガンを包むことができ、抗体で包まれたガン細胞は、体に存在するキラー細胞と接触するときガンは破壊されると、考えられます。更なる追試が待たれます。

References

T.W. Anderson, et al. Annuals Newyork Academy of Science. page498-504, 1979

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いろんな認知症のホモシステイン値に対するビタミンB12とビタミンDの効果について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-12-28 21:07:53 | 健康・病気

Yang Song博士によると、血漿ホモシステイン値と血漿ビタミンB12値は、アルツハイマー病の一時的な耳たぶの萎縮において相関し、ビタミンB12値は血管性認知症での認知機能に相関していた。高ホモシステイン値はアルツハイマー認知症や血管性認知症だけでなく、前頭側頭認知症でもリスク因子となります。また、frontiers誌によると、認知症では、血漿での総ホモシステイン値の上昇は、レビー小体認知症では相関がみられず、アルツハイマー認知症よりはレビ小体認知症でより強く、総ホモシステイン値とその症状期間との関係性のなさは、レビー小体認知症での結果観察での相関が間違いである可能性があり、将来の長期の縦走的研究がレビー小体認知症において、総ホモシステイン値が役割を演ずるかどうか確認することが求められます。

Medical News Todayによると、脳でのビタミンDの低値は、高い認知症のリスクと結び付いていました。●始めての新しい研究では、ヒトの脳と認知機能に及ぼす効果の可能性においてビタミンD値を調べました。●研究者らは、血中ビタミンD値の高値は、より高齢者では認知症のリスクが低いことを発見しました。●この発見にかかわらず、認知機能におけるビタミンDの正確な役割は、十分理解されていません。

研究者等は、脳のすべての4領域でビタミンDの高濃度は、患者が死亡する前の最後の受診までに、25%から33%ほど認知症の進行が遅く、また軽度の認知障害であることを確認しました。なお、1歳からは子供と大人のビタミンD摂取量は600国際単位/日で、1歳以下の赤ちゃんは400国際単位/日。70歳より上の高齢者は800国際単位/日となっています。脂溶性ホルモン様ビタミンなので過剰摂取による副作用には、くれぐれも注意してください。

 ところで、Cleveland Clinicによると、レビ小体認知症とパーキンソン病を伴った認知症は、レビ小体認知症のより広いカテゴリーに含まれる二つの関係ある臨床上の症状です。時には、その症状によって、パーキンソン病としてのレビー小体認知症と診断されます。ここが医師を悩ますところです。更なる研究の積み重ねが待たれます。

References    

Yang Song. Serum homocysteine 、VB12、Folate、and their association with  mild cognitive impairement and subtypes of dementia. J Alzheimers Dis. 2022;90(2):781-691

Association of elevated plasma total homocysteine with dementia with Lewy bodies:A case-control study. Aging neurosci, 15 Oct 2021, frontiers

Lewy Body Dementia. University of Michigan  Hwalth-Sparrow

How is lewy body dementia related to Alzheimair's disease and Parkinson's disease? Cleveland Clinic

Low levels of vitaminD in the brain linked to  increased dementia risk. Medical News Today

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