ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

エクスクロス(深作健太監督)

2009-05-26 | Weblog
キャスト:松下奈緒、鈴木亜美、中川翔子、森下能幸、神威杏次、仁科貴、岩尾望、小沢真珠、池内博之

評価:☆

コメント:個人的にはこういう「純和風ホラー」大好き。特に秘境とかいいながら瀟洒なロッジで電気も水道も完備されている温泉という設定がすばらしい。温泉ツアーホラージャンルともいうべきか。しかも主役クラスは美少女、美女ということなのでそれだけでまあ十分。

 もっとおどろおどろしくすることもできるのだろうし、ウェブに出ていないからといって秘境ということでもない。ぐるなびに出ていない名店だって数多く存在するわけだし。もう少し工夫するとしたら、「怖さ」をもっと「溜め込む」感じだろうか。これ、黒沢清監督が同じ粗筋で撮影したら、きっと「祭り」のシーンは「祭り」としては撮影しなかったのではないかと思うし。 中川翔子さんがパソコンと携帯電話を駆使した入院姿で登場。やっぱり演技がうまいなー。

ストーリー:しよりと愛子の二人は温泉に出かけるが、そこでは江戸時代の木こりたちが培った妙な風習が残存しており、地元の「神社」にある「もの」をおさめる儀式が現代にも息づいていた…

BONES~骨は語る~第2シーズン第23話~第43話(ハート・ハンソン総指揮)

2009-05-17 | Weblog
キャスト;エミリー・デシャネル、デヴィッド・ボレアナズ、ミカエラ・コンリン、エリック・ミレガン、T.J.サイン、ジョナサン・アダムズ

評価:☆☆☆

コメント:第1シーズンよりも第2シーズンのほうが確実に面白い。ほぼ毎回でてくる映画ネタもなかなか楽しいうえ、テンペランスの思わぬ方面の博学ぶりがさらに披露される。ただ現実世界でこういう女性が間近にいたら確かに嫌かもしれないが…

第23話「遺された想い出」(The Titan on the Tracks)  2両脱線、1両横転の鉄道事故が発生。ブレナンはそこで新しい研究所所長カミール博士と会う。この23話では株式売却が下敷きになっているのだが、「カラ売り」の構図がわかっていないとオチもわからなくなるかもしれない。株式の時価がこれから急落すると予測した場合には、先に株式を売却する契約を結んでおく。そして実際に株式の時価が急落したところで株式を安く購入してあらかじめ決めてあった高い価格で売る…というのが「空売り」。通常の商取引では安く仕入れて高く売るが、この場合には高く売ってその後で安く仕入れるという構図になる。鉄道事故がどうしてラストにつながるのかはこの「空売り」がわかっていると「なるほど…」ということに。

第24話「断ち切られた絆」(The Mother and Child in the Bay)  ここで出てくる「スパム」とは食べ物のランチョンミートのこと。ホットでスパイシーな肉の缶詰だが、スパムを使った実験では法廷で勝てないというのはランチョンミートと実際の人体とでは比較の対象にならないという意味。自らの子供を神に捧げようとした旧約聖書のアブラハムについてブレナンとシーリーが激論を交わす。そして人骨を丹念に分析していった結果、猟奇殺人事件と思しき母と「子」の死体は別の要因がからんでいることが判明してくる…。そして3D分析の結果、犯人の身長は1メートル61センチ前後…

第25話「ジュリエットの悲劇」(The boy in the Shroud) 原題のshroudは「経かたびら」「屍衣」のこと。被害者が未成年の場合にもFBIの管轄事件になるとのことで清掃車が交通事故を起こしたときに死体が発見される。ハーバープラザに住み、マサチューセッツ工科大学への進学が決まっていた優等生だった。確かに「ロミオとジュリエット」の台詞は引用されるのだが、このドラマもまたアメリカの日本以上の格差社会を残酷に描写する。ロケーションでアメリカ植物庭園での撮影がある。 「知りませんでした…。知らないままであったのが早すぎて、そして知ってしまったのは遅すぎて…」(ロミオとジュリエット)

第26話「殺人ゲーム」(The Blonde in the Game )  7~8年前に殺害された死体が発見。連続殺人犯エップスの犯行と思われた。このドラマではゲーム理論が登場してくる。「バットマン」でも「囚人のジレンマ」が登場していたが、このドラマでは「N人の合理的な人間と非実行エージェント」が登場するゼロサムゲームという構図。減菌作業に用いられるエチレンオキシドという物質が鍵となる。そして映画へのオマージュは「ジャスパー」
 確かにこのドラマでは「ゲーム」が演じられているのだが、ゼロサムゲームという言葉が表すように勝者と敗者が厳然と存在し、テンペランスとエップスのどちらかが勝ち、どちらかが負けるゲームとなる。ゲーム理論も普通の経済学と同様にプレイヤーは自己の便益を最大化しようとして行動する。テンペランスにとっての最大の利得は「真実」と「犯罪の防止」で、エップスにとっての最大の利得はテンペランスを「罪悪感」に陥れることだ。エップスは数々の「謎」をテンペランスになげかけるが、「解けない」あるいは「答えがない」といった謎は出さない。最初から解けない問題だった場合にはテンペランスには罪悪感が生じないので、必ず正解が存在する謎を出す。そして与えられた条件の下で解決可能な問題を出された…という想定でテンペランスは行動する。ゲームツリーをたどっていくと最終的に合理的な「解」に到達する。それは果たして表面的な出来事だけで勝敗を決めれるかどうか…。

第27話「嘘に溶けた真実」(The Truth in the Lie) 地図でみると隣同士のメリーランド州とバージニア州に2つの家庭を持つ男が特殊な形で殺害された。ちょっとひねりにかけるが、バードショットのくだりで「副大統領は失敗したぞ」というのは2006年にチェイニー副大統領がウズラと共和党支持者を間違えて撃ってしまったという事件。最初から最後まで「嘘」だらけの中に一つだけ真実があり、その「真実」が真犯人をあぶりだす。

第28話「スイートルームの女」(The Girl in Suite 2103)  麻薬対策会議の議場が爆破されたが、その場に謎の女性の死体が…。コロンビアの麻薬組織に対抗するためにエクアドルの麻薬調査官や神父などが終結しているところを爆破された。国務省のラモスはFBIの捜査を好ましく思わず、容疑者である外交官親子をコロンビアにそのまま戻そうとするが…。9・11の事件後は国務省では海外送金のデータベースを作成しているというエピソードもちらっとでてくる。「仏教の無我の境地よ」とテンペランスは東洋哲学の知識もみせる。また「安物の靴に高い時計、そういう女性だったってことです」というホテルの従業員の観察眼の鋭さを思わせる台詞も。

第29話「幼きクイーンの悲劇」(The Girl with the Curl)  約2,900キロメートルの長さをもつパイプとつながっている給水場で幼女の死体が発見。歯にはラミネート加工がされ、コルセットのあともあった。変質者の犯行かと思われたが…。「ローマ滅亡の原因は美の追求よ」というテンペランス独自の哲学が披露される。もっとも実際には寒冷化が進んだことによってフン族が西へ移動、そしてゲルマン民族が移動し、ローマ帝国自体も寒冷化で作物が不作となり、国力が衰退していったという説もある。農業生産が基本だったローマ帝国にとってもゲルマン民族にとっても遊牧民族にとっても寒冷化による作物不作はやはりあまり喜ばしいことではなかっただろう。テンペランスはそうした諸事情も考慮して「食べるものより美を追求しすぎた」ということが言いたかったのかもしれない。

第30話「砂漠に捨てられた女」( The Woman in the Sand )  直径7・6センチのバットで殴り殺された死体のほかに全身に打撲傷のあとがある女性の死体も発見。映画「ファイト・クラブ」のよりリアリティを増加させたバージョンともいえる。ギリシア神話の英雄ペルセウス(メドゥーサを退治した英雄)などの造詣ものぞかせる。テンペランスが1920年代の女優クララ・ボー(映画「つばさ」など)のマネをする場面も。クララ・ボーの私生活と「BONES」でのテンペランスの複雑な生い立ちが重複するシーンでもある。

第31話「届かぬ地中の叫び」(Aliens in a Spaceship )
 通称「墓堀人」とよばれる正体不明の身代金誘拐犯。ジャックとテンペランスの2人が墓堀人に監禁され地中に車ごと埋め込まれる。誘拐の専門家もこれまで5回この「墓堀人」に遭遇しているが証拠の痕跡もみつけられない…。

第32話「眠れぬ森の魔女」(The Headless Witch in the Woods )
 明らかに「ブレアウィッチプロジェクト」にヒントを得た作品だが、「ブレアウィッチ」よりも面白18世紀の魔女狩りの被害者マギーが自分の首を探しているという設定。ドラマの中では「エクソシスト」「エルム街の悪夢」といったホラー映画の古典の引用も。また英国ロックバンド「マッシブアタック」なども台本に引用されている。現代版ギルガメシュ叙事詩を作成しようとした映画学科の学生の首なし死体事件。

第33話「過去からの告発」(Judas on a Pole)
 アビーがいよいよ博士論文の審査を受けるシーンから始まる。その最中に元FBI捜査官が殺害され、容疑者としてブレナンの父親が浮上してくる…。事件の背後には1978年の公民権運動が、そして両親が銀行強盗として活動していた背後にもその公民権運動で冤罪をかけられたマーヴィン・ベケットという終身刑を受けた人物が…。「血の復讐」という民数記の穏便でない言葉が引用される。「小さな謎」から「大きな謎」への解明が始まる。

第34話「最後の勝者」(The Man in the Cell)
 連続殺人犯でIQ180のエップスが脱獄。やはり「ゲーム」の続きをするが目的はテンペランスの「罪悪感」に変わりはない。「これから起こるすべてのことは君のせいだ」という台詞で2回目のゲームが開始される。しかし1回目と同様にエップスのしかけるゲームの「始まり」はすべてシンプルで、アディは「ブール検索」で最初の謎は難なく解いてしまうのだが…。考え方の異なるホッジンスとシーリー・ブースの間で「物事を正す…というその方法がよくわからない」という会話がでてくるのが印象的だ。

第35話「沼に沈んだ青春」(The Girl in the Gator)
 フロリダ州マイアミが舞台。ただし「マイアミ・バイス」が太陽光輝く地域を舞台にしているのに対して、このドラマではフロリダ半島南部のエバグレーズ湿地帯が舞台となる。独特の生態系をもつ湿地帯として有名だが、この回ではgatorとアダルトサイトの経営者が登場する。そのアダルトサイトの王とファンに「神の声」を伝えるという設定でキリスト教系新興教団の牧師が登場するが、カンザス出身。宗教的に「熱い」風土というのがカンザスのイメージなので、カンザスから来た牧師とバスで移動するウェブサイトの運営者という対立図にしたのかもしれない。
 その一方でブース捜査官はピエロの看板に「発砲」したということで精神科医のカウンセリングを受けるという妙に面白い構図である。「炉というのは家の中心という意味だ」とか英国出身のゴードン精神科医にあれこれ言われているシーンも面白い。「アスペルギスウスタス」という特殊な菌が登場するがテレビ画面でみる多様な種類はなかなか。

第36話「友情とルールのジレンマ」(The Man in the Mansion)
 ジャック・ホッジンスが主人公となる。一方、テンペランスは新しい恋人サリーとデートを重ねるが、サリーは一向に「大人」としての行動にでてこない。あだ名が「ピーナツ」ということで、おそらくゴールデンタイムの人気番組であるにもかかわらず「あのね、筋肉とか収入とか抜け毛とか性器の大きさとかを気にするのは男性だけなのよ」とか(個人的に)驚愕するような台詞も登場。この回でもゴードン精神科医が登場してブースに「思考の変化」を与える。

第37話「赤いテープ」(The Bodies in the Book)
 FBIのサリー捜査官と恋人になったテンペランスだが、テンペランスの作品の模倣犯が現れる。容疑者はそれぞれ現れたがいずれもアリバイがある。しかし3つの死体を精密に調査していくうちに、テンペランスは奇妙な「異なる点」に気づく…。映画「コピーキャット」のちょうど逆をいく作品だ。また薬物反応がない…という矛盾を見事に科学的にも納得できるオチにしてくれている。完成度が高い。

第38話「骨のない死体」(The Boneless Bride in the River)
 湖の中に古めかしいトランクと骨を抜き取られた死体が発見された。結婚紹介所の断定的な相性テストに対してテンペランスが「人間には何万もの要素があって400やそこらの適合性だけで相性は決まらない」と反論するところが面白い。
 また移民対策としてだろうが、「婚約ビザ」は90日以内に実際に結婚をしない場合には国外退去になるというシステムも初めて知った。「ライコウトウ」という漢方薬が登場するが、トリプトリド化合物を含む実際にかなり扱いが難しい薬品らしい。
 脚本家がどうやって中国山西省に伝わるこの「陰婚」もしくは「冥婚」とよばれる風習を知ったのかは定かでないが、未婚の独身男性が死亡したときに未婚の女性も一緒に埋葬する儀式で山西省ではまだ現存する儀式だ。ドラマの最後のほうでなんらかの儀式が行われようとしているがこれは「陰婚式」だろう。
 この儀式で犠牲になるのはやはりなんらかの理由で家計の足をひっぱる若い女性で殺人事件そのほか人身売買も起こっているという。このドラマでは2万5千ドル(約250~約270万円)という金額だが中国では約50万~60万が相場らしい。ドラマのラストで「人生なるようになる。焦らないで、しかし準備だけはしておこう」というシーリー・ブースの言葉が暖かい。

第39話「神の庭の犯罪者」(The Priest in the Churchyard)
 200年の歴史をもつ墓地で給水菅が破裂し、死体が地面に投げ出されてしまう。埋葬記録とともに死体と墓地の確定をテンペランスは進めていくが、明らかに数年しか経過していない死体が発見される。
 「ドルイド僧が神聖な木と考えたものをキリスト教が取り込んだ」というテンペランスの台詞は、樫の木とヤドリギを指す。フランスではもともとドルイドの影響が強かったがその上に塗りたくるようにキリスト教が伝播していったことを鹿島茂が指摘している。そしてキーとなるのが銀の聖杯。第41話ではブロードソードが台詞の中に登場するが、この回周辺はアーサー王伝説に題材をとったものがいくつかある。日本にも植生しているイチイの木とイチイに含まれるタキシンというアルカロイドが鍵となる。「Journeys end in lovers meeting」というシェイクスピアの台詞が引用されるのが心にしみる。

第40話「君を諦めない」(The Killer in the Concrete)
 コンクリートの中から死体が発見され、さらにテンペランスの父親も関係が…。そしてウエストバージニアのマフィアが登場するが素朴な風体がリアルでちょっと怖い。ワシントンDCとはもちろん別の州だが設定としては日本の東京からちょっと郊外…という感じになるだろうか。

第41話「切り裂かれた栄光」(Spaceman in a Crater)
 空から人間が落ちてくるがそれを評して「原子心母(ピンク・フロイド)みたい」という台詞が面白い。宇宙で重力が低いと骨がスカスカになってしまうという話はこのドラマではじめて知る。「ブロードソードみたいな刃物」という台詞はアーサー王伝説の一つで、岩に刺さっている剣をひきぬいたものが英雄となるというその伝説の剣。

第42話「光る骨」(Glowing Bones In The Old Stone House)
 日本の「スシ」が題材。マグロの握りやツナの握りなどをシーリーが頼むシーンが印象的。「スシビート」というオリジナルのネーミングやカリスマシュフのメニューなどは確かに美味しそう。

第43話「愛ゆえの選択」(Stargazer in a Puddle)
 22口径以下の銃で撃たれた「子供」らしき死体が地下から発見される。「物事は二律背反では進まない…」というアディの独白が印象的。DNAヘリカーゼという一種の「酵素」が働かないことで発症する場合があるともいわれているウェルナー症候群が登場する。きわめて稀な症例の中でもさらに稀な症例ということになるが、日本人でスシを毎日食べていても「光る骨」(42話)になる人はめったにないのと同様で通常とは異なる事件なのでより深くて広い洞察が必要になる…という設定だろう。HIVの増殖をおさえる「ネピラピン」というお薬も登場。


大いなる陰謀(ロバート・レッドフォード監督)

2009-05-17 | Weblog
キャスト:トム・クルーズ、メリル・ストリープ、ロバート・レッドフォード

評価:☆

コメント:オバマ大統領が就任する前に製作された映画だが、すでにイラク戦争の問題点は自明の理だったようだ。2003年のイラク戦争で映画製作時で3,500人以上の兵士が死亡。共和党の支持率は下落し、共和党の若手ホープとジャーナリストの対話から映画が始まる。そしてアフガニスタンのバグラム空軍基地上空をヘリコプターが旋回し、極秘作戦に乗り出す…。
 6年間のドロヌマ戦争においてタリバンとの闘いには一定の正当性は見出されてもイラクへの侵攻については結局国際世論も含めてなんら正当性を立証することができなかったアメリカ。戦場がイラクとアフガニスタンの両方に分散している以上、ゲリラ作戦に対抗するには軍事物資が不足している。そこで共和党議員のホープがある極秘作戦を提案するが…。そしてカリフォルニア大学のマレー教授は友愛会の会長職も勤めた優秀な学生が無気力になっているのに気付き討論をしかける。「30,000ドルの学費をかけてオールCなんて…」という台詞がアメリカの格差社会を物語る。対話が多く、戦闘シーンもあることはあるが、やはりアフガニスタンであっても上院議員の部屋であってもカリフォルニア大学の教官室であっても対話で構成されている映画だ。予算さえあればもっと違う展開もできたのかもしれないが、あえてロバート・レッドフォードは「対話」を全面に出す映画をこの時期に造りたかったのだろう。
 題材はアフガニスタン戦争だったが、実はアフガニスタンでなくても構わなかったのかもしれない。「自分の決断に責任を取れ」というマレー教授の言葉が実はすべて上院議員にもジャーナリストにもアフガニスタンの軍人にも、そしてカリフォルニア大学の学生にも突きつけられた最後通牒のような気がする。

ストーリー;同日同時刻、将来の大統領候補とも目される共和党の若手上院議員アーヴィングは熟練ジャーナリストジャニーン・ロス記者と1時間の単独インタビューをもつ。アフガニスタンではカリフォルニア大学にスポーツ奨学生として苦労して進学し、国家のために何をするべきかを考えたあげくに志願兵としてアフガニスタンに赴いた二人がヘリコプターでアフガニスタンの山奥に侵入を試みていた。そしてカリフォルニア大学のマレー教授は政治学でオリジナリティのある発想と意気込みをみせていた学生を呼び出し、論争を挑む…

ブーリン家の姉妹(ジャスティン・チャドウィック監督)

2009-05-17 | Weblog
キャスト;エリック・バナ、ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン、ジム・スタージェス、エディ・レッドメイン、アンナ・トレント

評価:☆☆

コメント:ヘンリー8世といえばエリザベス1世、ヴィクトリア女王の次ぐらいに世界史では有名なイングランド国王ではなかろうか。自らの結婚のためにローマ教皇と袂をわかち英国国教会を設立。残虐非道かつ女好きの国王というイメージだが、この映画ではエリック・バナがどちらかといえば権力志向の女性にたぶらかされるとともに英国統治の安寧を願っての浮気相手探しという優柔不断さをみせる国王を演じている。王妃は合計で6名。そしてそのうちアン・ブーリンを含む2名を斬首。このヘンリー8世とキャサリン王妃(キャサリン・オブ・アラゴン)の離婚に異議をとなえてロンドン塔で処刑された有名な人物にトマス・モアがいるが映画の中にはこのエピソードは扱われていない。映画の中でも「ルター派」に対する批判(宗教改革に対する批判)がちらっとでてくるが、ヘンリー8世自身はフランス語とラテン語の読み書きが可能なインテリジェンスを持ち、ルター派批判の書籍も書いている。そしてキャサリン王妃は生理が止まりもはや子供が産めない身体となった時点で、生き残った最後の子供メアリー王女(メアリー1世)のみとなり宮廷から追い出される。
 もともとテューダー王朝の安定化をはかるためには当時の大国スペインとの関係を強固にしておく必要性があった。それは後の映画「エリザベス」でも描写されており、さらに続編の「エリザベス~ゴールデンエイジ~」でついに無敵艦隊と英国の戦争に至るまでスペインの力は強大さを誇っていたのだから、ヘンリー8世の離婚問題は英国統治の危機を招くものであったのは間違いない。それにキャサリン王妃はカルロス1世の叔母にあたる。この結果、王位継承法が改正されてメアリ1世の王位継承権は剥奪されてエリザベスが王位継承権を得るとともに、国王がすべての最高権力を握ることになる。映画の中で「反逆罪」という言葉が後半から頻出するが、この王位継承法と国王至上法のことをさすものと思われる。ジェーン・シーモアが男子を産むが、これが後のエドワード6世(しかし治世6年で死去)である。映画の中でもアン・ブーリンの後釜にジェーン・シーモアが座るシーンが描写されている。  
 
 映画の中でポイントとなるのがアン・ブーリンの不貞疑惑だ。黒い髪のアン・ブーリンにナタリー・ポートマンがキャスティングされたのは適役だと思う(ただし魔性の女というにしては純粋すぎるが…)。映画では兄弟との近親相姦のみが取り上げられていたがそのほかには4人ほどの青年貴族との浮気が疑われていたようだ。その後青年貴族や兄弟とともにロンドン塔で処刑されることになる。ヘンリー8世がジェーン・シーモアと再婚したのはアン・ブーリンが処刑されてから10日後というからとんでもないことではある。

ストーリー:仲の良かった3人兄弟はそれぞれ結婚相手をむつまじく暮らす予定だったが、そこへヘンリー8世が訪問してくるという。すでにアンはヘンリー・パーシーと結婚しているが、妹のメアリとともに宮廷に赴く。「権力と地位のない愛は無価値」といいはなつアン・ブーリンは、キャサリン王妃の追い落としをはかり、国民の反感をあびながらヘンリー8世と結婚する。そしてブーリン家一族やノーフォーク公など結婚を出世の道具として利用しようとした一族に「没落」のときがやってくる…

デイ・オブ・ザ・デッド(スティーブ・マイナー監督)

2009-05-17 | Weblog
キャスト:ミーナ・スヴァーリ、ニック・キャノン、ヴィング・レイムス、メイケル・ウェルチ、アナリン・マッコート、スターク・サンズ、マット・リッピー

評価:☆

コメント;「死霊のえじき」のリメイクということになっているが、実際には別物の作品と考えるべきだろう。と、いうよりも「バイオハザードⅢ」のほうがロメロの「死霊のえじき」に近い設定だ。ゾンビ映画の系譜をたどっていくととにかくゾンビの動きがよりスピーディになっていることは確かで、この映画ではゾンビが天井をはったり、道具を使用したり、窓から地上に飛び降りたりといった人間離れしたスピードさをみせる。う~ん。やはり初心に戻って死後硬直のためにゆっくりした動きだがしかし握力は強い…という原点に立ち返るべきではないかと思うのだが…。これではあっという間に人類は死滅してしまうだろう。 しかもこの映画では「空気感染」の可能性も示唆されているし…。

ストーリー:コロラド州の田舎町レッドビルに謎の病原菌が発生し、街は州軍によって隔離閉鎖された。名目は「検疫隔離演習」で道路の24時間閉鎖だったが、地元出身のクロス伍長は次第に「演習」ではないことに気がつきはじめる。弟とともに街のパインバレー病院から逃げ出し、すでに廃棄されたはずの米軍ブラッグ基地に逃げ込むが、そこに今回の病原菌騒動の原因でもあるワイルドファイアー計画が進行していた…。ナイキミサイルの発射場からの脱出をめざすがゾンビたちのパワーはかなりアップしている…

BONES~骨は語る~第1シーズン第19話~第22話(ハート・ハンソン監督)

2009-05-17 | Weblog
キャスト;エミリー・デシャネル、デヴィッド・ボレアナズ、ミカエラ・コンリン、エリック・ミレガン、T.J.サイン、ジョナサン・アダムズ

評価:☆☆☆

コメント:シリーズを通じて「大きな謎」がテンペランスの両親をめぐる失踪事件で「小さな謎」がそれぞれ1話づつという構成をとる。これって視聴者をひきつける構造としては見事なもの。毎週小さなエピソードだけではいつかは飽きがくるが、マンネリ化しそうになったら「大きな謎」の謎解きにシフトすればいいわけで。

第19話「消えた記憶 」(The Man in the Morgue )  ハリケーン「カトリーヌ」を扱った題材。「ヒーローズ」にもこのカトリーヌを扱った題材がでてきたが、このハリケーンの被害はアメリカ国民に相当の衝撃を与えたものと思われる。そういえば映画「ダイ・ハード4.0」にもカトリーヌに言及するシーンがあった。映画ネタもちらっとでてきて「それ欲望という名の電車というわけね」という台詞が登場。そしてテーマはブードゥー教。セクト・ルージュとよばれるブードゥー教では異端の宗派が事件に介在してくる。

第20話「移植された悲劇」(The Graft in the Girl )  FBI副長官の娘がスノーボードでの骨折事件をきっかけに骨肉腫にかかってしまう。ドナーの年齢は60歳だが、若い少女がいきなりかかる病気ではない… graftとは移植という意味。

第21話「英雄の秘密」(The Soldier on the Grave )  イラク戦争に対する厭戦気分がこのシリーズには漂っているが、この第1シーズン第21話もイラク戦争の英雄のエピソード。映画ネタとしては、復員軍人センターのシーンで「駅馬車」をめぐる会話が。イラクのモスルで「反乱分子」の家に突入した小隊。すでに正規軍のみならず州兵もイラク戦争には招聘されていたが、州兵ばかりの小隊で突入し、英雄が一人戦死する…

第22話「マルコとポーロの再会」(Woman in Limbo)  まさしく映画が謎の鍵となる。1993年に公開された「逃亡者」(Fugitive)のチケットが発見される。しかしその被害者が失踪したのは1991年だった…。この第22話でテンペランスの兄が初登場し、父親が「声」のみ登場する。 in limboで「どっちつかずの~」「正体不明の~」という意味になるようだ。

ストーリー:法人類学者テンペランス・ブレナンとFBI捜査官シーリー・ブース。結婚制度や宗教など対立することが多い二人だが捜査に協力しあっているうちに相通じるものができてくる…

スターシップ・トゥルーパーズ3(エド・ニューマイヤー監督)

2009-05-13 | Weblog
キャスト:キャスパー・ヴァン・ディーン、ジョリーン・ブラロック、ポリス・コトジョー、スティーブン・ホーガン

評価:☆☆

コメント:「スターシップ・トゥルーパーズ」の第1作は青春映画としてまさしく高い評価を受けるべきだろう。
 ただ第2作は予算が少なかったせいか宇宙基地内部での戦闘が中心でいまいち。
 で、この第3作だが悪名高いポール・バーホーベンが製作しているせいか第1作の「毒」がある程度復活。なにせ連邦政府側のヨイショニュースが次から次へと流れ、平和運動活動家はすべて絞首刑というとんでもないファシズム連邦国家になっているのだが、視点はあくまで人間対バグという構図。戦闘シーンがこれだけ続いてなおかつこれだけ反戦メッセージを逆説的に訴求してしまう映画ってある意味すごいかも。

ストーリー:宗教は禁止され、戦意高揚大会が総司令官による「死に日和」という唄がベストセラーに。そして軍隊に入隊することによって市民権が得られるという仕組みの地球連邦政府は、もともとは農業惑星だったロク・サン星にジョニー・リコ大佐を配備。電流網で防御の姿勢を貫いていたが、突然バグの急襲を受ける…

シューテム・アップ(マイケル・デイヴィス監督)

2009-05-13 | Weblog
キャスト:クライブ・オーウェン、モニカ・ベルッチ、ポール・ジアマッティ、スティーブン・マクハティ、グレッグ・ブレイク

評価:☆☆☆

コメント:いきなり坂道のシーンから始まる。謎の男が一人、生のニンジンをかじっている。坂道から始まる映画だから、ずっとあとは転げ落ちていく映画ということになる。「バッファンクーロ」というイタリア語なども混ざりながら、映画は銃と銃弾と子供の泣き声で終始し、「神は細部にやどる」とつぶやくインテリマフィアをあのポール・ジアマッティが、母乳が出る娼婦をモニカ・ベルッチが演じる。
 クライブ・オーウェンが演じる「スミス」はもちろん偽名だろうが、映画の途中で「スミス」(鍛冶屋)のちょっとしたヒントも出される。しかし「ノー・ネーム・マン」であることに変わりはない。
 一応ストーリーはあるのだがマリワナバスとか銃規制法案とか架空のエピソードでやはりここはクライブ・オーウェンのひたすら頭脳的なアクションを見つめ続けるべき映画だろう。面白い。

ストーリー:単なるいきがかりでマフィアに追われる妊婦を助けたスミス。だが子供を出産してすぐその妊婦は死亡し、赤ん坊を抱えながらスミスは逃亡する。そして母乳が必要なことから、赤ちゃんプレイ専門の娼婦ドンナに助けを求めるが、インテリ・マフィアはその「動き」を完全にプロファイルしていた…。

ホット・ファズ~俺たちスーパーポリスメン!~(エドガー・ライト監督)

2009-05-11 | Weblog
キャスト:サイモン・ペグ、ジム・ブロードベント、ティモシー・ダルトン、バディ・コンシダイン、ケネス・クラナム、ジュリア・ディーキン、ビル・ナイ、マーティン・フリーマン、ポール・フリーマン

評価:☆☆

コメント:前作「ショーン・オブ・ザ・デッド」よりもさらに馬鹿げた設定だがコメディ映画としては「ショーン・オブ・ザ・デッド」よりも完成度が高い。役者さんが全員力を抜いて演技をしているので見ているほうも楽にして映画の世界にのめりこめる。
 雨の日に彼女から別れを告げられ、「ピース・ツリー」だけを大事に抱えて車に乗り込む姿は「逆レオン」状態か「ハート・ブルー」「バックドラフト」「バッドボーイズ」といったハリウッドの刑事映画もところどころ挿入あるいは引用されていていずれも見た私としては非常に面白い。
 劇中劇で「ロミオとジュリエット」が演じられるのはやはり英国の映画ゆえか。とぼけた味のコメディ+サスペンス映画だが、ハリウッド・ストーリーに慣れている人には面白くないかもしれない。でも個人的にはこういうコメディ映画はダイスキ【^_^】。

ストーリー:スコットランドヤードのエンジェル巡査は、大学の2つの学科を首席で卒業、警察官になったあともS019に配属され9回特別表彰を受け、他の巡査よりも4倍の検挙率を誇る優秀な警察官だった。しかしあまりにできすぎる警官だったため「われわれが無能に見える」という理由でサンドフォードという犯罪率ゼロのムラへ転勤を命じられる…。ビレッジ・オブ・ザ・イヤーを受賞するその村は一見平和そうだが実はしかし恐ろしい「事故」の発生率の高さを誇っていた…。

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)(若松考二監督)

2009-05-10 | Weblog
キャスト:坂井真紀、ARATA、地曵豪、並木愛枝、 佐野史郎 、 奥貫薫 、 大西信満 、 中泉英雄 、伊達建士 、伴杏里

評価:☆☆☆☆

コメント:1972年の「あさま山荘事件」や「連合赤軍」…。もちろんその映像やリンチ殺人事件という話は聞いたことがあるが「実感」としては伝わってこなかった。 時代の違いというのもあるが、一つの主義主張にこだわりすぎるのは「右」でも「左」でもファシズムにつながる…というすでにポストモダンの時代に突入していたからかもしれない。
 すでにスターリンの大虐殺もポル・ポト派の大虐殺、さらに日本国内で70年代にふきあれた内ゲバといった各種事件の後に残ったのは「先鋭した政治意識」や「統一された主義主張」にはどこかに無理が生じる…といった無力感だったような気がする。 そしてその時代に若者を席捲したのはむしろカルト宗教だった。連合赤軍や各種大学執行部が無力化していく中で、学生の意識に「世界平和」などの理念を掲げて地道に浸透していったたとえばオウム真理教。このオウム真理教は当時一般的な学生にとっては「一つの冗談のような集団」ではあったものの五月祭には巨大な掲示板が掲げられ、実際に本郷キャンパスなどでも活動家がいた。優秀で理想に燃えてはいるが、その後その宗教団体が90年代に引き起こした事件は、連合赤軍事件と重複する部分がかなりある。   

 この映画は「事実にもとづいてはいるが一部フィクション」という断り書きがついているが、若松監督のフィルターを通しているので実際には純粋なフィクションとしてみるべきだろう。ただ現在の永田洋子死刑囚がかつて20代だったとき、また当時20代の純粋な若者たちが等身大となって画面の中で革命用語を使用して自滅していく様子は、資料や文献でみる「連合赤軍」よりも鮮烈だ。連合赤軍のメンバーが見守る中、土の中に埋められていく死体をライトが照らす様子には「ひかりごけ」をイメージさせる部分や宗教的儀式に近いものがある。おそらくテーマや「用語」が変化しても同じように「闘争」や「統一」「連合」といった形で大多数の人間の考え方を歪曲したり一つにまとめてしまおうとしたり…といった動きはまた形を変えてでてくるのだろう。70年代は政治として、90年代は宗教として。そして21世紀はもしかすると「経済現象として」こうした「総括する現象」「自己批判を要求される現象」が発生するのかもしれない。

 坂井真紀さんが力を抜いた飄々とした演技を展開し、「ここぞ」という場面で力を集中して観客を「恐怖」へ落とし込む演技が素晴らしい。こんな飄々さから残虐なリアリティの世界までを一気に演じてしまう女優さんだとはこの映画をみるまで思ってもいなかった。素晴らしい…。

ストーリー:学費値上げ反対闘争にゆれるM大学。社青同は関西系と関東系に分裂。その中で昼間はビール会社に勤めて夜は二部の学生として勉強するTは、後に日本赤軍のメンバーとなるSと知り合い、学生運動にのめりこんでいく…。おりしも1967年佐藤首相がベトナムへ、1968年キング牧師が暗殺、同年日本は世界第2位のGNP大国へ、1969年東京大学安田講堂事件、1970年よど号ハイジャック事件など時代の変化が起きようとしている最中に学生運動も変化しなければならない時期を迎えていた…。

ヒットマン( ザヴィエ・ジャン監督)

2009-05-07 | Weblog
キャスト;ティモシー・オリファント、ラグレー・スコット、オルガ・キュリレンコ、ロバート・ネッパー、ウイリク・トムセン、ヘンリー・イアン・キュージック

評価;☆

コメント;アクション映画の美学は美しいメロディとスローモーションと信じ込んでいるのでこの映画の山場ともなる銃撃シーンはやはりスローモーションがなによりもの美しさ。ただ随所に「マトリックス」の影響がかいまみられ、ラスト近くで登場するCIAのエージェントは「エージェント・スミスだ」と名乗る。
 アイドス社のゲームが原作の映画だが、ヒーローが爆風を避けて別の部屋に飛び込むとその部屋では「ヒットマン」のゲームバージョンをやっている客がいたりもする。ロケ地がロシアというのも「ウォンテッド」と同じくこれまでのアメリカ一辺倒のハリウッド・アクションに変化が見える。

ストーリー;「エージェント47」は異端の修道士によって育成された殺人マシーン。後頭部にバーコードが刷り込まれており、爆発物や銃器の扱いに詳しい。欧米との協調路線をかかげる大統領を抹殺しようとしたが、「失敗」。そしてその事件のあとペリコフ大統領は強力なロシア主義をかかげて政治路線の変更をはかる…。

ハイスクール・ミュージカル2(ケニー・オルテガ監督)

2009-05-05 | Weblog
キャスト:ザック・エフロン、ヴァネッサ・ハジェンズ、アシュレイ・ティスデイル、ルーカス・グラビール、コービン・ブルー、モニーク・コールマン

評価:☆

コメント:今年のアカデミー賞の司会者はヒュー・ジャックマン。そしてミュージカルで鍛えた見事な声と踊りを披露するが、一番の見せ場は「トップハット」から始まるハリウッドのミュージカル映画をビヨンセとのコンビネーションでショーとして見せたこと。そしてゲストにこの「ハイスクール・ミュージカル」シリーズからも2組が出演。ほんの少しだけだが、ハーモニーも聞かせてくれる。
 PART1よりやや時間が経過しているせいか、出演者がいずれも「大人」になっていて、「高校生っていうには辛くないか…」というような体型や声になっているキャストもちらほら。唯一PART1と変わらない可愛さを保っているのが作曲担当のケルシー・ニールソンを演じている役者さんのみ。ただこのケルシー役の人はあまりダンスのほうは得意ではないらく、一応踊っている場面もあることはあるが、前のほうにはあまり出てこない。うーん、この映画はやはり「ケルシー・ニールソン」を演じたオレーシャ・ルーリンが隠れた主役だと思うのだが…。帽子の姿がなかなか可愛い…。
 ちなみにヴァネッサ・ハジェンスとザック・エフロンはともに私生活でも恋人同士とか。

ストーリー;夏休みが始まり、イースト高校も夏のアルバイトとレジャーの予定が始まると思いきや、シャーベイ・エヴァンスの策略でトロイ・ボルトンにとってはスカラシップ(奨学金)、特にアルバカーキ大学のバスケットボールチームとの交流が、ワイルドキャッツ(高校のバスケットチーム)の練習よりも優先される毎日。恋人のガブリエラや仲間、特に親友のチャドとの付き合いも疎遠になりがちで自分にとってかけがえのないものを見失おうとしていたとき、自分にとって本当に大事なものを見つけていく…。