ごとりん・るーむ映画ぶろぐ

 現在584本の映画のあくまで個人的な感想をアップさせていただいています。ラブコメ、ホラー、歴史映画が好きです【^_^】

HERO(鈴木雅之監督)

2008-12-27 | Weblog
キャスト;木村拓哉、松たか子、大塚寧々、阿部寛、勝村政信、岸部一徳、松本幸四郎、イ・ビョンホン、森田一義、中井貴一、綾瀬はるか、香川照之

評価:

コメント:こういう検察官がいればいいなあ…と思いつつも、検察庁の職域を越えて警察庁の領域にまで検察官や検察事務官がふみこんでいるのではないか…という不自然さも。捜査そのものはやはり警察庁の段階で固めてあれば、この映画で描写されているようなことはだいたい終了済みのはず。確かに被害者やかつて起訴した加害者へのアフターフォローも大事かもしれないが、それはまたそれで別の話で…。はたしてこれが理想の検察官かというとちょっと断定はしにくい。  
 映画そのものは、あきらかに「舞台演出」の影響を受けており、支部の中はまるでひとつの劇場のようなセッティングになっている。扉の開け閉めのタイミングや会話などもピンポンゲームのようにやりとりが進み、台詞まわしの上手さが映画のテンポもよくしている。ただし映画にしなくちゃだめ…というほど映像に頼っている部分は少ない。ゲスト出演のイ・ビョンホンがかなりおいしいところをもっていった印象。逆に森田一義が「大物政治家」にはあまりみえず…。キャスティングミスといえばキャスティングミスか。

ストーリー:国土交通大臣の花岡の捜査に対して法務大臣が指揮権を発動。おなじころ、三軒茶屋では傷害致死事件が発生し、容疑者を起訴。自白そのほかもかためて万全の体制で公判に臨む。しかしなぜか容疑者側の弁護士に大物蒲生が乗り出してくる…

パルス(ジム・ソンゼロ監督)

2008-12-27 | Weblog
キャスト:クリステン・ベル、イアン・サマーハルダー、クリスティナ・ミリアン、ロン・リフキン、ケル・オニール

評価:☆

コメント:黒澤清監督の「回路」をウェス・クレイブンが脚本を書いてリメイク。原作の映画とこの「パルス」を比較すると、やはりアングロサクソンらしく説明がかっちり出来上がっており、おそらく「回路」を見た観客がわけのわからない不安に落とし込まれるのとは対比して、「粗筋がよくわからない」ということはおそらくないだろう。
 ただしその分「怖さ」も減少してしまうのだが。現実には、「よくわからないけれど何かとんでもないことが同時進行している」ということ、けっこうよくある。その怖さは、なかなか映画化はできないのだけれど、得たいのしれない怖さに挑んでいるのがやはり黒澤清監督の凄いところではないだろうかと思う。  
 暗い図書館やどんどん人が消えていく様子など随所に原作のシーンを取り込んでいるのだが、どうしてもやはり「説明過多」なのが残念。心理学専攻というマティの設定もなかなかで「ストーカー心理とは対象が自分の行為に翻弄されるとき…」で始まる講義のシーンもなかなか良かったのだが。赤いゴムテープなどの小道具の「効果」なども説明しなくていいのに映画の中では説明されているし、ネットワークシステムに「特殊なファイル」をアップロードするためにサーバまでアナログに近づいていく…という首をかしげるような設定も…。

ストーリー:学生でありながらハッキングを繰り返しているジョシュ・オックマン。夜の大学図書館で「ジーグラー」と待ち合わせをするが、ジーグラーは現れず…。その後行方がわからなくなり、恋人のマティはジョシュのアパートメントに様子を見に行くが…。

ヒトラーの贋札(ステファン・ルツヴォッキー監督)

2008-12-24 | Weblog
キャスト:カール・マルコヴィクス、アウグスト・ディール、デイビッド・シュトリーゾフ、アウグスト・ツウィルナー、マルティン・ブラムバッハ

評価:☆

コメント:アカデミー外国語賞作品受賞作品だが…。正直つまらなかった。始まりはなかなかなのだが、強制収容所の中の描写になると突然つまらなくなる。人間模様はおそらく映画以上に多様だったとは思うのだが…。
 わざわざ映画化しなければならない必然性がどこにあったのかは疑問だ。ナチスドイツの非道さと映画のあり方とはまた違う次元の話のような気がしてならない。
 それはさておき、英国経済の混乱と崩壊を目的としたベルンハルト作戦。ポンド紙幣の偽造に始まり、次にはドル紙幣の偽造にも手をつける。グラフィック部、品質管理部、グラフィック部と細かく部門別に分かれた収容所の内部は、近代化された部門別製造工程の工場そのもの。ここでは「印刷」についてのドイツ人の哲学がかいまみられる。トルコ麻をどのように活用するのか、印刷機(プラライン印刷機やコロタイプ印刷機、ボストン印刷機など)も画面にちょっとだけ登場。当時、印刷機も一つの「武器」だったことが示される。
  「印刷とは真実を刷るもの」という理想主義と、「贋札を作ったほうが芸術よりも金になる」という極端な現実主義とのぶつかりあい。こうした二元論もドイツ人が大好きな対立構造で、当然物語は「アウフヘーベン」していくことになるが…。最終的に「生きることに価値があり、順応しないやつは死んでいく」という哲学と「銃殺されても信念を貫く」という理想が解決されないまま終戦になるわけだが…。
 結論が最終的にでないまま美談というかセンチメンタルに終わっていくのもなんだか不可思議…。ドロのようなスープが印象的だが、ナチスの暴力は実際よりもかなり抑制されているような気がする。もっとひどいことをおそらくしてのではなかろうか…。この贋札作戦は最終的には当時の英国の外貨準備預金の4倍もの量を印刷することに成功。ただし使用されることはないまま敗戦を迎える。情報をいち早く知るナチス将校の「ドイツがソ連に侵略されたケース」についての「予想」が非常に興味深い。おそらく「新たな共同体」を想定して「順応」しようという将校は実際に存在しただろう。映画の中にはヒムラー長官がこの作戦に関与していることが示唆されたり、エゴン・シーレ、カンディンスキー(ロシア前衛派)、表現主義といった絵画や政治に関する用語が頻出。ただしこれも脚本の良さで映画のよさではない。

ストーリー:穏やかな海。曇りの空。静かな波。「終戦」と書かれた新聞。海岸では兵隊が昼寝している。モンテカルロの「ホテル・ド・パリ」に贋札作りのソロヴィッチが貧しい姿のまま入っていく…というシチュエーションは面白い。着ているものを全部取り替えて、目で会話するシチュエーションも面白い。そして画面は1936年に変わり、亡命のためのパスポート偽造をしているころに話が変わり…。

インベージョン(オリバー・ヒルシュビーゲル監督)

2008-12-24 | Weblog
キャスト:ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグ、ジェレミー・ノーザム、ジェフリー・ライト、ジャクソン・ボンド、ベロニカ・カートライト、スーザン・フロイド

評価:なし

コメント:冒頭の青い光と白い壁の調和だけでみせるシーンはなかなか綺麗。場所が薬局であることはすぐわかるのだが、緊迫したムードを醸し出すのにはゴテゴテとした舞台装置よりもシンプルな光のほうが効果的であることを実感する。
 午前4時40分、6時45分と「時間」を小道具に緊迫感を出そうとする試みもこの映画はしているのだが、あまりに場所と時間の設定が「入れ子」になりすぎるあまり、緊迫感が逆に「弛緩」してしまった印象も。
 舞台装置や衣装はとても素晴らしく精神科医のベネルのオフィスの「電話機」や壁などとても綺麗な小道具が使用されており、小道具の大事さものこの映画で実感。ハイテク機器ではあるのだが、10年後にこの映画をみてもアンティークとして通用するような工夫がされている。ハロウィンの衣装も映画ファンを意識した面白い衣装だし、ベネルの衣装も寝巻き姿も含めて素敵。使用しているヤカンですらとても素敵。  
 患者役でチョイ出演するウェンディのセーターもツイードのブルーが素敵で、衣装はどこからみても素晴らしい。脚本もそんなに悪くはない。ピクルスの種類について母と子が会話する様子ロシア大使とチェコ大使が毒のある会話で応酬する様子などウィットが効いている。

 どこが悪いのか…と考えてみるに小道具を活用できる「大道具」に不足していたのではないか、というのが個人的な見解だ。  
 大女優に素敵な衣装と小道具。しかし雨の降り方があまりにもへたくそなので全体としてはあまりたいしたことのない画面になってしまっている。「イラクやダルフールの惨状…」という台詞がでてくるのだが(それが伏線にもなるのだが)、使い古しのニュースの再編集、遺伝子がリプログラミングされる安易なCGなどが逆にアナログ面での努力を無にしてしまったような気も。
 「脳の白質」に影響するADEMがなんらかの「効果」をもつとはいってもそれが「なぜゆえにか」…という疑問はついに解明されることがない。脚本もおそらくあまりに話が大きすぎて後半を「縮小」したのかもしれないが…。
 せっかくのいいキャスティングなのにかなり残念… 製作には「しりきれとんぼ」映画の泰斗ジョエル・シルバーが名前を連ねている…。

ストーリー:地球に帰還中のスペースシャトル「パトリオット」が爆発。破片とともに有害物質が飛散し、事故現場には政府の各組織が集まりそれぞれの業務をこなす。慌しい現場の中で疫病対策センターのタッカーも事故現場に姿を現して、ダラスからワシントンDCまで約320キロメートルにわたり、「カルシウム・ジピコリネート」(内生胞子生命体)が機体の破片とともに飛び散っていることを知る。この事故が発生したのが午前4時40分ごろ。そして映画は午前6時45分ごろに舞台を移し…。

「チーム・バチスタの栄光」(中村義洋監督)

2008-12-16 | Weblog
キャスト:竹内結子、阿部寛、吉川晃司、池内博之、玉山鉄二、井川遙、野際陽子、田口浩正、田中直樹、平泉成、ベンガル、上田耕一、山口良一、山中崇、佐野史郎

評価:

コメント:高階院長の部屋の造りがリアル。後ろの壁にはコチョウランがいけてあり、質素ながらも威厳がある様子がうかがえる。閉じられた空間の話だけに舞台美術や装置には相当にこった様子がうかがえる。本来のバチスタ手術は2006年当時の技術水準では約60パーセント。それからするとこの映画にでてくる成功率は相当に高いことがわかる。この映画で日本では子供臓器移植が認められていないことや、拡張心筋症について知る。
 助教授・第一助手・第二助手・麻酔医・臨床工学技師・看護士・病理医で結成されたバチスタチームはドリームチームでもあるが、複雑な人間関係の様子は画面の俳優の「視線」でうかがいしれ、台詞であれこれ説明する部分が少ないのには好感がもてる。
 手術室にメモ用紙を持ち込んでもいいのか、とか「助教授」は「準教授」が正しいのではないのか、とかいろいろ疑問点もわくが、これは撮影年度を2006年に設定しているがための演出なのだろう。
 「パッシブ・ヒアリング」「アクティブ・ヒアリング」「オフフェイスヒアリング」といろいろヒアリングについて白鳥が語る場面や、竹内結子の背番号10をつけたソフトボールのユニフォーム姿もなかなか。撮影協力には埼玉医科大学や順天堂大学などが名を連ねており、リアリティが高いのもうなづける内容。田口浩正や山口良一、ベンガルなどの脇役がまた味のある演技を披露していて好感がもてる。

ストーリー:東城大学医学部ではバチスタ手術の専門チームが結成され、その手術の成功率が100パーセントという実績を誇っていたが、たてつづけに3例続いて失敗する。学内調査の必要があるため、心療内科で不定愁訴外来を担当する田口公子助教授が調査を担当することになり、チーム・バチスタのメンバーを聴取。しかしそこに厚生労働省から「白鳥」と名乗る調査官が乱入…

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(スティーブン・スピルバーグ監督)

2008-12-16 | Weblog
キャスト:ハリソン・フォード、シャイア・ラブーフ、レイ・ウィンストン、カレン・アレン、ケイト・ブランシェット、ジョン・ハート、ジム・ブロードベント

評価:☆

 コメント:かつての1930年を舞台にしたシリーズから1950年代へ。続編として正しい舞台設定で、時代は必ずしも明るいものではない。マッカーシズムの影響が映画のあちこちに散りばめられ、インディ・ジョーンズ自体もFBIの監視を受けるとともに、大学の学部長も大学から追放されるという苦いエピソードも挿入されている。ハリウッドも1950年代にマッカーシズムの影響で、だれもかれもが共産主義者とみなされて追放されていった苦い時代があるが、スピルバーグとしてはたとえ娯楽作品であっても1950年代が舞台ということで、「赤狩り」の描写は避けて通れないものだったのだろう。

 ジョン・ウィリアムスの映画音楽はかつてのままだがほろ苦いエピソードがいくつも挿入されている。「部分出演」するショーン・コネリーの白黒の写真もハリソン・フォードとともにため息とともにみつめてしまう自分がいる。かつての登場人物マーカスも死んだという設定に。また原爆を発明したオッペンハイマー博士の言葉の引用、ミルトンの「失楽園」からの引用の台詞なども…。

  ただスパイ活動もしつつ、またスコットランドで発掘されたBC3000年ごろの土器について解説もしながら、マヤ語を援用して「コイホマ語」(南米で昔使われていた言語という設定)の解読に挑むインディ博士の専門ジャンルを問わない博識ぶりは健在。またメキシコの革命家パンチョ・ビラとも友人であったことがこの映画でほんの少し紹介される。インディにケチュア語を教えたのはパンチョ・ビラだったというユニークな設定だ。

 時代は当然戦後なので、「敵役」も1930年代のナチスから予想されるとおり当時の別の大国へ変更。敵役のケイト・ブランシェットが東ウクライナ出身のソビエト連邦将校の役を冷徹に演じる。これ別の女優ではこうも「華」が画面に開くことはなかったような気がする。かなりの部分をスタントマンやセット、CGなどで合成したと思われるが、それでも面白いのは、ハリソン・フォードとケイト・ブランシェットのコミカルかつシリアスな会話のせいだろう。「ジェット・コースター・ムービー」とかつてそのご都合主義が揶揄されたこともあるシリーズだが、今回の新作はかなり理屈が通った内容。前回の三部作では潜水艦の上にインディが乗り込んで南極まで行ってしまう…というご都合主義そのもののエピソードがあったが、今回は「実現不可能」なシーンはきわめて少ない。もっともアマゾンのジャングルの中での「車のコース」そのほかには疑問も出てくるのだが、これはアクションに夢中になっていればさほど気にならない「瑕疵」といえるだろう。
 またUFO事件で有名な1947年のロズウェル事件も引用されている。正体不明のUFOを回収した事件として有名だが、映画では普通に「ロズウェルの…」「あの路上に飛び散った物体を回収…」「1947年の空軍の失態…」といった会話がでてくるが、これはUFO回収事件のこと。「アイ・ライク・アイク」(アイゼンハワーが大好きさ)なんていうインディの台詞も50年代している。実際に冒頭のカーアクションで車がつっぱしる倉庫の入り口には「51」という数字が…。ここで「エリア51」の話を知っていると映画をみていてなるほど…ということになる。アクションシーンで箱をいくつか車がはねとばすが、明らかに「失われたアーク」の「アーク」と思しきものが、ころんと床に転がるシーンも。「クリスタル・スカル」自体は映画の中でもインディがいっているように1927年に発見されてからいくつも発見されている「水晶製のどくろ」。ただしこの映画の「水晶どくろ」はちといわく因縁があるという設定だ。

ストーリー:1957年。冷戦の最中、アメリカ陸軍基地に向かう数台の車があった。陸軍基地の入り口には「兵器実験」「立入制限区域」の表示の看板も。貴重な軍事機密が保管されているという基地にその車両は乗り込み、そしてメキシコで発掘中に拉致されていたインディ・ジョーンズと友人のマックが解放される。二人は1940年代にはベルリンで二重スパイとして行動した仲間でもあったが…。そしてそこにレーニン勲章を3回受章したスターリンの秘蔵イリーナ・スパルコ大佐が登場する…。

クローバーフィールド/HAKAISHA(マット・リーブス監督)

2008-12-08 | Weblog
キャスト:マイク・ヴォーゲル,ブレイク・ライブリー,リジー・キャプラン,マイケル・スタール=デヴィッド,オデット・ユーストマン

評価:☆

コメント:上映時間85分が異様に長く感じるサスペンス映画。予算はさほどかかっていないと思うが,撮影スタイルが登場人物のハンディカメラという設定なので非常に見ていて辛い。「ブレアウィッチ・プロジェクト」の影響をどうしても感じるのだが,なんともやりきれないラストなどはまさしく「ブレアウィッチ」の終わり方そのもので…。  
 謎を謎として放置したまま終わる映画というのも悪くはないのだけれど,人気が出るとpart2や3で「謎」が解明されていくことになる。この映画がシリーズ化されるとは到底思えないが…。 合衆国国防総省の記録US-447の映画化という設定で、ラストは冒頭からすでに予告されている。かつては「セントラルパーク」とよばれていた場所がそのビデオが発見された時点では「クローバーが生い茂っている場所」になっているという破滅的な物語。4月27日、朝の6時41分から物語が始まる…。

ストーリー:ニューヨークから東京へ副社長として転勤することが決まったロブ。転勤を祝う仲間が集う中,ロブの恋人ベスが友達のトラビスを連れてきて喧嘩をしてしまう。そうしたきまづい中,轟音とともに「何か」の攻撃が始まる。そして,軍隊が出動し,ニューヨークからの退避命令が出るが…。マンハッタンから逃げようとする群衆がブルックリン橋に詰め寄せているシーンが圧巻。