事前報道

耐震偽装事件をはじめとする事件報道で最近気になるのは、ここ数日間各紙各局は
　　　「○○を近く一斉捜索」
　　　「○○を明日にも強制捜査」
　　　「○○の逮捕状を請求」　
　　　「耐震偽装事件８人今日にも一斉逮捕」
といった記事を各社横並びで報じている。
おそらく司法当局が発表したものではないと思うが、こうした事前記事がはたしてどれほど意味のあるものか疑問だ。
この記事によって当事者が証拠隠滅を図り、逃走・自殺等捜査上の障害が発生したときマスコミ各社はどのような責任をとるのだろうか。
こうして考えてみるとこの種の報道は、捜査妨害のなにものでもない。
読者や視聴者は興味はあっても、そんな妨害的な記事まで望んでいない。
メディア各社のゆがんだ過当競争から生まれた副産物で、なんの公的利益ももたらしてはいない。
各社のメンツや利益を図る視点で予想・事前記事を報道するのでなく、逮捕後に逮捕した事実を正確に客観的に報道することの方が大切ではないだろうか。