私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

つばめ

2006-04-13 23:44:25 | weblog
桜の開花宣言を数日後にひかえた4/12自宅上空を3羽のつばめが旋回している
のを見た。例年より10日程遅れているが、この時期つばめを見ると10年前次兄を亡くしたせつなく悲しい思い出が甦ってくる。
[弔 辞]
ようやく残雪も消え躍動の春を謳歌しようとする矢先、ついこの間まであんなに元気だった兄貴が、病を克服できず両親の待つ見知らぬ遠くに旅たち再び帰らぬ人となってしまいました。覚悟はしていたもののあまりにも早く突然のことで、私達はみんな悲嘆にくれています。再入院の後、帰宅してから家族の献身的な看病と周囲の人達の奇跡を願う祈りも空しく、今こうして御霊の前でぬかづくことなどよもや思いもかけなかっただけに深い悲しみにくれどうしても信じることができません。
3月私が岡谷へ転勤になった際、わが事のように喜び引越しの手伝いに官舎まで駆けつけてくれましたネ。この時すでに病魔は確実に忍び寄り進行していたのに、そんな素振りはみじんも出さずゲートボールから松茸山の購入さらには孫の話まで得意のポーズを交えて語ってくれましたが、事情を知っている私にはそんな姿がいじらしく涙の出る思いで聞いておりました。私も故郷を離れて40年余。弟思いの兄貴夫妻には、長い間陰に陽に可愛がっていただき本当にご面倒をおかけしました。
 ♪山よ小川よまた森よ 姿むかしのままなれど なぜにかの君 影もなし
ふるさとに限りない郷愁を抱いていた私には、兄貴の死がまたひとつ心の支えを失った感じで寂しさばかりがつのります。時の流れはどんなものも押し上げ、巻き込み、呑み込んでしまいます。大事な人まで遠くに運んでしまうつらい現実はもうこりごりです。(中 略)
兄貴は普段私達兄弟に対して「身体だけは気をつけろよ」と言っていたのに、何故
自分のことになると無神経になってしまったのか残念で悔やみきれません。ただ心救われるのは末期ガン患者の多くが体験する耐えられない苦痛が最小限であったこと、最期まで自宅において甘えて家族の看病を受けみとられたことです。闘病中希望を捨てず最後まで頑張り続けた兄貴の気力と何の不満も言わず黙々と日夜看病に
徹した家族の努力に改めて敬意と感謝を申し上げます。
今年も自宅軒下には幸運を運ぶというつばめがやってきましたが、志半ばで倒れた
兄貴の無念さを察する時やりきれない思いでいっぱいです。敬愛してきた兄貴を死
という残酷な別れで失ってみて、あまりにも人生のはかなさ、人の命のもろさを痛感するとともに、その存在と足跡の大きさを改めて知りました。
この上はどうか残された家族の行く手にご加護がありますように温かく見守っていてください。長い間の尽力と私達へのご厚情本当にありがとうございました。
天国でゆっくり骨休みをし、安らかに眠ってください。     合掌

最新の画像もっと見る