きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

「実効支配」とは

2010-11-02 13:31:36 | Weblog
「実効支配」とは       (010.11.02.)

ロシアのメドベージェフ大統領は、昨日、日本の要請を無視して北方領土国後島を訪問しロシアの「実効支配」の姿勢を示した。

此れに対し日本の外務省は駐日ロシア大使を呼び出し「わが国、国民の感情を傷つけるもので極めて遺憾である」と抗議をした。

北方領土問題は、日本がポツダム宣言を受諾し千島列島の放棄をしたサンフランシスコ条約があるが、ロシアは、この条約に署名しておらず、ポツダム宣言受諾後にソ連軍が攻め入って占領したもので、法的には未確定のままになっている。
また、1956年の日ソ共同宣言では、ソ連が歯舞・色丹の2島の引渡しに応じる事を明記した宣言を認めており、メドベージェフ大統領もロシアとして、この宣言の継承する事を認めている。
こうした経過の中では、今回のロシア大統領の国後訪問は信義に反する意味合いもあるが、問題は、鳩山政権時代に「半年以内に国民の期待に応えたい」と日露関係の改善に期待を持たせていたが、その後放置して来たことが、ロシア側に大きな失望を持たせている。

戦後日本は、行政的にも放置してきた事から、いまや、北方領土に住む住民は殆どがロシア人で、経済的な支配もロシアが行ってきている。この状態が「実効支配」と言うのであり、この状態で行政的な行為は、すべててロシアが遣って来ている。

メドベージェフ大統領は、立ち寄った国後島の水産加工工場で、イクラの試食し、気さくに地元の業者と話し合いをしたり、また、幼稚園の職員の話を聞いたりして住民と溶け込み、現地に普及している携帯電話網が、ロシアのものであった事に、満足感を示していたと言うのである。

土地に住む住民達は、行政支配を、何処の国から受けているかが重要な問題であって、日本のように、放置しておき、法律的には日本の領土だと主張しても、支配の実態が日本から離れておれば、今後国際的に、領土問題を主張してもその説得力は弱いのではないかと思われる。

尖閣諸島は、無人島ではあるが、一応日本が支配している事になっているが、竹島は韓国の実効支配が行われている。

人間は地球上に住む動物で、何処に住んでも良いのではないでしょうか、そして、住む地域での行政を支配する国が、住民から親しまれる政治によって、一国が確立するものであると思います。

昔から、国の成立の歴史は、住民と支配者の一体的な共同利益によって、作られてきている。其処へ、最近のボーダレスな社会的傾向は、国別意識が、次第に超越された物になってきているのではないでしょうか。
(えびなたろう)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿